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2章 自慢の仲間

八十四、門出

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「漫遊傭兵団、適当だが的は射てるだろ。
よし、これで決定!」
「朝陽、ギルマスが変わってくれだってさ」
「うん?」
「訓練が終わったら俺も着いていっていいか!」
「お前は妻を持ってんだろ?そっちはどうするんだ」
「連れていく、俺の妻の料理は最高だぞ!」

料理、か…たしかに料理は食えればなんでもいいって人しか居ないしな…
ナインの負担も減らせるし、いいかもしれん。

「じゃ、その妻に聞いてみろ」
「わかった、ちょっとだけ訓練を中断して聞いても良いか?」
「ああ」

俺はゲートを開いてギルマスを一旦こちらへ連れてきた。

「じゃ、門で待ってるから早めに来てくれよ」
「あー、それと…収納のあの結晶を貸してくれないか?
荷物を纏めたいんだ」
「ああ、たしかに…良いぞ」

結晶を渡すと、ギルマスは直ぐに家の方へと走っていった。

「…ミラ!ちょっと良いか?」
「あら、おかえり。忙しくなるって聞いてたけど…」
「ああいや、知り合いに訓練を頼んでてな…
それより、これからその師匠たちが旅に出るんだが、俺も一緒に行きたいんだ。
一緒に着いてきてくれないか?」
「ええ、良いわよ。それじゃ、荷物を整理しないとね」
「い、いいのか?」
「ええ、私の居場所は貴方の隣だもの」
「じゃあこれ、物を収納出来る結晶らしいんだ」
「へぇ、便利ね…
もしかして、これ家ごと収納出来るのかしら」

俺たちは外に出て、家に結晶を当てると淡い光を発した後、決勝の中に入っていった。

「わぁ…凄いわね、これ…」
「じゃあ、待たせてるから背中に乗ってくれ」
「ええ、お願いね」
「っと、その前にギルドに寄らないとな…退職の旨を伝えないと」
「じゃ、ギルドに先に行きましょ」

俺は妻をおんぶしながら、ギルドへと走って向かった。

「…足早くなったわね?」
「ああ…もしかしたら、訓練の成果かも」
「凄いわね…そんなに効果があるなんて」
「まぁ、そんだけ過酷なんだがなぁ…っと、もう着いたのか…やっぱ早くなってんな」
「あ、ギルドマスター!丁度良いところに!
先程王太子殿下から直接連絡がありまして…」
「俺、ギルマス退職するわ!
あとは任せた!じゃっ!」
「えっ、ちょっ…まっ!…嘘、ですよね?誰か、嘘と言ってください…」
「それより、その師匠ってどんな人なの?」
「あー…1人は世界最強の騎士で、もう1人は魔王、ラストが…うん、化け物だな」
「化け物とは失礼な、普段は制御しているだろう?」
「…そういうとこだろ、師匠」
「あ、あら?子供が飛んでいるわ…」

俺は2人の前に着地して、彼の妻の方を見た。

「はじめまして、ユーグと申します。
この度、漫遊傭兵団の団長を努めさせて頂きます」
「あ、これはご丁寧に…トール、下ろしてちょうだい」
「あ、ああ」
「はじめまして、トールの妻の、ミラと申します。
これから、よろしくお願いしますね、ユーグ王太子殿下」
「その地位は捨てたので、ユーグ、と」
「分かりました、ユーグ」
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