異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

玩具の世界は無駄に壮大になりがち

簡単な確認作業

「お待たせして大変申し訳ございません、それではこちらにお願いします」
　出てきたのは先ほど自分達と上がってきた男性だ、しかし先ほどとは違って仕事モードに入ったような別人の印象がある。
　男性に案内されて隣の部屋に移動する、中では複数の人間が真剣な表情で座っていた。

「お待ちしておりました」
　入室すると上座に座っていた男性が立ち上がり一礼する、なんだかとてつもない扱いをされている。
「それではまず我が社の説明から……」
　話の内容は難しい用語があったがその都度解説が入りわかりやすいように説明してくれた、ひとまずはこの世界ではこの会社で開発事業をすれば良いそうだ、というかそういった開発はできないのでサヨに任せっきりになってしまうのだろうか。
　前世を含めても一番真面目な雰囲気だったので自然と背筋が伸びる、サヨの方もチラッと見てみるとしっかりと背筋を伸ばして聞いていた。

「それではよろしくお願いいたします」
　話が終わるとほかの人たちも立ち上がって頭を下げた、そこまで自分達が重要視されると反応に困ってしまう。
「わかりました、こちらこそよろしくお願いします」
　大した反応ができずにこちらを頭を下げた、すると向こうは安堵した表情をしていた、そもそも断る理由はないので受ける。
「それでは……」
　それから諸々の説明や契約の詳細などの説明をすませてこの日は終わった、外に出てみると太陽が真上にありまだまだ時間的な余裕がある、ひとまずは適当飲食店で腹ごしらえをしてから拠点からビルまでの経路を探索したりして帰宅した、帰宅すると恵美がすでに帰宅しており学校で貰ってきたであろう教科書とにらめっこをしていた。
「ねぇお父さんお母さん」
「どうしたの？」
「国語や数学とかは元の日本と同じなんだけど、化学や歴史とか元の日本と違うんだけど勉強してもいいのかなぁ？」
「あぁ、どうしよ……、この世界って多分長くいるかもしれないからこの家もあるしなぁ……、まぁでも好みで良いと思うよ、それで好きな事を見つけて行ったらいいから」
「そうだよ、この世界で何かしていく訳でもないからね」
「あぁそっか、じゃあ適当にほどほどにやっていきますよ」
　本来なら勉強するように言う所だろうが、世界が違うため歴史などが大きく違う、他の世界に行くことが多くなるのでこの世界の事に関してはあまり学ばなくても良いだろう、もっとも恵美は自分とサヨの記憶ある程度引き継いでいるのである程度の学力はあるから大丈夫だろう。







「………何とか受け入れてくれて助かりましたね」
「そうだな、まったくあのような子供に頭を下げないといけない事態になってしまうとは……」
「仕方の無いこと、と言ってしまえばそれまですが…………」
「我々は本当に正しい選択をしたのだろうか…………」
「もはやこの選択しか残っていないだろう……」