異世界探訪記

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百十八日目。ストレイフーズより出でて北。田畑は未だ見えず。

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百十八日目。
 もう少し行けば田畑が見えるところまで来ているらしい。向かっている農村はアンダッシュと言う村で、根菜、野菜ともにエルフ族の集落の倍くらい出荷しているのだそう。人口は百五十ないし二百。大規模な村だと言っていたかな?
 ストレイフーズは千から千五百人規模なので街というより都に近いが、頑なに街だと言い張っているのだそう。家を持つ定住者が五百人規模だからと言う理由だそうだ。
 家を持たない定住者が五百から千くらい居るんだね。
 そんな感想を持ったが、大半は貸家に住んでいるので装いは既に都のそれと教えてくれ、ギルビットさんの持っている情報ではもうすぐ街壁を一周りか二周り大きくする計画が始動するとの事。エルフ族の集落への増産の打診にはそれも考慮に入っていたらしい。
 そう言えば、エルフ族の集落が村に昇格するかもと話していたっけ?
 ギルビットさんによれば人口百人未満が集落、百人以上二百人未満が村、二百以上五百人未満が町、五百人以上千人未満が街、千人以上が都と言うくくりになるらしい。ストレイフーズが街壁を新しくすれば地方都市ストレイフーズと呼ばれる様になる。
 なんだかかっこいい。

 アンダッシュの話に戻るとヒューマンとエルフ、獣人で大半を占め、三割二割三割他二割とストレイフーズを小規模にした種族構成でヒューマンとエルフが農業を行い、獣人が魔物や動物を狩って食料調達ついでに田畑を守り、ドワーフやノームが道具を揃え、行商が野菜などを引き換えに素材を卸す循環が出来ているとの事。
 集落を出たエルフ達はまずここに立ち寄り、定住するかしないかを決めるのが通例なんだとか。定住率大体三割程だとも言ってたっけか。

 夕餉はギルビットさんとメヌエットさんの要望で、俺がラスティーの簡単調味料を使わない料理を振る舞った。二人が言うにはラスティーより俺の方が薄味で、素材の味が上手く引き出せている。要するに旨いと言ってくれてうれしい限り。
 ……今思えばあっちの方が人生経験豊富で料理も得意な筈なんだが……。大衆の、若者向けの味にしているのかな?
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