異世界探訪記

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百十四日目。ストレイフーズにて

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百十四日目。
 ギルビットさんとメヌエットさんで二十万、俺が三十万。昨日稼いだ金額で、一昨日はやはりギルビットさんとメヌエットさんで二十万。昨日、調理具に十万使った。残りは六十万の筈だが、百二十万になっていた。
 どうしたのか受付嬢に確認を取ったら昨日の昼頃アズラータさんがここに来て依頼報酬だと振り込んで行ったそう。
 で、今日の予定を変更して領主邸に行き、お礼を述べるとともに魔法陣を改良した。
 似たような石材を粉にして刻み込んだ溝に盛り、魔法で均しながら癒着させて消し、より効果的な位置に魔法陣を書き込んで魔力吸収陣に接続。再起動はダッシラーさんが務めた。アズラータさんは忙しいと言って書斎から出てこなかった。
 昼までで作業は終わったんだが、体の芯まで冷えてしまったので今日は活動を断念。アズラータさんの好意に甘えて風呂を借りて温まった。
 あの魔石量なら向こう三十年以上稼働しそうだ。

 午後はハルスヴォルグさんの紹介で服飾店を訪れた。この服飾店は革製品も扱っていて、冒険者家業の人に重宝されているらしい。
 今俺達が着ているのはエルフ族の集落で着られていたカンバス素材の服。丈夫だが着心地には慣れるまで時間がかかった。
 どんな服が欲しいのか聞かれたので、下地に触り心地の良い布に強化皮革ハードレザーを重ね、さらにカンバス素材で覆う事は出来ないかと聞いた所笑って了承してくれた。この店で扱える触り心地の良い布はスパイダーシルクと言う物らしい。シルクに次いだ触り心地なんだとか。
 で、メンテナンス用にカンバス素材を着脱可能なように改造して貰う。本当は鋲のようなボタンで留める方が良いんだがそんな鉄の加工技術はまだ無いのでカンバス素材に鉄線を仕込み、それを上下から引っかけるフックを袖や服の端に取り付けることで固定することにした。
 隣で聞いていたギルビットさんやメヌエットさんもそれを採用し、どうせならと下地も脱着可能になってしまった。服の裏側に金属があると着心地が悪くなると思ったが、布の端を面に返して留めるらしい。着心地に関しては任せろと店長のハーヴィンさんに言われたので任せる事にした。
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