異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

悪魔でシスターですから

権力には手を出さないタイプ

「そうえば名前ってなんていうんですか、ちなみに僕はヤガンって名前なんですよ、よくある名前なんでいつもはトッコウさんって呼ばれてるよ、君もそう言ってくれると嬉しいな」
　村での残り調査を終えたようで移動する事になった、しかし近くの村に移動する際に沈黙に耐えきれずに男性側から話かけてきた。
「わかりました、では私の名前は、メリジューヌともうします」
「すごい名前だけどその名前に恥じない実力をもっているね、君はどこから来たのかな？」
「うーんとね、ここからだとかなり遠い所なんだ、多分言っても分からないよ」
「じゃあとりあえず遠くから来たって事で、そこで納得しておくよ、それじゃあこの辺に来た目的ってあるのかな？」
「それは特にあったりなかったりするかな、でも私にはよくわかってない理由で来た感じ、詳細とかそんなのはしらない」
「それはそれは、まるで神様のお導きのようだ、ではこうして自分達が巡り会えたのは何か意味があったのでしょうね」
「そうかもしれないですね、おかげで私は宿を手に入れましたし」
「そうだね、そろそろ目的の村が見えたきたよ」
「あぁアレですね」
　道の先をよく見てみると鐘がついた塔が見えて来た、といってもしっかりとした作りではなく簡素な物になっており、この村がそれほど大きくない事が何となくわかる。

　村に到着するタイミングで鐘が鳴り響く、いきなり大きな音が鳴ったのでびっくりしてしまった。
「初めてここに来た時はビックリしたよね」
「ですね、ここまで大きいのは久しぶりですよ」
「ですねー、今回行く宿はこの教会にある部屋になるんですよ」
「確か教会の人でしたよね」
「そうですよー、なのでこういった田舎の教会などにも顔が効くんですよ、もっとも顔パスじゃなくて教会の人だっていう証明証の方なんですけどね」
「へー、この村、というか教会ってそういった物を受け入れる施設でもあるんですね」
「そうだね、それに僕みたい人たちを泊めたりすると後で追加支給とかあったりするからね、やましい事が無い限りは泊める方がメリットが大きいのさ、そんな訳でちょっと話付けてくる」
　トッコウと名乗った男が教会に入って行く、すると遠巻きに見ていた村の人たちがこちらに近づいてきた。
「お前さんはあの村から来たのか？」
　初老の男性が厳しい顔をして話しかけてきた、教会の関係者と一緒に来たおかげで手は出してこないが敵意はひしひしと伝わってくる。
「確かに村の方向からきましたけど、さっきの村に滞在していたのは少しだけですよ」
「だろうな、お前さんのようなよそ者が受け入れられるとは到底思わん、明日にはココを出て行っていくれるんだろうな？」
「そのつもりですよ」
「ふん、ならいい」
　長居するつもりがないので一夜明けたら早々に出て行くつもりだ。