異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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悪魔でシスターですから

使ってみないとどこが改善したか分からないタイプ

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「縁があるっていってもなぁ、どういう事なんだろう」
「そこは私とか向こうの人たちも解明できてない事象だからね、目に見えないし観測も再現性がないから何とも……、せめてそういった物が複数人で観測できる状態になればいいんだけどね」
「あー確かに目に見えないものは信用され辛いな」
 そんなよくわからないものでも一応観測して仕事に活かしているのだからすごい、というかサヨにもよくわからないようだ。


「それでココはドコだろうか」
 あいかわらず変な所に飛ばされる、周囲は大きく崩れた教会と人の気配が一切ない村にいる、サヨの方を見るが静かに首を振るだけなのでこの周辺には人がいないのだろう。

「ん?」
 また始めからなのでどうした物かと考えていると端末から通知音が聞こえてきた、異世界に来た時には基本的に通信などができないので何かのアプリが更新したのだろう、ひとまず見てみるとサヨと合体にしてメリジューヌになる機能が更新されており恵美も含めて3人で合体するようになっている。
「……やるべきなんだろうか」
 このタイミングでアプリの更新が来たという事は使うべきなのだろうが、また恵美のように別の人格が出来てしまうのではないかと危惧してしまう。
「やってみようよ、えい!」
「え、ちょ」
 恵美が好奇心に負けてアプリの合体コマンドを起動させる、一瞬意識を失い自重で倒れそうになるがなんとか踏みとどまる。
「あぶなっ……、あぁ大丈夫っぽいね」
 前のめりになったことで自分の大きな胸に振り回されかけたが何とか耐える、呟いた声も女性の物になっていたので合体は完了したようだ、しかし意識としては自分のままだしサヨや恵美の記憶はない、武器の扱いに関しての知識はあるようで所持している武器の弾薬はしっかりと補充されていた、本当にあの瞬間だけで補充しきっていたようだ。

 近くの民家に入って自分の姿を確認する、鏡は無かったが水瓶がありそこには水が並々と入っていたのでそれで確認ができた、見た感じでは恵美が成長したような姿をしていた。
「まぁこうなるわな」
(めっちゃ可愛い!)
「え、恵美?!」
 合体した自分の姿を観察していると恵美の声が頭に響いてきた、後ろから声を掛けられたように思えたので振り向いたがそこには誰もいなかった。
(どうやら私達の意識を別で置くことによって人格の形成を防いでいるみたい)
「なるほどなぁ」
 どうやらサヨと恵美は多重人格の別人格という感じで後ろに引っ込んだ状態なのだろう。


 今の自分の状態を確認してみる、とりあえず尻尾や羽などは無かったので普通の人間のフリはできそうだ、そんな事を考えていると人の形をした熱源が近づいてくるのを感じた。
「こんにちは」
 この世界に来てから初めて遭遇する人物だ、敵対するのならそのまま対処するし話が通じるのならそのまま話せばいい。
「お、おうこんにちは……、ココはもう人はいないと聞いたが?」
 軽装の男性がこちらの挨拶に対して拍子抜けたように答える、とりあえず敵意などはなさそうだ。
「そうなんですよ、私も先ほどたまたま来たばかりで、ここってどんな村か知ってますか?」
「あ、あー特に特徴のない所だとは聞いてるが、そんな村がいきなり無人になったもんでね、こうして調査に来たのさ」
「そうなんですね、あ邪魔をする気はないのでどうぞ調査しててくださいな」
「あ、あぁそうだな」
 こちらにやって来た男性は大きく崩れた教会の調査を始めた、手のひらから魔法陣が出現し何かスキャンしているようだ。


「君がココに1人でいるという事は戦闘の腕は自信があるのだろう?」
「まぁはい」
 男性が調査しているといきなりこちらを向いて聞いてきた。
「ちょっと自分だと除霊とか今の装備的に無理だから頼んでいいかな?」
「私もそっち系は苦手なんですが……」
「あぁそこは大丈夫、単純な戦闘だから、じゃお願いね」
 男性がそういうと周囲の地面が隆起し、砂が巻き上がりギリギリ人の形をした化け物が出て来た。
「コレ、何なんですか?」
「あぁ、緊急で浄化が必要でなおかつ聖なる力が無い時に使う非常用の手段さ、自分だってこんな手段はできれば使いたくはないさ、そんな訳で討伐ヨロシク」
「えぇ、えぇぇええままよ!」
 この世界で銃の扱いがわからないのでひとまずビーム刃の剣を取り出して対処していく、それと少し炎の魔法攻撃を加えながら戦う、化け物の攻撃は単調で回避は安易だが体力が多く倒しきるのに少しだけ時間がかかってしまった。



「すごいねぇ、自分が加勢する必要もなかったようだし」
「普通にしんどかったので手伝えるのでした手伝ってくださいよ」
「いやいや、自分にあんな高速の戦闘にはついていけないよ、それと彼らを成仏させてくれてありがとう」
 深々と頭を下げる、そんな事をされてしまえばこちらもこれ以上は言えない。
「お礼といってはなんだけど今夜はこちらの用意した宿に泊まるといい、見たところ毎回夜はどこかに泊まっているのだろう?」
「まぁそうですね」
「こっちの宿はすぐ隣の村だからすぐだよ」
「そういえばそちらの調査はもう大丈夫なんですか?」
「あぁ、もう済んだよ、確認作業がメインだからね」
「そうなんですね、それじゃあお世話になります」
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