面倒くさがり悪役令嬢は、追放先でのんびりしたいのに!

きららののん

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王都で開かれたリリアンの裁判は、国中の注目を集めていた。
王太子を欺き、国費を浪費し、隣国との関係を悪化させようとした大罪。
その罪状が、裁判長によって厳粛に読み上げられていく。

被告席に立つリリアンは、もはやかつての可憐な少女の面影はなかった。

「わたくしは悪くない! 全部、エドワード様がそそのかしたのよ! わたくしは騙されただけなの!」

見苦しく泣き喚くが、もはや誰も彼女に同情の目を向ける者はいなかった。
裁判の途中、参考人として、ゼンドラー領にいるわたくしが、映像魔法によって法廷に映し出された。

裁判長が、わたくしに問いかける。
「レティシア・フォン・グータラ嬢。この度の件について、何か言うことはあるかな?」

(面倒ですわね…。なぜわたくしが、こんな茶番に付き合わなくてはならないのですか)

内心で毒づきながらも、わたくしはにこりと微笑んでみせた。

「別に、何もございませんわ。ただ、一つだけよろしいかしら」

わたくしは、映像の中で泣きじゃくるリリアンを、まっすぐに見つめた。

「お静かになさいな、リリアンさん。あなたの金切り声を聞いているだけで、ひどく疲れますの。大変、面倒ですわ」

しん、と静まり返る法廷。
その一言は、どんな罰の言葉よりも、リリアンのプライドを粉々に打ち砕いた。
彼女は、わたくしに「面倒」だと言われたことが、何よりも屈辱だったのだ。
ざまぁ、という言葉は、こういう時に使うものですわね。
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