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3章 生死の淵

九十八、

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「「──はぁぁ…ナイス、相棒」」
『『…我らは神の座を失ったがな…だが、これで良かったかもしれぬな』』
「…ガラハド、今外はどんな感じだ?」
「取り敢えず、あの後2人を早急に仕上げて…ルーシー、美玲、トールを加えた傭兵団で世界の浄化を進めた。
その結果、今は大分浄化も進んで、魔物は居るには居るが全員人間と同じように、穏やかだったり好戦的だったり…普通の獣になった。
んで、国が無くなったり、国が増えたりして、今は色んな種族の国もあるな」
「そうか…良かった…」
「だが、1番重要なのは…あの傭兵団の連中は、全員お前を覚えていた。
それに加え、王族もお前を忘れていなかったし、お前に関わった殆どの人間は少なからず、お前を覚えている奴が居た」
「…え?ど、どういうことだ!?」
「恐らく、お前の影響を受けたからだろうな…だが、そのおかげでお前の遺志を継いで世界の浄化に尽力してくれた奴は沢山いて、今ではお前をリーダーとして、数多くの者達が過去の英雄…偉人として祀られている」
「…そうか…皆、俺を覚えていてくれたのか…」
「だが、お前が作った精霊や眷属の龍は殆どお前のことを忘れていた…が、これもまた俺たちが動いている内に記憶を取り戻した。
これが、お前が居なくなった後の結末だ。
そして、お前の仲間は全員天寿を全うして──いや、見た方が良いな。
朝陽、こっちに着いてきてくれ」
「…ま、まさか…いや、そんなバカなことはしていないだろうな!?」

そういった瞬間、ガラハドは切なそうに話していた顔が一転し、イタズラしたかのような無邪気な笑顔になった。

「おーい!全員、朝陽が帰ってきたぞ!」

その声と共に、英雄の魂となった皆が朝陽達の元へ集まってきた。

「…いや、流石に多すぎる!」
「皆、お前との転魂を待っていた連中だ。
朝陽、今から転魂を発動する。その後…俺らは家族になるとは思うが、コイツらを見つける旅にいずれ出ることになる。
それでも良いか?」
「はぁ…俺そんなに慕われるようなことはしていなかったと思ったんだがな…
分かった、必ず見つけ出す。
ガラハド、ハデス、武神、イフリート、俺の近くに来てくれ」
「『『『おう!』』』」
「"生を終え、死を全うし、新たな生となりて、我らは再び結ばれた運命の道を辿り、我らが出逢う日には道標を知ることだろう"
──ガラハド、俺たちの記憶が戻るまでの分のお預けだ」
「…え?」

最後の詠唱をする瞬間、俺はその言葉とほぼ同時に、ガラハドの頬にキスをした。

「冥界に行ってお前が俺を迎えに来てくれた時、改めて実感した。…好きだ、ガラハド」
「ヒュ~♪お熱いこった!」
「ちょっ、待っ…」
「〘転魂〙」
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