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ネトゲに意図せず転生した

狩りの終わり?

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「さて、今日も狩り、ですね」
「そうだね、レアドロは試行回数だからね、今日は明日に備えて体力的にも日没前には戻ろう、さすがにこっちの都合でココの人たちに迷惑をかけるわけにはいかないね」
 翌日になっても相変わらず狩りをする、サヨも恵美も実弾の在庫が心もとないので魔力やエネルギーを撃ちだす方式に切り替えていた、実弾に比較して多少の威力を劣るものの取り回しが良いようで恵美は気に入ったようだ。


 いつも通りの狩りを続けていると初めてみるような敵が現れた、どうやら防御方向に特化しているようでこちらの攻撃を無効化している。
「こういうのを見るとゲームって感じがするよね」
「確かに傷一つないと違和感がすごいよね」
「こいつは確か、攻撃中しかダメージを受けないんだよ、アレの攻撃力は大したことないから様子をみつつ向こうの攻撃中にこっちも攻撃をするしかないだろうね」
「了解」

 敵が攻撃するタイミングを待っているが、一向に攻撃してくる気配がなく、ずっと殻に籠っている。
「これもしかして自分達がこうして構えているかぎりずっとガードしているんじゃ……」
「かもしれない……」
 ゲームではなく現実になったことでこちらが武器をかまえてて戦おうとしている限りは殻を開ける事はないだろう。

「……ちょっと一回試したい事があるんだけいいかな?」
「どうぞ?」
 このままではらちが明かないと判断したのか転生者が一歩下がって準備を始めた、こちらにはアレに対抗できそうな手段はなさそうだ。

「よしできた、みんなはそのままで」
「了解」
 転生者が両手にそれぞれもった剣を上に掲げる、そのまま2つの剣を合わせると大きく光り輝き大きく伸びる、自分達の背後で行っているため大丈夫だが、目の前にされてしまえばまぶしくて直視できなかっただろう。
「ゼータブレイドォ!」
 転生者の叫び声と共に掲げた剣を振り下ろす、距離としては5メートルほど離れているハズだが、余裕で届きそのまま敵を両断した。
「さすが合体武器だ、ステータス無視は伊達じゃない!」
「すごい攻撃ですね」
「あぁ、でも連射はできないし低レアの武器だとしても消費しちゃうから、できればあまり使いたくないけどね」
「なるほどね、じゃあこっちも何か対抗できないか考えておかないと、っとドロップアイテムは……」
 敵を倒したので何かしら落としたハズだ。
「………キャラメイクチケットだ」
「やったじゃん、アイテムを消費したかいがありましたね」
「あぁ、やったこれでやっとこの邪魔な胸から解放される」
「それで、どんな姿に変わるんですか?」
「………、ちょっと数が欲しい」
「えっ……」
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