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第二幕 戦国での初料理
一 戦国での初料理
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秀吉さんが行ってしまったあと、私は持ってきてくれた料理を食べ終わると、早速皆の好きな食べ物を聞いて回ることにした。
まずは、信長様に聞きにいってみようかな!
秀吉さんが伝えてくれたと思うけど、一応私からも伝えにいかないとね。
天守閣へと向かい、部屋の前まで来たのはいいけど、さっき信長様には、愛のことをわかってもらおうと、色々言っちゃたし、何だか声をかけづらくなっていた。
よし!
私は勇気をだし、襖越しに声をかけた。
「御影です。信長様、少しお話よろしいでしょうか」
「入れ」
返事が聞こえ、私はゆっくりと襖を開け中へ入ると、信長様の前に座り頭を下げる。
「信長様、先程はすみませんでした。でも、私は信長様に愛を知っていただくことを、諦めたわけではありませんので」
「くっははは!俺に愛について教えるなど、そんなことを言うのは貴様くらいなものだ」
突然笑い声が聞こえ、顔を上げると、さっきの時とは違い、信長様からは、冷たさを感じさせない笑みが、私へと向けられていた。
「何故笑うんですか!私は本気なんですよ!」
「本気と申すなら」
信長様は私へと近付き、顎を持ち上げると、私の瞳を真っ直ぐ見据えた。
「その愛を、俺に教えてみろ」
口許には笑みが浮かび、信長様はまるで楽しんでいるように見えた。
「言われなくても、そのつもりです」
それに答えるように、私も信長様を真っ直ぐに見据え、答える。
「やはり、貴様は変わった女だな」
「普通ですよ」
「っははは!貴様のようなうつけが普通ならば、人は皆切り殺されているだろう」
私のいた世界なら切り殺されるってことはないけど、この世界だと私、信長様の言うようにうつけなのかもしれない。
信長様に愛を教えるとか、色々とんでもないこといってるし、切り殺されてないのが奇跡なのかも……。
「どうせうつけですよ、私は……あっ!信長様って好きな食べ物とかってありますか?」
「唐突だな、何故そのようなことを聞く。秀吉から聞いたが夕餉のためか」
「はい、皆さんの好きな食べ物も知っておきたいので」
「俺は珍しい物なら何でも構わん」
「珍しい物ですか…?わかりました、頑張ってみます!」
珍しい物って言ったら、私のいた世界の料理なら、この時代の人にとっては珍しいものになるかも。
「不味い料理だけは出すでないぞ?」
「そんなもの作りませんから!」
気のせいかもしれないけど、何だか信長様から冷たさが和らいだ気がした。
私をからかう時ばかり笑ってる気がするけど、何だかこうして見ていると、信長様も一人の武将であり一人の人なんだと思える。
「では、私はこれで失礼致します」
「ああ。俺のために美味い料理を作れよ」
信長様だけのために作るんじゃないけど、何だか楽しみにしてくれてるみたいだし、頑張ろ!
私は、信長様の部屋を後にすると、今度は秀吉さんの部屋へと向かった。
秀吉さんはどんなものが好きなんだろう?
信長様は、珍しい物って何となく予想はできたけど、秀吉さんの好きな物って……。
「美弥ちゃん」
考えながら歩いていると、突然声をかけられ振り返ると、そこには家康さんの姿があった。
「家康さん!どうされたんですか?」
「部屋ばかりにいると退屈だから、少し城内を散策していたんだけど、美弥ちゃんに会えるなんて、僕は運がいいみたいだね」
何だか、こんなに嬉しそうに言われると少し照れてしまいそうになる。
そうだ!折角だから、秀吉さんに聞きに行く前に、家康さんに好きな食べ物を聞いてみようかな。
「あの、家康さんって、好きな食べ物とかありますか?」
「僕の好きな食べ物かい?そうだねぇ、甘いお菓子なんて好きだよ」
家康さんはお菓子が好きなんだ。
なら、デザートに甘い物も用意しようかな!
「そんなことを聞いてどうするんだい?」
「今日の夕餉は、私が作らせていただくことになったので、今皆さんに好きな食べ物を聞いて回っていたんです」
「美弥ちゃんが夕餉を?それは楽しみだな~!」
こんな風に楽しみにしてもらえると、作りがいを感じる。
「頑張って作りますね!」
「うん。夕餉を楽しみにしてるよ」
「はい!それでは、失礼しますね」
家康さんと別れた後、私は秀吉さんの部屋へと向かった。
秀吉さんなら、食えるものなら何でもいい!何て言いそうだなぁ。
まずは、信長様に聞きにいってみようかな!
秀吉さんが伝えてくれたと思うけど、一応私からも伝えにいかないとね。
天守閣へと向かい、部屋の前まで来たのはいいけど、さっき信長様には、愛のことをわかってもらおうと、色々言っちゃたし、何だか声をかけづらくなっていた。
よし!
私は勇気をだし、襖越しに声をかけた。
「御影です。信長様、少しお話よろしいでしょうか」
「入れ」
返事が聞こえ、私はゆっくりと襖を開け中へ入ると、信長様の前に座り頭を下げる。
「信長様、先程はすみませんでした。でも、私は信長様に愛を知っていただくことを、諦めたわけではありませんので」
「くっははは!俺に愛について教えるなど、そんなことを言うのは貴様くらいなものだ」
突然笑い声が聞こえ、顔を上げると、さっきの時とは違い、信長様からは、冷たさを感じさせない笑みが、私へと向けられていた。
「何故笑うんですか!私は本気なんですよ!」
「本気と申すなら」
信長様は私へと近付き、顎を持ち上げると、私の瞳を真っ直ぐ見据えた。
「その愛を、俺に教えてみろ」
口許には笑みが浮かび、信長様はまるで楽しんでいるように見えた。
「言われなくても、そのつもりです」
それに答えるように、私も信長様を真っ直ぐに見据え、答える。
「やはり、貴様は変わった女だな」
「普通ですよ」
「っははは!貴様のようなうつけが普通ならば、人は皆切り殺されているだろう」
私のいた世界なら切り殺されるってことはないけど、この世界だと私、信長様の言うようにうつけなのかもしれない。
信長様に愛を教えるとか、色々とんでもないこといってるし、切り殺されてないのが奇跡なのかも……。
「どうせうつけですよ、私は……あっ!信長様って好きな食べ物とかってありますか?」
「唐突だな、何故そのようなことを聞く。秀吉から聞いたが夕餉のためか」
「はい、皆さんの好きな食べ物も知っておきたいので」
「俺は珍しい物なら何でも構わん」
「珍しい物ですか…?わかりました、頑張ってみます!」
珍しい物って言ったら、私のいた世界の料理なら、この時代の人にとっては珍しいものになるかも。
「不味い料理だけは出すでないぞ?」
「そんなもの作りませんから!」
気のせいかもしれないけど、何だか信長様から冷たさが和らいだ気がした。
私をからかう時ばかり笑ってる気がするけど、何だかこうして見ていると、信長様も一人の武将であり一人の人なんだと思える。
「では、私はこれで失礼致します」
「ああ。俺のために美味い料理を作れよ」
信長様だけのために作るんじゃないけど、何だか楽しみにしてくれてるみたいだし、頑張ろ!
私は、信長様の部屋を後にすると、今度は秀吉さんの部屋へと向かった。
秀吉さんはどんなものが好きなんだろう?
信長様は、珍しい物って何となく予想はできたけど、秀吉さんの好きな物って……。
「美弥ちゃん」
考えながら歩いていると、突然声をかけられ振り返ると、そこには家康さんの姿があった。
「家康さん!どうされたんですか?」
「部屋ばかりにいると退屈だから、少し城内を散策していたんだけど、美弥ちゃんに会えるなんて、僕は運がいいみたいだね」
何だか、こんなに嬉しそうに言われると少し照れてしまいそうになる。
そうだ!折角だから、秀吉さんに聞きに行く前に、家康さんに好きな食べ物を聞いてみようかな。
「あの、家康さんって、好きな食べ物とかありますか?」
「僕の好きな食べ物かい?そうだねぇ、甘いお菓子なんて好きだよ」
家康さんはお菓子が好きなんだ。
なら、デザートに甘い物も用意しようかな!
「そんなことを聞いてどうするんだい?」
「今日の夕餉は、私が作らせていただくことになったので、今皆さんに好きな食べ物を聞いて回っていたんです」
「美弥ちゃんが夕餉を?それは楽しみだな~!」
こんな風に楽しみにしてもらえると、作りがいを感じる。
「頑張って作りますね!」
「うん。夕餉を楽しみにしてるよ」
「はい!それでは、失礼しますね」
家康さんと別れた後、私は秀吉さんの部屋へと向かった。
秀吉さんなら、食えるものなら何でもいい!何て言いそうだなぁ。
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