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1章 稀代の商人
五十三、聖杯の代償
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「…っし!出来た!〘箱庭:防御形態〙」
「相棒、もう良いのか?」
真っ先にこちらへと声をかけてきたのはやはり、ガラハドだった。
「ああ、もう大丈夫。もしかしたらこの能力でまたこういったことがあるかもしれないが…まぁ、当分はないと思うから。
ありがとな、ガラハド。
それに、他のみんなも」
「…おう」
さて…あとは、この魔法陣を各神像に備え付けたら…
「ガラハド、こっちに来てくれ」
「うん?なんだ?」
俺は、ガラハドを神像の前に連れてきて、2つほどガラハドに恩を返した。
「…ガラハド、あー…神像もできたから、ちょっとこのまま…
2人で話したいことあるから…
〘箱庭:広域不干渉〙」
「うおっ…な、なんだこれ…」
「…箱庭の能力で、範囲内に俺ら以外は入れないようにしたんだ。
もちろん、この間は神も中に入れないし、外部からの干渉も出来ない。
だがまぁ、その分負担が少し出てくるんだが…
時間もないし、本題から入るわ。
…ガラハド、お前を…俺の護衛騎士から外す」
「…は?…おい、なんでだよ!」
「…ガラハド、これはお前の為なんだ。
お前のその聖杯の力…一見強いようだが、お前自身が1番分かってるだろ?」
「…」
そう、ガラハドが先程使った聖杯には、代償があった。
彼が受けた代償は、寿命の増加…正確に言えば、特定の条件を満たさない限りは死ねない呪いだ。
聖杯の覚醒と共に、これが発現してしまったのだ。
「…だったら、余計に…」
そう渋るその声に、俺は首を横に振る。
「…聖杯の呪いを解除するのと、聖杯の呪いを増幅させるのは表裏一体の条件なんだ。
その条件は…"主の選定"
完全な主と聖杯が判断すれば呪いは解除されて覚醒した聖杯の力を使える。
だが、不完全な主の為に使うと…お前は、不老不死になってしまう。
だが、主が一定期間居なければ聖杯は力を失い、元に戻る…
俺は不完全な生き物だ。
人を愛する才能はないし、
人に愛されるような性格もしていない…
それに、俺自身生物というのを信用していない。
1度死んだからなのか、これが前世所以のものなのかは分からない。
だがな、ガラハド…こんな不完全な主だったからこそ、お前に最後に恩を返したいんだ。
だから…これは、命令だ。
ガラハド、今日をもって、お前の任を解く──」
俺はそう告げたあと、ガラハドを城へと転送した。
「…あぁ、良い景色だ…この感情を隠すような…素晴らしい夕焼けだな…」
「…人は何故泣くのだと思いますか、主」
「…ドイルか。今はひとりにしてくれ」
「…一人で生きられないからこそ、人は泣き、後悔し、悲しみ、そして誰かを頼る…
確かに、誰かにとっては不完全でしょう。
それこそが人間としての証明であり、最大の弱みとなり得るのですから。
ですが…人間として、聖杯が証明する"完全な主"というのは、
人が何故笑い、何故泣き、何故助けを求め、求められ、救いの手を取り、差し伸べ、誰かを想うのか…
そういったものを理解した人間であるからこそ、
弱みがあるからこそ、貴方のように…誰かのために、誰かの幸せのために自分を犠牲にしようとする。
そんな、人間こそ、"完全"と言える主になるのです。
冷酷なものは不完全です。
圧倒的な強者は不完全です。
何故か?
それは、生物としての感情がないからです。
…主、後悔は幾らでも出来ます。
しかし、人生は1度きりです。
後悔をしても後戻りは出来ませんが、その先の未来は無数に枝を分かち、一分一秒ごとに枝が枯れると同時に無数の蕾を咲かせます。
どうでしょう、私たちの"完全なる主"よ。
たまには…己に従って生きてみるのは」
「相棒、もう良いのか?」
真っ先にこちらへと声をかけてきたのはやはり、ガラハドだった。
「ああ、もう大丈夫。もしかしたらこの能力でまたこういったことがあるかもしれないが…まぁ、当分はないと思うから。
ありがとな、ガラハド。
それに、他のみんなも」
「…おう」
さて…あとは、この魔法陣を各神像に備え付けたら…
「ガラハド、こっちに来てくれ」
「うん?なんだ?」
俺は、ガラハドを神像の前に連れてきて、2つほどガラハドに恩を返した。
「…ガラハド、あー…神像もできたから、ちょっとこのまま…
2人で話したいことあるから…
〘箱庭:広域不干渉〙」
「うおっ…な、なんだこれ…」
「…箱庭の能力で、範囲内に俺ら以外は入れないようにしたんだ。
もちろん、この間は神も中に入れないし、外部からの干渉も出来ない。
だがまぁ、その分負担が少し出てくるんだが…
時間もないし、本題から入るわ。
…ガラハド、お前を…俺の護衛騎士から外す」
「…は?…おい、なんでだよ!」
「…ガラハド、これはお前の為なんだ。
お前のその聖杯の力…一見強いようだが、お前自身が1番分かってるだろ?」
「…」
そう、ガラハドが先程使った聖杯には、代償があった。
彼が受けた代償は、寿命の増加…正確に言えば、特定の条件を満たさない限りは死ねない呪いだ。
聖杯の覚醒と共に、これが発現してしまったのだ。
「…だったら、余計に…」
そう渋るその声に、俺は首を横に振る。
「…聖杯の呪いを解除するのと、聖杯の呪いを増幅させるのは表裏一体の条件なんだ。
その条件は…"主の選定"
完全な主と聖杯が判断すれば呪いは解除されて覚醒した聖杯の力を使える。
だが、不完全な主の為に使うと…お前は、不老不死になってしまう。
だが、主が一定期間居なければ聖杯は力を失い、元に戻る…
俺は不完全な生き物だ。
人を愛する才能はないし、
人に愛されるような性格もしていない…
それに、俺自身生物というのを信用していない。
1度死んだからなのか、これが前世所以のものなのかは分からない。
だがな、ガラハド…こんな不完全な主だったからこそ、お前に最後に恩を返したいんだ。
だから…これは、命令だ。
ガラハド、今日をもって、お前の任を解く──」
俺はそう告げたあと、ガラハドを城へと転送した。
「…あぁ、良い景色だ…この感情を隠すような…素晴らしい夕焼けだな…」
「…人は何故泣くのだと思いますか、主」
「…ドイルか。今はひとりにしてくれ」
「…一人で生きられないからこそ、人は泣き、後悔し、悲しみ、そして誰かを頼る…
確かに、誰かにとっては不完全でしょう。
それこそが人間としての証明であり、最大の弱みとなり得るのですから。
ですが…人間として、聖杯が証明する"完全な主"というのは、
人が何故笑い、何故泣き、何故助けを求め、求められ、救いの手を取り、差し伸べ、誰かを想うのか…
そういったものを理解した人間であるからこそ、
弱みがあるからこそ、貴方のように…誰かのために、誰かの幸せのために自分を犠牲にしようとする。
そんな、人間こそ、"完全"と言える主になるのです。
冷酷なものは不完全です。
圧倒的な強者は不完全です。
何故か?
それは、生物としての感情がないからです。
…主、後悔は幾らでも出来ます。
しかし、人生は1度きりです。
後悔をしても後戻りは出来ませんが、その先の未来は無数に枝を分かち、一分一秒ごとに枝が枯れると同時に無数の蕾を咲かせます。
どうでしょう、私たちの"完全なる主"よ。
たまには…己に従って生きてみるのは」
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