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呪いは静かに微笑む

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目が覚めた何だか長い夢を見てた気がする。
 「そうだ!朱音!」黎は辺りを見渡したそこで自分たちは保健室で寝てる事に気付いた。
 「ふにゃぁ~あ、黎おはよう~此処は保健室?」
 「そうみたいだね。誰かが運び込んでくれたみたい、そういえば今の時間は・・・」時計を見ると16時半約10分寝てた計算になる。
 「良かったまだ部活に間に合うな!朱音ほら行くよ!」そう言うと黎は部室に急いだ。廊下を走らないように注意しながら部室に辿りついた
 「遅くなりました・・・」勢いよく扉を開けると顧問を含めた四人が倒れていた。
 「なにこれ・・・」少し遅れて来た朱音が声を掛けた。
 「大丈夫皆んな眠っているだけ・・・でも少し変じゃないかな?」
 「変?何が」
 「この状況だよ授業中に私、次に私と朱音、そして部室にいた皆んな何故か歴史研究部の人だけが突然眠り始める。そして・・・」黎が静かに窓を指差した。するとそこにある花壇は彼岸花が咲いていた。
 「何これ・・・どうして?彼岸花が咲いてるの・・・そんなはずはないのになんで・・・」朱音はどうやら思考が追いつかないようだ。
「そうなんだよ、私が最初に眠る前にも彼岸花が咲いていた、そして朱音と私が眠る前に花瓶に彼岸花が生けてあった。明らかに何が起きている」
 「もしかして、教会事件の事を調べようとしてからこうなってるの?」
 「どうやらそうらしい、でもどうして歴史研究部だけがこうなったのかが分からない。巻き込むなら学校全体でもいいはず。そこが腑に落ちない。」
 「それはね、あの教会について調べようとしてるから少しでも答えにたどり着く為にわっちからの贈り物だよ。」そこには和服を着た見知らぬ少女が立っていた
 「あなたは誰!どうしてこんな事をするの?」朱音が叫ぶように言った。
 「だから言ったでしょう、わっちからの贈り物だと」
 「訳の分からない事を言わないで、そもそもあなたは誰なの?」
 「わっちの名前かの?わっちの名前は×××××だよ。」聞き取れなかった。名前は確かなんだっけまぁ聞き取れなかったから分かる訳無いか・・・黎は眠りに落ちながらそう考えていた。
 「はよう、わっちのところに来なさんな」最後に聞こえたのはその言葉だけだった。
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