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第一幕 可笑しな戦国時代
二 可笑しな戦国時代
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「なに暗い顔してんだよ。さっき俺を睨んだ奴とは別人みたいだな」
「あ、あれは、私は別に悪いことをしたわけじゃなかったですし……。こんな状況で笑っていられるほど私はお気楽じゃないですよ!」
私は真剣に困っているというのに、何も知らない秀吉さんは突然笑い出す。
すると、襖にかけていた手を放し、私の前へどかッと座った。
「悪いことした訳じゃないって、信長様の道を塞いだんだ、斬られて当然だろ。だが、今にも自分を斬ろうとしてる相手を睨み付けるなんざ普通はできねぇだろ……くッ、ははは!」
「ッ……!そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
「わりぃわりぃ!でも、そのお陰で命拾いをしたんだしな。普通の奴なら逃げ出して、背中から切り捨てられてるところだ」
想像するとゾッとし、今自分の命があることが奇跡なのかもしれないと思えた。
でも、こんなふうになって結局運がいいのか悪いのかわからない。
「まぁ、そんなあんただから、珍しい物好きな信長様は傍に置きたいと思ったんだろうがな」
「置きたいって……。私は物じゃないですから!」
「そんなん、この戦国の時代で通用しねぇよ。とくに信長様にはな。人さえも物としか見ない、そんな武将ばかりだからな」
秀吉さんの言葉で、私は刻に言われた言葉を思い出した。
〈君をこの世界に連れてきたのは、武将達に愛を教えてほしいからなんだ〉
この世界の武将達は愛を知らない、だから人を物のようにも扱える。
「秀吉さんも、ですか……?」
「ああ。使える奴なら使う、使えない奴なら斬り捨てるまでだ」
秀吉さんの私を見る瞳がさっきまでとは変わり、使えない奴なら斬り捨てる、それは、私にたいしても同じだと言われている気がした。
さっきまでは笑みを見せてくれていたけど、やはりその瞳の奥は冷たい。
「部屋には案内した。俺はもう行くが、せいぜい信長様に飽きられないようにするんだな」
飽きられないように、そうしなければ私もいらなくなる。
そしてその時は、運が悪ければ命もとられるかもしれない。
それで私は信長様に気に入られようと媚を売るの?
人を物のように扱い、その人に飽きられないようにする。
そうしなければ自分の命が危険になることはわかっているが、そんなことは間違っていると思った。
「私は嫌われないように媚を売るような真似はしません!そんなの間違ってると思うから!」
部屋から出ていこうとする秀吉さんの背に、私はハッキリと告げた。
自分に必要が無くなれば、簡単に斬り捨てるなんて絶対に間違ってると思うからこそ、私は言わずにはいられなかった。
「ほんと、変な女だな、あんた」
去り際に呟くように言う秀吉さんの口許には、笑みが浮かんでいたように見えた。
気のせい、だったのかな……?
秀吉さんが部屋から出ていったあと、私は大きな溜め息を一つ吐く。
あんなことを言ってしまったが、これから私どうしたらいいのかわからず、畳へと倒れると天井を仰いいだ。
「あのピンチから助かるなんて凄いじゃないか!」
すると、私しかいないはずの部屋に突然声が聞こえ起き上がると、いつの間にか部屋に刻の姿があった。
「刻!?いったいどこから入ってきたの!?」
「僕は神の使いだからね。どこにだって現れることは可能だよ」
考えてみたら、私をこの世界へ連れてきたのは刻なのだから、このくらいできても可笑しくはない。
「じゃあなんでもっと早く出てきてくれなかったのよ!」
「僕はあくまで君を補助する役割で、武将の情報などを教えたりすることしかできないんだ。この世界に、神の使いである僕が干渉することは許されないからね。だから、武将に愛を教えられるかは君次第なんだ」
私次第だと言われても、あんな人を物としか思ってない人達に、愛を教えるなんて本当にできるのか不安になる。
知らない世界、いつ殺されるかもわからないこの状況で、いったい私はどうやって教えればいいのだろう。
「何で私なの……?私は、武将好きでもなければ、ごく普通にいるただの一般人なのに」
「違うよ」
「え?」
「神様が君を選んだんだ。それに、今だってこうして無事にいる」
「それは運が良かっただけで……」
この少しの時間だけで、私は何回も死にかけている。
それでもこうして生きているのは運が良かっただけで、この先も無事でいられるなんて保証はない。
「その運も、君が引き寄せているものなんだよ」
「私が……?」
「そうだよ。それに、君が織田 信長や豊臣 秀吉と出会ったことによって、この世界に少しの変化が生まれてるんだ」
私には、本当に何かが変わっているのかはわからないが、刻が言うように、少しでも私がこの世界に変化を与えられているのなら、もう少し頑張りたいと思えた。
それに、このまま諦めて未来が無くなる運命を待つなんて出きるわけがない。
「運も実力のうちって言うし、めそめそしてたってどうにもならないよね。武将達に愛を教えられるように頑張るよ!」
愛を教えるなんて、私に本当にできるかわからないけど、きっと今私がここにいるのだって、何か意味があるはずだ。
それに、人を物としか思えないなんて、なんだか悲しい気がする……。
まずはやってみないとわからないんだし、やる前からダメだって思うより、駄目だったらその時別の方法を考えればいいのだ。
「やる気になってくれたみたいだね。じゃあ早速だけど、織田信長について説明するね」
刻は、信長についてのことを色々と私に教えてくれた。
織田 信長。
新しいもの、珍しい物好きで、武器なども刀だけでなく鉄砲も取り入れたりとしているらしい。
そんな信長と同盟を結ぶのは、伊達 政宗、徳川 家康。
家臣は、豊臣 秀吉、明智 光秀、石田 三成の3人。
元の歴史とはかなり変わってきているらしく、同盟を結ぶ伊達 政宗、徳川 家康は、じきに安土城に訪れるらしい。
話を聞いていると、歴史に詳しくない私でも名前くらいは知っている武将ばかりだ。
「でも、何で伊達 政宗や徳川 家康は安土城に来るの?」
「戦のためだよ。この世界では、戦ばかりが行われているからね。いつ始まるかわからない戦に備えて、安土城に皆集まっておいた方のがいいってことみたいだね」
戦なんて私にはわからないけど、そのせいで大勢の命がなくなることくらいは私にもわかる。
きっとこの世界の武将の人達は、そんなこと気にもしていないのだろう。
「さっきまでも戦をしていたみたいだから、君が信長と会った時、あれは戦の帰りだったみたいだね」
刻に言われ、先程信長様と会ったとき、馬に乗った沢山の人がいたことを思い出す。
それにあのとき、信長様は鎧に兜をつけていた。
あれは戦の帰りだったんだ……。
考えてみたら、いくら戦国時代といっても何もないのに兜や鎧をつけているわけがないのだ。
「刻……。愛を教えることができたら、戦は無くなるかな……?」
「残念だけど、完全に無くなることはないよ、ここは戦国時代だからね。でも、戦を今よりも減らすことはできる」
その時、廊下から足音が聞こえ、こちらへと誰かが近づいてくることに気づく。
「僕ができるのはここまでだ。実影、この世界のことをよろしくね」
刻が姿を消したと同時に襖が開かれると、襖の向こうから現れたのは秀吉さんだった。
「女、着いて来い」
それだけ言うと秀吉さんはすたすたと歩き出してしまい、私はその後を慌てて追いかけた。
何処へ向かってるんだろう……?
秀吉さんがある部屋の前で立ち止まると、襖の向こうからは人の話声が聞こえてくる。
襖を開き部屋へと入っていく秀吉さんの後に続き私も中へと入ると、そこには何人かの男性の姿があった。
「秀吉、なんだその女は、お前の女か?」
「んなわけねぇだろ!」
「冗談だ!お前に女なんかできんだろうからな」
仲が良いのか悪いのか、一人の男性は秀吉さんの反応を見て楽しんでいる。
そんな二人を見ていると、ふいにその男性と目が合った。
「俺に惚れたか?」
「違います」
突然の言葉に即答で答えてしまったが、その男性は私の言葉に突然笑いだした。
「くッ、ははは!!ハッキリ言うじゃねぇか!俺は伊達政宗、あんたは」
「加賀 実影、です」
私が自分の名を口にすると、私の横にいた秀吉さんが口を開く。
「あ、あれは、私は別に悪いことをしたわけじゃなかったですし……。こんな状況で笑っていられるほど私はお気楽じゃないですよ!」
私は真剣に困っているというのに、何も知らない秀吉さんは突然笑い出す。
すると、襖にかけていた手を放し、私の前へどかッと座った。
「悪いことした訳じゃないって、信長様の道を塞いだんだ、斬られて当然だろ。だが、今にも自分を斬ろうとしてる相手を睨み付けるなんざ普通はできねぇだろ……くッ、ははは!」
「ッ……!そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」
「わりぃわりぃ!でも、そのお陰で命拾いをしたんだしな。普通の奴なら逃げ出して、背中から切り捨てられてるところだ」
想像するとゾッとし、今自分の命があることが奇跡なのかもしれないと思えた。
でも、こんなふうになって結局運がいいのか悪いのかわからない。
「まぁ、そんなあんただから、珍しい物好きな信長様は傍に置きたいと思ったんだろうがな」
「置きたいって……。私は物じゃないですから!」
「そんなん、この戦国の時代で通用しねぇよ。とくに信長様にはな。人さえも物としか見ない、そんな武将ばかりだからな」
秀吉さんの言葉で、私は刻に言われた言葉を思い出した。
〈君をこの世界に連れてきたのは、武将達に愛を教えてほしいからなんだ〉
この世界の武将達は愛を知らない、だから人を物のようにも扱える。
「秀吉さんも、ですか……?」
「ああ。使える奴なら使う、使えない奴なら斬り捨てるまでだ」
秀吉さんの私を見る瞳がさっきまでとは変わり、使えない奴なら斬り捨てる、それは、私にたいしても同じだと言われている気がした。
さっきまでは笑みを見せてくれていたけど、やはりその瞳の奥は冷たい。
「部屋には案内した。俺はもう行くが、せいぜい信長様に飽きられないようにするんだな」
飽きられないように、そうしなければ私もいらなくなる。
そしてその時は、運が悪ければ命もとられるかもしれない。
それで私は信長様に気に入られようと媚を売るの?
人を物のように扱い、その人に飽きられないようにする。
そうしなければ自分の命が危険になることはわかっているが、そんなことは間違っていると思った。
「私は嫌われないように媚を売るような真似はしません!そんなの間違ってると思うから!」
部屋から出ていこうとする秀吉さんの背に、私はハッキリと告げた。
自分に必要が無くなれば、簡単に斬り捨てるなんて絶対に間違ってると思うからこそ、私は言わずにはいられなかった。
「ほんと、変な女だな、あんた」
去り際に呟くように言う秀吉さんの口許には、笑みが浮かんでいたように見えた。
気のせい、だったのかな……?
秀吉さんが部屋から出ていったあと、私は大きな溜め息を一つ吐く。
あんなことを言ってしまったが、これから私どうしたらいいのかわからず、畳へと倒れると天井を仰いいだ。
「あのピンチから助かるなんて凄いじゃないか!」
すると、私しかいないはずの部屋に突然声が聞こえ起き上がると、いつの間にか部屋に刻の姿があった。
「刻!?いったいどこから入ってきたの!?」
「僕は神の使いだからね。どこにだって現れることは可能だよ」
考えてみたら、私をこの世界へ連れてきたのは刻なのだから、このくらいできても可笑しくはない。
「じゃあなんでもっと早く出てきてくれなかったのよ!」
「僕はあくまで君を補助する役割で、武将の情報などを教えたりすることしかできないんだ。この世界に、神の使いである僕が干渉することは許されないからね。だから、武将に愛を教えられるかは君次第なんだ」
私次第だと言われても、あんな人を物としか思ってない人達に、愛を教えるなんて本当にできるのか不安になる。
知らない世界、いつ殺されるかもわからないこの状況で、いったい私はどうやって教えればいいのだろう。
「何で私なの……?私は、武将好きでもなければ、ごく普通にいるただの一般人なのに」
「違うよ」
「え?」
「神様が君を選んだんだ。それに、今だってこうして無事にいる」
「それは運が良かっただけで……」
この少しの時間だけで、私は何回も死にかけている。
それでもこうして生きているのは運が良かっただけで、この先も無事でいられるなんて保証はない。
「その運も、君が引き寄せているものなんだよ」
「私が……?」
「そうだよ。それに、君が織田 信長や豊臣 秀吉と出会ったことによって、この世界に少しの変化が生まれてるんだ」
私には、本当に何かが変わっているのかはわからないが、刻が言うように、少しでも私がこの世界に変化を与えられているのなら、もう少し頑張りたいと思えた。
それに、このまま諦めて未来が無くなる運命を待つなんて出きるわけがない。
「運も実力のうちって言うし、めそめそしてたってどうにもならないよね。武将達に愛を教えられるように頑張るよ!」
愛を教えるなんて、私に本当にできるかわからないけど、きっと今私がここにいるのだって、何か意味があるはずだ。
それに、人を物としか思えないなんて、なんだか悲しい気がする……。
まずはやってみないとわからないんだし、やる前からダメだって思うより、駄目だったらその時別の方法を考えればいいのだ。
「やる気になってくれたみたいだね。じゃあ早速だけど、織田信長について説明するね」
刻は、信長についてのことを色々と私に教えてくれた。
織田 信長。
新しいもの、珍しい物好きで、武器なども刀だけでなく鉄砲も取り入れたりとしているらしい。
そんな信長と同盟を結ぶのは、伊達 政宗、徳川 家康。
家臣は、豊臣 秀吉、明智 光秀、石田 三成の3人。
元の歴史とはかなり変わってきているらしく、同盟を結ぶ伊達 政宗、徳川 家康は、じきに安土城に訪れるらしい。
話を聞いていると、歴史に詳しくない私でも名前くらいは知っている武将ばかりだ。
「でも、何で伊達 政宗や徳川 家康は安土城に来るの?」
「戦のためだよ。この世界では、戦ばかりが行われているからね。いつ始まるかわからない戦に備えて、安土城に皆集まっておいた方のがいいってことみたいだね」
戦なんて私にはわからないけど、そのせいで大勢の命がなくなることくらいは私にもわかる。
きっとこの世界の武将の人達は、そんなこと気にもしていないのだろう。
「さっきまでも戦をしていたみたいだから、君が信長と会った時、あれは戦の帰りだったみたいだね」
刻に言われ、先程信長様と会ったとき、馬に乗った沢山の人がいたことを思い出す。
それにあのとき、信長様は鎧に兜をつけていた。
あれは戦の帰りだったんだ……。
考えてみたら、いくら戦国時代といっても何もないのに兜や鎧をつけているわけがないのだ。
「刻……。愛を教えることができたら、戦は無くなるかな……?」
「残念だけど、完全に無くなることはないよ、ここは戦国時代だからね。でも、戦を今よりも減らすことはできる」
その時、廊下から足音が聞こえ、こちらへと誰かが近づいてくることに気づく。
「僕ができるのはここまでだ。実影、この世界のことをよろしくね」
刻が姿を消したと同時に襖が開かれると、襖の向こうから現れたのは秀吉さんだった。
「女、着いて来い」
それだけ言うと秀吉さんはすたすたと歩き出してしまい、私はその後を慌てて追いかけた。
何処へ向かってるんだろう……?
秀吉さんがある部屋の前で立ち止まると、襖の向こうからは人の話声が聞こえてくる。
襖を開き部屋へと入っていく秀吉さんの後に続き私も中へと入ると、そこには何人かの男性の姿があった。
「秀吉、なんだその女は、お前の女か?」
「んなわけねぇだろ!」
「冗談だ!お前に女なんかできんだろうからな」
仲が良いのか悪いのか、一人の男性は秀吉さんの反応を見て楽しんでいる。
そんな二人を見ていると、ふいにその男性と目が合った。
「俺に惚れたか?」
「違います」
突然の言葉に即答で答えてしまったが、その男性は私の言葉に突然笑いだした。
「くッ、ははは!!ハッキリ言うじゃねぇか!俺は伊達政宗、あんたは」
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