異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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悪魔でシスターですから

目的は別物

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 とりあえず気配を消してゆっくりを進んでいく、これでさっきのアレを探す。
(……いた)
 意外とすぐ見つけることができた、ひとまずアレをしばらく尾行しつつ遺跡の内部を把握していく。

 アレの動きを見ていると体を引きずっているのでどうも見ても気配を察知して素早く姿を消せるとは思えない、試しに小石をアレの近くに落としてみる。
(なるほどね)
 小石が落ちるやいなやアレの姿と気配が瞬時に消えた、やはりというか素早く動ける訳ではないようだ。
 それでも気配が完全に消えているし痕跡もないので追跡のしようがない、もっともさっきの様子では大して動いてはないだろう。

 少しすると再びアレが姿を現した、やはり大きく動けてないようで近くで体を引きずっていた。
 遺跡に入って唯一見つけた存在ではあるがアレがどうしても依頼対象には見えなかった。
(これはもう少し様子見かなぁ……)

 痛々しいのもあって討伐が躊躇われてしまった、アレしかいないのならば何もなかったと報告してもいいんじゃないのかと思えてしまった。
(そもそもアレはどこに向かっているんだ?)
 時間だけはまだまだあるのでしばらく尾行を続けてみる。


 しばらく尾行していると遠くから何者かが走ってくる足音がしてきた、アレは当然姿と気配を消して対応する。
 向かってきたのは狼とトカゲが混ざったような怪物が向かってきた、怪物はアレを探しているようで、匂いを嗅いで周囲を探っている、匂いも消えているようですぐに見失っているようだ。

(……アレでいっか)
 いかにも討伐して証拠になりそうな怪物を仕留めておくことにする。
「てい、ぉおう」
 不意打ち気味で攻撃してみると、まるで背後に目がついて見えていたように簡単に回避された、回避されると思ってないかったので逆に不意打ちを食らったような気分になってしまった。
「えい、このぉ」
 怪物はいままで戦った物よりもすばしっこくてとらえるのに手間取ってしまった、何度かやりとりしていると、こちらに向かって走ってくる足音が聞こえてきた。
「加勢します」
 その言葉と共に魔力の光線が怪物を貫いた。
「あ、どうも」
 振り向いて加勢してくれた人の方向を向くと、ダリヤが肩で息をしながら向かってきていた。
「あら、昨日ぶりですね」
「ダリヤさんもココの依頼を?」
「ええ、人探しついでに」
「人探し、ですか……、こんな所でですか?」
「ええ、ちょうど見つかりまして」
 ダリヤが何もない所を掴むと、先ほどのアレが掴まれていた。
「ようやく見つけましたよ、カザリちゃん」
「な、なんでわかるんですか……」
 弱弱しい声でダリヤにドン引きしていた。
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