面倒くさがり悪役令嬢は、追放先でのんびりしたいのに!

きららののん

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リリアンは、すべての身分と財産を剥奪され、国民の記憶からも忘れ去られるように、北の最果てにある女子修道院へと幽閉された。
彼女の悲劇に、涙を流す者はいなかった。

そして、エドワードもまた、王太子を廃嫡された。
幸い、王族の身分までは剥奪されなかったものの、王位継承権を持つ弟にすべてを譲り、彼自身もまた、王都から離れた修道院での謹慎生活を命じられた。

豪華な宮殿から、質素な石造りの修道院へ。
彼は、そこで生涯を過ごすことになった。

毎日、祈りと労働を繰り返す日々。
その静かな生活の中で、彼は何度も思い返す。
かつて自分の隣にいた、美しく、そして途方もなく偉大だった女性のことを。
自分がどれほど愚かで、取り返しのつかないものを失ってしまったのかを。

時折、風の噂で、隣国ネムラーレのニュースが届く。
新しい皇帝陛下と、その傍らで優雅に微笑むレティシア皇妃の姿。
そして、かつては自分の国の辺境だったゼンドラー領から、「ヤギチーズが今年も大豊作」などというニュースが届くたびに、彼の胸には、鈍い痛みが走るのだった。
それは、彼に与えられた、生涯消えることのない罰だった。
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