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1章 稀代の商人
四十三、転移者(3)、世界開拓(2)
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「龍、お前はなんの属性を持っているんだ?」
龍にそう聞くと、その龍は周囲に魔力を放出した。
«俺の属性は闇だ»
「んー、闇か…まぁ、どうとでもなるだろう。
よし、龍!お前に眷属を作る能力を貸してやる。
ただし、貸すのは1つの能力だけだ。
これを貸せば、こちらに返すまで世界を渡ることは出来なくなる」
そう提案すると、龍は怪訝そうな顔になった。
«うっ…そ、それなら要らねぇ…»
「まぁ最後まで話を聞け。
あの世界をお前に貸してやる、たまに俺も使いに来るが…基本的には自由にすれば良い。
最初の一体はお前の要望通りの眷属を、俺の魔力を使って作ってやる。
何が必要なのかを見極め、要望を出せ。
その後は、俺は手を貸さない」
«何が、必要か…?»
「世界を見ろ、自身の瞳でしっかりとな。
そうすれば、まず何が必要で何が足りていないのかが分かるだろう」
«世界を…(眷属を作るのは、あいつは魔力を使っていた…だが、そんな魔力は俺にはねぇ…というか、あいつの器にもあれ程の魔力はなかった?
──なら、どこに?…ッ!)
土、土の属性を持った眷属を…いや、俺の支配下に置くには闇の魔力も必要だ。
だが、闇が混ざると土地には悪影響だ。
となると、魔力制御…制御が完璧にできる者で、土、闇の属性を持った眷属が必要だ»
「…よし、ではその通りに作ってやろう。
種族は何がいい?魔力に長けた者がいいだろうな」
«龍…と、精霊の混血、だな»
「龍の性質と精霊の性質を持った新たな種族を作ろう。
そうだな、肉体のベースを龍、魂のベースを精霊にして…よし、新たな種族名を作れ、龍」
«…〔霊龍族〕»
「安直だな。だがまぁ、分かりやすくて良い。
さぁ、この者に名を授け、眷属とし」
«名前…う、うーん…レイ»
「…安直過ぎないか。まぁ良い、これで完了だ。
さぁ、それじゃあお前たちをあの世界に戻そう。
言っておくが、地形を変えるのはあまりするなよ。
石材や鉱物が取れなくなっては適わん」
«おう»
…さて、それじゃあとりあえず仮眠して…明日を待つか。
第二世界へと戻された2人はその世界をもう一度見渡した。
«──よし、レイ!この世界は今、全体的にも植物がまるでない。
だから、ひとまず地上には植物を増やしたいんだ»
«マスター、それでは丘上の平地を高原に致しましょう»
«ああ、出来るか?»
そう聞くとレイはコクリと頷き、すぐに作業に取り掛かった。
«それにしてもレイ、新しい龍となったわけだが…大丈夫なのか?»
«?»
«いやな…龍の中では、属性が違うだけで同族とは言えなくなるんだ。
その力が強大過ぎて、それらが1つの種として作られているからな»
«なるほど。それならば、確かにこの世界で私は1人きりでしょう。
しかし、私はマスターの眷属…マスターにより生み出された存在ならば、既にマスターの家族…いえ、それはおこがましいですね»
«…いいや、嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか»
«…種族は違えど、家族になれないというものはありません。
その為、私はマスターが居る限り1人ではありません»
«そうか。なら…俺も頑張らないとな!»
«それでしたらマスター、少し提案なのですが…龍の特性を活かし、新たな挑戦をしてみませんか?»
«挑戦?»
龍にそう聞くと、その龍は周囲に魔力を放出した。
«俺の属性は闇だ»
「んー、闇か…まぁ、どうとでもなるだろう。
よし、龍!お前に眷属を作る能力を貸してやる。
ただし、貸すのは1つの能力だけだ。
これを貸せば、こちらに返すまで世界を渡ることは出来なくなる」
そう提案すると、龍は怪訝そうな顔になった。
«うっ…そ、それなら要らねぇ…»
「まぁ最後まで話を聞け。
あの世界をお前に貸してやる、たまに俺も使いに来るが…基本的には自由にすれば良い。
最初の一体はお前の要望通りの眷属を、俺の魔力を使って作ってやる。
何が必要なのかを見極め、要望を出せ。
その後は、俺は手を貸さない」
«何が、必要か…?»
「世界を見ろ、自身の瞳でしっかりとな。
そうすれば、まず何が必要で何が足りていないのかが分かるだろう」
«世界を…(眷属を作るのは、あいつは魔力を使っていた…だが、そんな魔力は俺にはねぇ…というか、あいつの器にもあれ程の魔力はなかった?
──なら、どこに?…ッ!)
土、土の属性を持った眷属を…いや、俺の支配下に置くには闇の魔力も必要だ。
だが、闇が混ざると土地には悪影響だ。
となると、魔力制御…制御が完璧にできる者で、土、闇の属性を持った眷属が必要だ»
「…よし、ではその通りに作ってやろう。
種族は何がいい?魔力に長けた者がいいだろうな」
«龍…と、精霊の混血、だな»
「龍の性質と精霊の性質を持った新たな種族を作ろう。
そうだな、肉体のベースを龍、魂のベースを精霊にして…よし、新たな種族名を作れ、龍」
«…〔霊龍族〕»
「安直だな。だがまぁ、分かりやすくて良い。
さぁ、この者に名を授け、眷属とし」
«名前…う、うーん…レイ»
「…安直過ぎないか。まぁ良い、これで完了だ。
さぁ、それじゃあお前たちをあの世界に戻そう。
言っておくが、地形を変えるのはあまりするなよ。
石材や鉱物が取れなくなっては適わん」
«おう»
…さて、それじゃあとりあえず仮眠して…明日を待つか。
第二世界へと戻された2人はその世界をもう一度見渡した。
«──よし、レイ!この世界は今、全体的にも植物がまるでない。
だから、ひとまず地上には植物を増やしたいんだ»
«マスター、それでは丘上の平地を高原に致しましょう»
«ああ、出来るか?»
そう聞くとレイはコクリと頷き、すぐに作業に取り掛かった。
«それにしてもレイ、新しい龍となったわけだが…大丈夫なのか?»
«?»
«いやな…龍の中では、属性が違うだけで同族とは言えなくなるんだ。
その力が強大過ぎて、それらが1つの種として作られているからな»
«なるほど。それならば、確かにこの世界で私は1人きりでしょう。
しかし、私はマスターの眷属…マスターにより生み出された存在ならば、既にマスターの家族…いえ、それはおこがましいですね»
«…いいや、嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか»
«…種族は違えど、家族になれないというものはありません。
その為、私はマスターが居る限り1人ではありません»
«そうか。なら…俺も頑張らないとな!»
«それでしたらマスター、少し提案なのですが…龍の特性を活かし、新たな挑戦をしてみませんか?»
«挑戦?»
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