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ネトゲに意図せず転生した

レアドロップが全てが解決する

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「数が欲しいって、またかなりの時間がかかりますよ?」
 キャラメイクチケットなどで自分の見た目が変えられるとしても今後また変える必要ができるかもしれないが、また同じようにひたすら狩りを続けるのはキツイ所がある。
「いや、使うのは自分じゃない」
「どういう事です?」
 理由を聞くと転生者が少しためらったが一度呼吸を整えて話してくれた。
「集落で、というか君たちが来る以前からあったんだけどさ、やっぱりこの胸に視線と欲が集まっててね、多分時期的にそろそろ性欲が抑えられなくて襲ってくる気がするんだ、以前はギルドでそれなりの人数がいて牽制しあっていたけど、それでも夜に来る輩はいたんだよ、それをここ数日で感じるようになってきた、できればその対策としてキャラメイクチケットを使いたいんだ」
「それなら協力しましょう」
 向こうが悪いとしてこちらは所詮よそ者なのでよほどの事が無い限りはこちらは不利になってしまう、そのためにこちらで自衛しないといけない。

 この日は1枚しか出なかったが、それでも目的の物が出てくると希望が見えるので気分が上向きなった。


「キャァァァアアア!!!!!」
「何事?!」
 その日の夜遅く、サヨでも恵美でも転生者でもない女性の悲鳴が近くから寝泊まりしている小屋の前から聞こえてきた。
 警戒しつつ外に出て様子を見ると泣き崩れている女性とそれを見下ろしている転生者がいた。
「あ、ごめん起こしちゃったね、やっぱりやって来たよ」
「本当に来たみたいだね」
 この集落に女性は先日やってたサヨ達しかいないのでこの泣き崩れている女性は転生者がキャラメイクチケットを使って変質させた人だろう。
「なんだなんだ」
 女性の悲鳴によって集落からぞろぞろと人が集まってきた。
「その女性は?」
「私に強姦してきたこの集落の人ですよ、名前は憶えてないですが1番ガタイが大きい人だったと思います」
「1番ガタイってもしかしてドプーか?!」
 泣き崩れていた女性は力なく頷く。
「なんでこんな事に……」
「正直私も無我夢中だったので、なんで彼が女性になってしまったか私にはさっぱりで……、元に戻すなどはできなくて」
「そ、そうか君を襲撃して返り討ちになってしまったんだ、悪いのはドプーの方だよ」
 いつの間にかやってきた代表が野次馬の人たちの前に出て取り仕切る。
「とにかくドプーは我々が何とかするよ、今は時間が時間だし翌日に改めさせてもらうよ」
「そうですね」
 そうしてこの場はお開きとなった。



「ごめんなさい、キャラメイクチケットを使ってしまって」
「アレはしょうがないですよ、またドロップ狙って狩りをしましょう」
「ありがとう」

 翌日に代表達が謝罪と感謝に来てくれた、感謝の意味はわからなかったが、どうやら男しかいない集落に女性ができた事によりいろいろな事が解消されるようになったらしい。
 その女性化してしまった男はしばらく専用の小屋で今後暮らしていくようだ、できればあと2人ほどできないかと言われたがキャラメイクチケットが無いので何とか良い訳をつけて今後にすうという事で見送った。



「コレは行ける!」
「なんですかソレは?」
 狩りを続けるとチケット系のアイテムが落ちたようで転生者は勢いよく拾いにいった。
「レアドロップ率アップ500%だ」
「それってかなりすごいのでは?」
「課金アイテムだからね、といってもサービス開始直後に少しの間だけ売ってたアイテムだけどね、自分の時代にはとんでもない高額で取引されていたよ!」
「そうなんですね」
 ゲームの話題になったの少しだけ饒舌になる、おそらく入手できなかった伝説のアイテムだったのだろう。
「コレは惜しいけど早速使ってキャラメイクチケットを狙おう」
 キャラメイクチケット以上のレアドロップにテンションが上がったようで狩りを続けていった、すると転生者がテンションが上がるような物が沢山出て来たようでキャラメイクチケットも3枚出て来た。
「これだけあれば十分だね」
 キャラメイクチケット以外でも得られる物が沢山あったようで今までにないほどツヤツヤしていた。

 それから集落に戻り集落の男性を2人を性転換させて代表にはとても感謝された。
 自分達の仕事はこれで終わったようで帰還することにした、転生者の方も残った物はレアドロップで得られた物でどうにかできるとの事なので自分達の手はいらないという事になった。
 帰還する時には転生者の胸が所謂普通サイズになっており、その動きやすさに感動していた。

「ありがとう、おかげで本当にいろいろと助かったよ」
「それが自分達の仕事ですからね」
「それでも助かったよ、それじゃあ」
「それじゃあ」

「おかえりなさい」
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