最弱スレイヤーがその身に神を宿しました。〜神社で徳を積んでたら神の力使えるようになったんだが〜

カツラノエース

文字の大きさ
26 / 39

スレイヤー第一本部

しおりを挟む

スレイヤー武道会テロ事件から一週間程経った日。かんたとみずきはれいらとほたるに連れられてスレイヤー達の本拠地である「スレイヤー第一本部」に来ていた。

「それにしても大きい建物ね...」
みずきはスレイヤー第一本部に着くと外見の第一印象を口に出した。
「日本の中では一番デカい基地ですからね」
みずきの横にいたれいらはそうみずきに補足を入れる。するとその会話にかんたが入ってくる。
「で、何で俺達はここに呼ばれたんだ?」
そう、かんたとみずきはまだ呼ばれた理由を言われていなかったのだ。それに対してはほたるが
「だいたい予想通りだと思いますけど...くだんの事ですわ」
と言う。

「予想通り...か」
かんたはほたるが言った事を繰り返す様にそう呟く。
予想通り。確かに今日本の中で一番大きいスレイヤーの基地に呼ばれる理由は1つしかない。
スレイヤー武道会テロ事件。あれから一週間程経ったが、月宮・グングニルや地場いかずち、そしてその2人が言っていた「主様」の居場所も政府は掴めていなかった。
(だからあの時あの場所で戦っていた俺とみずきを呼んで、相手の情報などを教えろって訳か...)
そんな事を考えていたら4人はスレイヤー第一本部入り口に着いた。

入口には警備員が2人いたがれいらとほたるの顔を見ると、直ぐに4人を通した。そして中に入ると正面に受付カウンターがあり、その右側には長廊下、左側にはエレベーターがあり、所々装飾されていた。そんな内装を見てみずきは、
「まるで高級ホテルのエントランスね...」
と、驚いた様な声でそう言う。
「ほんとだな...」
みずきに続いてかんたも同じ様に驚いた様な声でそう言った。
それを少し呆れた様な目で見ていたほたるは、
「はぁ...全く貴方達は...もうれいらは先に行きましたわよ」
と、エレベーターのボタンを押すれいらを指さしながら2人にそう言う。それを聞いた2人は、
「すまんすまん笑」
「恥ずかしい所を見せたわね...」
と、少し反省した様な声でそう言い、ほたると共に小走りで、れいらの所まで行き、4人でエレベーターに乗り込んだ。

「にしてもれいらの顔パスは凄いな」
かんたはエレベーターの中でれいらにそう言う。
それに対してれいらは
「まぁ、私は一応政府の中でも強いスレイヤーですからね」
と、相変わらずの無表情でそう返す。するとその会話に頬っぺたを膨らませながらほたるが割り込んできて、
「ほたるも顔パス凄いんですのよ!?」
と、自分は凄いと言って貰えなかった事をかんたに指摘する。
しかしかんたは、
「あーそうだなすごいすごい」
と、面倒くさそうに返す。それに対してほたるはもちろん、
「絶対思ってないですの!」
と、更に頬っぺたを膨らまして言う。するとその会話を黙って見ていたみずきが、
「でもほたるって実際何がすごいの?いや、バカにしてる訳じゃ無いんだけど、ほたるが何かしてる所見た事ないから」
と、おそらくかんたも思っていたであろう疑問を投げかけた。
するとほたるは待ってましたと言わんばかりに、
「確かに貴方達の前では何もしてないかもしれませんが...これでもほたるは政府のスレイヤーであり、B級スレイヤーですのよ!」
と、勢い良く言う。しかし、それを聞いたみずきは、
「へぇ、貴方B級なんだ。私A級だけど?」
と、煽る様にそう言った。もちろん、その言葉にほたるは噛み付く。
「B級で悪かったですわね!」
その言葉に対してみずきはわざと腹が立つ顔で更にほたるを煽る。
「別にぃー?頑張ってるんじゃなーい?」
「何煽ってきてるんですの!?」
その会話を見ていたかんたは、
「はぁ...お前ら仲良くしろよ」
と呆れた様に2人をなだめる。

そんな事をしてる内に、エレベーターは「10階」の表示で止まり、扉が開いた。
エレベーターを出るとそこには真っ直ぐ廊下が続いており、一番奥に1つの大きな扉があった。
「あの奥が長官室です」
れいらはそう言うと、さっきよりも表情を更に真剣にして、3人を先導する様に先頭に立ち、長官室に向かって歩き始める。それを見たほたるもさっきまでとは違う、真剣な顔になりれいらに続く。それを見たかんたとみずきも表情をして長官室へと向かう。

その緊張感はこれから始まるだろうを予感させる物だった――
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

喪女だった私が異世界転生した途端に地味枠を脱却して逆転恋愛

タマ マコト
ファンタジー
喪女として誰にも選ばれない人生を終えた佐倉真凛は、異世界の伯爵家三女リーナとして転生する。 しかしそこでも彼女は、美しい姉妹に埋もれた「地味枠」の令嬢だった。 前世の経験から派手さを捨て、魔法地雷や罠といったトラップ魔法を選んだリーナは、目立たず確実に力を磨いていく。 魔法学園で騎士カイにその才能を見抜かれたことで、彼女の止まっていた人生は静かに動き出す。

処理中です...