異世界探訪記

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七十七日目。最果ての森の中、野営地にて

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七十七日目。
 うーん、以前もだったがやはり暗い。ラスティーが良く蹴躓いて横を認められたアズラータさんが支え、ファルムスとマナフィが後ろでニマニマしつつ応援している。
 俺とギルビットさん、ハヌラット君、メヌエットさんは他に何か実験が出来ないか思考中だ。ブレーンストーミングのやり方を教えたら「やってみよう」と言う事になった感じだ。
 で、それを遣るために言葉を文字にする魔法、文字を集めて掲げる魔法、移動する魔法など次々に魔法を開発するとダッシラーさんやミネルヴァさんが「開発速度が早すぎる……」と呻いていた。
 生活魔法レベルを作ってるからそりゃ早いっすよ。
 で、ハヌラット君やメヌエットさんはギルビットさんが扱う魔法が使いたいらしい。言葉がないのだろうが、「バリバリドカーンの魔法が使いたい」とハヌラット君が言えば、「畑でうにょうにょってなる魔法が使いたい」とメヌエットさんが恥ずかしそうに言う。
雷魔法と成長促進魔法の事だろうか。
 唐突な語彙力低下に笑いそうになったが、まだそこら辺の研究が盛んになってないから言葉も出来ていないのだろう。
 それは置いといて、ここで問題が浮かび上がった。
 魔法の知識が集落の中でギルビットさんが百だとすると、他の人はほぼ零に近いと言うことだ。
 この世界で発展の要は魔法技術。まぁ、セメントなど科学に基づいた物も有るには有るが、魔法技術の方が圧倒的だ。
 俺がギルビットさんと話せているのは現代の科学技術で知識が三十くらいだから丁度釣り合ったのだろう。それでも、生活の知恵なんかは敵わない。原始的な生活は考古学の研究が進んでいる俺の方が上だが。

 原始的な生活で思い出したが、夕餉の準備の時、何故かハヌラット君、メヌエットさん、ラスティー、アズラータさん、ダッシラーさん、ミネルヴァさんが横一列に並んで火起こし器で火を焚いていた。
 ラダットさんが俺に聞いたところによるとを枕詞に火起こし器を話していたので実践してみようとなったらしい。
 一番早く火が着いたのはハヌラット君。やはり要領がいい。次いでアズラータさん。ハヌラット君が火を付けたのを見てやる気になったのかな?
 次と次はほぼ同時でメヌエットさんとラスティー。続いてミネルヴァさん、最後はダッシラーさんとなった。火を大きくしてから串焼きにして、ほぼほぼ塩味のバーベキューっぽいものを楽しんだ。やはり、人が集まって食べるのは賑やかで楽しいな。
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