盲目だった少年は虹色の現(ゆめ)を見る

Luckstyle

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第二章

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 冬が明け、そろそろ春一番が吹きそうな頃。俺達は旅に向けて装備を一新することになった。と言っても、ベースは俺と美咲の装備なので俺達はそう変わらない。
 武器は愛用の物を打ち直すか、似たもので今以上に魔力の通りが良い物を選び、ついでで何故か、皆で棍と硬鞭を揃えた。
 防具はハードレザーの胸当て、ハードレザーの脛当て、ハードレザーの籠手。丁度俺達のと同じ様な物がそれぞれに合ったサイズで有ったので迷わず購入した。鉢金も有った。
「いやー、防具が揃うとパーティーって感じがぐっと上がるねー」
「そうだな。・・・・・・そうなのか?・・・・・・そうだな」
適当に相槌を打ってから疑問に思って周りを見、確かに浮いてはいないが六人も同じ防具をつけてると目立つ。
「同じ物を身につけると団体にしょじょく意識が芽生えて色々良いことがあるんだって。本当はマークを作ってワンポイントにあしらった方が効果高いんだけど、そこまでは時間ないからね」
先導するように前方に歩み出て俺達に装備の新調を提案した美咲がその理由を話す。それを聞いた四人は納得顔だ。俺もその理由を聞いて納得している。
「・・・・・・美咲、唐突だが所属って言えるか?」
「?今言ったでしょ?・・・・・・所属?」
うん、素で噛んだんだな。スルーしておこう。
「美咲は可愛いなぁ」
抱き寄せてよしよしする。うん。可愛い。
 なんで?なんで?と混乱する美咲も可愛い。
 そんな事をしていると誰かの腹が鳴ったのでオークステークに向かって昼食をとる。
 六人分だと量も半端ない。ミライちゃんがサイコロステーキを三人前、美咲、マサツグ君、ホルエスさんが四人前、俺が五人前、イッカクさんが七人前。ビーフシチューは一人一人前、パン十五人分。その他に一品料理を幾つか。大量に消費するので店の方にサービスでイエスディンを店中に振る舞う。いつもオークステークに来るとこんな感じだ。
 昼食を経て雑貨屋へ。ミライちゃんとマサツグ君に聞くと、俺が調達した物はほぼ合っていたそうで俺と美咲、それからミライちゃんとマサツグ君は買い足し程度で済ませ、ホルエスさんとイッカクさんは買い揃える。それと、俺と美咲の持っているポーチとリュックサックの同型の物が売っていたので四人分購入。結構、売れ筋の商品だったらしい。

 家に帰ってきて、最初にやったのはポーチとリュックサックのアイテムボックス化。ポーチの方は程々の大きさに押さえたが、美咲が「限界が知りたい!」とかぬかして止めるまもなく施してしまった。首を突っ込んで計測の魔法(土魔法)を使ってみると五十キロ立方メートルと、途方もない大きさになっていた。
「一度で消費する魔力の量は最大MPの五分の一だった」
空間魔法においてはこれが最大らしい。
 作った空間にアモンドさんの樽に施した魔法をかけて完成。ついでだからと俺と美咲のにも在庫管理の魔法をかけておいた。一回、全部取り出してからじゃないとカウントされないのはここで知った欠陥だった。
 道具を詰め込み直して動作を確認。あ、ウィンドウ、閉じる機能必要だ。これをあーして、よし。
 早速二点の改良点を書き、ここに居る皆に使い方を教えてから家を出た。
 向かうのは先ずアモンドさんの下。来た理由を話すと、ようやくその欠点に気づいたように顔色を悪くしたので、これから改良すると言って安心させ、早速改良する。
 追加した機能の説明を終えると今度は商いギルドだ。そろそろ今日の業務も終了という時間で申し訳ないが二点の改良点を申請し、改良点の説明をすると「ちょうど問い合わせが来てたんですよー。助かりましたー」と言ったメイヴルさんの喜ぶ姿が見れた。
 申し訳なかったと謝ったら、
「初めての魔法開発で新しい分野の魔法ですので粗があるのは当然ですよー」
と朗らかに言われ、
「主に商人が在庫管理が楽になったと泣いて喜んでましたよ!」
と、ユーザーの感想を教えてもらい、ほっとしたやら嬉しいやらでため息が出た。
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