異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

召喚されてみた

全力調査

「うーん、無理かも」
　再び来たらしい敵を撃ち落していると何かしていたようだがうまくいっていないようだ。
「どうしたんですか？」
「なんとかあいつらを捕獲できないかと弾の種類を変えているんだが、どうも透明化の能力に特化しているようで耐久力は一切ないみたいで、どうやっても倒してしまう」
「そんな事してたんですか？」
　先ほどから同じように攻撃しているように見えたがいろいろしていたようだ。
「どうもうまくいかん、いっそ発生源に攻撃してもいいか？」
「発生源は分かるのか？！」
　前方を警戒していた先生が足を止めてメリジュさんに向かう。
「うーん、発生している箇所が同じだから何となくだけど……」
「よしやってしまえ」
「わかった」
　警戒で疲れたのか即座に攻撃の指示を飛ばす、メリジュさんも待ってましたとばかりにどこからか銃を出現させて放物線を描いてどこかに砲撃していた。
　前方の着弾地点で大きな爆発音と地面が大きく揺れた。

「やりすぎ……」
「正直スマン、次は威力を落とします……」
　メリジュさんも予想外の威力だったようで自分でも驚いていた。

「ま、まぁこれで脅威はなくなっただろうし、行くか……」
　流石に爆撃ともとれるような所に向かうのでもはや警戒する気もなく、少し気が抜けた状態で進んでいくことになった。


「まぁ、そうなるよな」
　目的地らしき場所に到着したが、大きなクレーターがあるだけだった。
「……いや本当にスマン」
「いちおう、調査するさ、残留物でもあれば……、お見事に燃え尽きてるな」
　普通なら何かしらの残留思念や残留魔力があるらしいが、メリジュさんの火器がかなり高かったようでそれすらも全て焼き尽くしてしまったようだ。
　先生と先輩が協力して少しでも痕跡がないか捜索してみるが、自身の魔力を使い切って倒れかけるまで行われたようだが何も見つけられなかったようだ、自分達はそういった探索系の魔法は授業で教わった程度で特化した先輩がいるのでその辺は任せて周囲の警戒をしていた。

「……もう、完全に消滅しているからもう帰ろう、課題に関しては僕の一存では決められないから後日知らせるよ、時間は、まだ昼だがもう帰ろう、なんか疲れたよ、先生もゆっくりしたい」
「つまんね」
　集まった生徒の中には戦闘要員として来た者もいる、その人にとっては変な緊張感があったものの結局何もない結末に終わったのでつまらない時間となったのだろう。
　地面にあった石を適当にクレーターの中心に向けて蹴る、鬱憤が堪っていたのだろうかなり威力があり小さいながらも爆発が起こった。
　するといきなりクレーターの中心からうなり声のような物が響いてきた。
「今の石が何かを目覚めさせたらしいな」
　下がり気味だった先生のやる気が上がったようですぐさま戦闘態勢をとり始める。
「さぁ行くぞ！」