異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

玩具の世界は無駄に壮大になりがち

始まりも大体壮大

「お帰りなさい、連続で申し訳ないですけど緊急で片づけてほしい世界があるので行ってほしいのですが大丈夫ですか？」
「まぁはい補給した後なら」
「よかった、じゃあ行ってらっしゃい」
「えぇ」


　気が付くと街の中にいた。
「またいきなりだな……、というか補給ってされてる？」
「……バッチリしてある」
　サヨもびっくりしているようで手持ちの在庫を確認していた、メリジューヌ(仮)も自分の手持ちを確認して補充されていた事に驚いている、というかいい加減名前をちゃんと付けないとな。
「？」
　メリジューヌ(仮)を見ていると視線に気づいてこちらを見つめ返してくる、少しの間無言でいると少し首をかしげる。
「いい加減に名前をちゃんと決めないとなって思ったのさ」
「じゃあ」
　といったもののどうするか、メリジューヌだったからメリ子、だとつまらないしダサい、というか自分とサヨがそもそも日本人系の名前なのだから娘も日系の方がいいだろう、だとするとメ、メリュ、メグ、み、めぐみとか良いかもしれない、後は漢字だが、もう異世界に来たのでインターネットは使えない、仕方がないので端末の予測変換で良さそう物を採用しよう……、いくつか変換候補が出てきたがバランスを考えて恵美この漢字がよさそうだ。
「サヨちょっといい？」
「ん、何？」
「コレでどうかな？」
「良いと思うよ？」
　サヨは全肯定の感じがあるが同意を得らえれたので採用する事にした。

「えっとな、恵美(めぐみ)でどうかな？」
「めぐみ……、めぐみ……、うん！」
　元気よく了承を得たのでこれからは恵美と呼んでいこうと思う、それから顔がどことなく自分に近づいたような気がする。



「それでココはドコ？」
「さあ？」
　３人で首をかしげる、どんな世界か説明もなかったのでどういった行動をとればいいかわからない、とりあえず端末を見てみると、わかりやすい敵が出てきて町を破壊するのでそれを倒すなり撃退するなりする旨の事が記載されてた。
「とりあえず敵を倒したらいいっぽいね」
「じゃあ得意分野だね」
　恵美が元気よく答える、名前も貰ってすぐなのでテンションが高い。


　しばらく３人で適当に街の中を歩いていると突然空が暗くなった、見上げてみると巨大な飛行船が飛んでおり爆弾を投下していた、遠くの方から爆発音と人々の悲鳴が聞こえてきたので今回の敵はアレだろうと見切りをつける。
「ハイ、ロボ乗りたい！」
　恵美が元気よく手を上げる、確かに上空にいるのでロボで飛んで上から叩いた方がいいだろう。
「でも操縦大丈夫か？」
　ロボの中は自分でちょうどいいサイズ感になっているので恵美では手足が届かないような気がするのだが……。
「大丈夫だよ！」
　考えなしに乗りたいと言った訳ではないだろうし本人も言っているし大丈夫だろう。
「じゃあサヨ」
「うん」
　サヨが恵美の足元にロボを召喚しそのまま恵美を持ち上げる、そのままスルスルとコックピットの中に入っていき、起動させて飛び出していった。
「……うーん、ちゃんと操縦出来てるっぽいね」
「だねー」