異世界探訪記

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百十三日目。ストレイフーズにて

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百十三日目。
 朝、飯を食ってからすぐに調理器具を貰い受けた。全部で締めて十万Pペカ。高いと一瞬思ったが、オーダーメイドで高名な鍛冶屋が俺の為に造ってくれたと思うと安い気もする。
 比較対照としては、エドヴァンさんが売った規格品の長剣。それなんかは安くて十万ペカらしいからオーダーメイドでこの値段なら安い……のかな?
 お金はギルビットさん達に借りた。ギルビットさんが気を聞かせて共用口座を作り、そこに一昨日のランゴバルドの討伐報酬をメヌエットさんと一緒に入れていたそう。そこからの出費なので返すならそこへ入れてくれと言われた。
 明日、ランゴバルド二頭狩って報酬をそっちに入れよう。

 今日の仕事はラスティーの店で氷室を冷蔵、冷凍室に作り替える事。構造は殆ど領主邸と同じだ。ただし狭いので親指の爪くらいの大きさのマセキで一月と半月くらい持つ。なんでか知らんがラスティーが持っていた拳大の魔石なら一年以上保つだろう。

 昼下がりまでかかって仕事を終え、無料の昼餉に舌鼓を打っていると、ラスティーから報酬の倍額を支払われた。何事かと思ったら空間拡張をした分の報酬だそう。あれは効率のよい組み込み方を思い付いて試しに書き込んでみたものだから突き返した。
 驚く程効率的で、元々書き込んだ魔法陣が二倍、空間拡張が四倍に効率化して元々の魔力消費とほぼ同等で二つの機能を纏めることが出来たのはこちらの方にメリットが有りすぎる。実験させてくれたラスティーには感謝しかない。

 夕刻に宿で二人と合流。今日も塩漬けにされたランゴバルドの依頼を解消してきたそうだ。そして、この宿の店主兼料理人のおやっさんがラスティーの料理教室に行ってきたらしく、お裾分けでランゴバルドのサイコロステーキが振る舞われた。例の玉ねぎベースのソース。旨い。

 で、二人に魔法陣の効率化が出来たと報告したら宵の口を大きく越えて話し込んでしまった。結果として、昼間の効率の二倍程度まで魔法陣を効率化でき、さらには光魔法で魔法陣を構築できる事が解った。光る文字を作るあの魔法だ。

 これがあればカッコイい魔法演出が出来るぞ!
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