習作

Luckstyle

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 狭い。どうあってもスールの入り口は狭すぎる。俺の小指よりも小さい入り口しかない。

「あ、あの・・・・・・?」

「あぁ、いや、ずいぶんと狭そうだなと思っただけだ。初めては痛いと言うし、スールはそれ以上に痛いかもと」

動かなくなった俺に不安を覚えた様子のスールは、すがりつくように俺の背に手を回し、揺れる双眸で俺を見上げていた。

 この場面で嘘を付く訳にはいかぬと思い、固まった理由を話したが、俺の気持ちは晴れない。

 だというのに、スールはその理由を聞いて顔を綻ばせた。

「狭いならレヴィが広げてくれれば良いんですよ!レヴィの好みの広さに!痛い?どんと来いです!」

私は(物理的に)食べられる覚悟をしたんですよ!と、嬉しそうに話してくる。

 彼女は相当な覚悟をしていたらしい。それが嬉しくもあり、申し訳ないとも思ってしまう。

 本当に俺でいいのかー-

 俺の思いが口に出ていたのであろうか。スールは綻んでいた表情を引き締め、

「レヴィだから良いの。ううん、レヴィが良いの」

と言葉を紡ぐ。

 ならば、なにも言うまい。

「ここからが本番だ。一応、本番前に少し解してみるが、そこまで変わるものでは無いと思う。相当痛いらしいから、覚悟してくれ」

言って、彼女の秘部に指を這わせる。相変わらず漏れた淫液で周囲がじんわりと湿っているが、彼女はそれが気にならないのか、何の抵抗もなく俺の指を受け入れてくれる。

 少し秘裂の感触を楽しみ、そこから生まれる刺激にスールが俺の胸に唇を押し付けて声を我慢させた後、意を決して彼女の入り口に小指を埋め込んだ。

「っ!?はあぁぁぁっ!?」

途端にスールは悲鳴と間違えそうな程の叫び声を上げた。一度は何とか飲み込んだようだが、小指を折り曲げたところ、仰け反って押し付けていた唇が離れてしまったようだ。

「あっあっあっ・・・・・・ふくぅっ・・・・・・ひあっ・・・・・・んっんっんんー・・・・・・ぷあ!?あっあっあっ」

小指を変化させる度、それに応じてスールは嬌声を上げる。その声が嫌なのか恥ずかしいのか、一旦口を閉じて我慢しようとするも、すぐに刺激に負けて口を開く。もう既にスールの瞳は焦点が定まり辛く、刺激に翻弄されているようだ。

「へやっ!?お、終わりました?・・・・・・ひうぅぅ!?太い!?」

これなら中指に切り替えても痛みは少ないだろうと、小指を抜き取ると、スールは安堵に溜め息をこぼすが、すぐに中指を差し込むと背中をピンと緊張させて悲鳴を上げた。

「しかも・・・・・・長いですっ!あっあっあっ・・・・・・だめぇっ!」

ゆっくり押し込み、小指の時より奥に到達すると、いやいやをするように頭を振り、目尻に溜まった情欲を滴を散らしてスールは俺にすがった。

「ふーっ、ふーっ、ふーっ・・・・・・っ、あっあっあっ・・・・・・んんーっ、ふーっ、ふーっ、ふーっ」

小指の時とは違い太さと長さに慣れさせるため不用意に刺激しないように勤めながらゆっくりと、ゆっくりと出し入れする。入れるときの刺激はどうにも我慢できないようだが、出すときの刺激はギリギリ声を我慢している。どちらの時も身体の方は正直で、ひっきりなしに悶えている。奥で止めたときは刺激を抑えるためか、息を止めて身体を硬直させてもいた。

 俺の与える刺激で翻弄されるスールの姿は俺の興奮を今まで以上に掻き立てる。中指から伝わるえもいわれぬ刺激に対しても、早く愚息をその中に突き立てたい衝動をかき立てられて仕方がない。

 何度目かの挿入の後、スールの身体が静まってから慎重に指を折り曲げた。

 声は我慢とかそんなところでは無いらしく声にならない声を発し、身体は悶えを通り越して痙攣した。固く閉じられていた瞳は刺激で見開き、散らされていた雫は頬を伝う。あまりにも耐え難い刺激だったのだろうか?

「大丈夫か?」

「・・・・・・びっくりしただけです。続けて下さい」

心配になって聞くと、震える声でスールは続きを催促するように答えた。

「その・・・・・・レヴィの満足する広さになりましたか?」

逡巡する俺に重ねるようにスールは俺に尋ね、まだなら続きをと、すがりついている両手に更に力を込める。

「まだまだ狭いと思う。この後中指でほぐしたら人差し指を追加してほぐす。そこまでやってふつうの女性の広さだ」

「そう・・・・・・ですか」

少し残念そうにスールは頷き、スールは俺の胸にキスをする。そして、俺の鼓動を聞くように方耳を当てた。

「レヴィの鼓動、安心します。いつもより大分早いですけど」

「スールの声と仕草に興奮してるんだよ。・・・・・・続けるよ」

「は、い。・・・・・・お任せします」

スールの返答を待ってから、ゆるゆると指を動かし始める。先程と同じように、挿入時は嬌声が漏れ、折り曲げ広げるときはガクガクと痙攣し、抜き去る時は押し殺した嬌声が漏れる。それだけでスールを自由にしているように思え、征服欲と独占欲が満たされていくのに、後一歩で意識が蕩けていきそうな表情でもっと、もっとと囁いてくるスールには、俺の理性の限界を試しているのかとさえ感じてしまう。

 慎重に中指を抜き去り、人差し指と合わせて挿入したときは、歓喜に震えたようだった。

 この太さになると、抜き去る時も我慢ができないのか嬌声を上げるようになり、入れるときは声を押し止めようとする意志が砕けていた。静かになるのは両指を別々に折り曲げてスールの肉壷を押し広げているときのみ。

「そろそろ本番だが、大丈夫か?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

指を引き抜き、聞いてみると、俺の問いかけが聞こえていないのか目元がゆるみ涙を流しながらぐったりと力を抜いたスールがベッドに転がった。艶やかなその痴態に息を飲む。

「あ、あれ?」

「そろそろ本番なんだが、大丈夫か?」

三呼吸程おいて意識を取り戻したようにスールは呆然と辺りを見渡し、それに今一度声をかける。そこでようやっとスールは現状を把握して顔を赤く染めながら頷いた。

 そこで、ようやっと、俺は自分のズボンを膝までおろし愚息を外気に晒す。これでもかと言うほどに努張したそれは涎のように先走りを垂らしている。

「お、おっきい・・・・・・」

それを見たスールは嫌悪でもするだろうかと考えたが、実際には得心がいったような表情でそれを眺めている。

「これをさっきまで広げていた場所に入れさせてもらう。痛いだろうが、入れたら多分、俺は俺を抑えられなくなるから止めてやれないと思う。最後まで付き合って欲しい」

恭しく説明しながらスールのズボンに手をかける。抵抗されるかと思ったが、抵抗もなく、逆に腰を浮かせて脱がせやすくしてくれた。

 太股までズリ下ろすとそこで止め、胡座をかいてその間にスールを座らせた。

「わ、私、こういった知識無いから、全部レヴィにお任せします。これまでの行為も、とても気持ちよかったし、幸せでした。ここまできたら私が思わずやめてと言っても構わず最後までお願いします」

互いの気持ちが重なり合ったと思ってしまうスールの返答に、俺は歓喜に震えながら彼女を持ち上げ肉壷の入り口に俺の先端を合わせる。

 互いにキスを交わしながら抱き合って俺を彼女の中に埋めていった。

「んんーっ」

鵐に濡れた肉壷の最奥まで突き入れたときに漏れた声は苦痛に喘ぐ呻き声か、それとも性感の刺激に促された嬌声か。それもすらもわからぬくらいに俺はスールと同じ様に呻いていた。

 異物を押し出すように締め付ける入り口付近、俺の進入を喜ぶように抱きしめる中道、愛おしそうに吸い付く最奥。その全てが俺にえもいわれぬ快楽を与えてくれ、思わず射精しそうになる。

 そこは男の意地と誇りでどうにかやり過ごしたが、今動いては俺が保ちそうになかった。

「痛いか?」

動けないのを誤魔化すように唇を離して問いかけると、それが嬉し涙だとわかるほどに溌剌とした笑顔を見せスールは泣いていた。

「レヴィが入念にほぐしてくれたから、そこまで痛くないです。それよりも、上手くレヴィを受け入れられた事が嬉しいです」

といってキスを迫ってきたスールに応じ、しばらくスールの感触を味わった。

「痛みは取れたか?」

射精感が下火になるのを待ってスールに尋ねると、「だいぶ引きました」と嬉しそうな答えが返ってきた。

 その答えに頷くと、俺は腰を回し始めた。すぐにスールは陶然と瞼を伏せ、交わった部分から送られてくる感覚を享受するかのように頬を綻ばせる。

「あんっ・・・・・・ふぅっ・・・・・・ああっ・・・・・・レヴィっ、好きっ・・・・・・好きっ・・・・・・ひうぅぅっ」

嬌声の中に偶に紛れ込むスールの好意が、とても気持ちがいい。いくらでも聞いていたいが、キスもしたい。

 嬉しい葛藤に総身を泡立てながら、彼女を求め、彼女の顔に、首筋に、キスの雨を降らせる。

「俺も・・・・・・ちゅ・・・・・・好きだよ・・・・・・ちゅ・・・・・・スール・・・・・・」

キスの合間にスールに返答しながら行われる交わりは、極上の美酒にも勝る快楽へと変わる。俺の愚息が快楽に震えれば、それに答えてスールが抱きしめる力を強くし、それによりまた愚息が震える。そのやりとりが心地よく、二人で夢中になった。偶に唇と唇が出会うとどちらからとなく舌を絡ませ気持ちを高ぶらせ、抱きしめ合っていた腕はいつしか相手をまさぐり互いの感度を上げていく。

「ひゃっ!?れ、レヴィ・・・・・・?」

もう辛抱たまらんとなって俺はスールを押し倒し、その上に覆い被さった。

 驚いたスールだったが、俺を見上げる瞳は期待に満ち、無言でその先を催促していた。

「はぁぁぁぁぁん」

遠慮はいらないと思い、全力で抽挿を始める。奥歯を噛みしめるほどの快楽は、スールに今までにないほどの嬌声を上げさせた。

「あン、はン、あっは、ああぁっ、ひっう、んんーっ」

不安にさせないよう両の手を絡めるように繋ぎ、忘我の極致でよだれを垂らしてなすがままにされるスール。手には力が入らないが、一層俺を締め付けフィニッシュへと誘う。

「ああああああぁぁぁぁぁ・・・・・・」

その時は唐突に訪れた。不意にスールが仰け反り、幾ばくかの短い時を経てがくりと沈み込み、俺は彼女の中に精を放っていた。射精する予感は有ったがいつ始まったのか見当が付かない。しかし、気付いたところで得たものは達成感と射精による多幸感。それからスールを抱いたという幸福感だった。

 射精は自分でも驚くほど長く続き、引き抜いた時にスールの中から大量の精液があふれ、気絶していたスールが精液の溢れ出す感覚で目を覚ます程だった。

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