RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十二篇第一章 退路無き救出作戦

奪還迄の道程

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ヒューズの話は続いて行く。

全四層に別れた大監獄プリズングァザの獄内
は殆ど死角という死角が存在していない。

勿論、通路や牢に壁はあるがバレない様にし
其の壁を伝って行くのは不可能らしい。

そして、大監獄の入り口から正面に向かって
真反対の位置に看守用のリフトはあるモノの
其れを使っては一網打尽の可能性もある。

更にヒューズから明かされたのは目的となる
アドリーが何処に囚われているかであった。



「此の落人群にはゲン爺って言う情報通のお爺さんが居てね…其の人が言うには…複数の帝国兵達が大監獄へと来訪した事…そしてとある大物の女性が最下層である3rdフェーズの最深部へと投獄されたらしいんだ」



ロードはあのゲン爺が何者なのか異常に気に
なり始めたが、またエルヴィスを怒らせては
いけないと必死に口をつぐんだ。



「つまりは…隠れる場所もねぇ監獄内を突き進み政府の戦力を掻き分けながら最深部のアドリーまで辿り着かなきゃならねぇ」



エルヴィスの放った言葉を聞いてロード達は
其の内容がどれだけ無謀かを理解する。

だが、エルヴィスの話は此処で終わりとは
ならず更なる案が飛び出して来た。



「とまあ…俺等だけで行くしかねぇと思った時はそうだったが…新しく助っ人も来た事だしな…レザノフさん。アンタ…銃の腕前は相当だって聞いてるぜ?一つ頼みがある」


「何でしょうか?」


「監獄には外回りに大きな鋼の柵が円状に三百六十度、展開されてる…其の柵の中、つまりは監獄の外の庭には囚人の脱獄に備えたセンサーが取り付けられてるらしいんだ…」


「成る程。其れを先ずは私が破壊し、混乱した内部の人間達を外へ誘き出せばいい、そんな所でしょうか?」


「ああ。どっかのバカと違って話が早くて助かるぜ…!」


「オイッ!」


「自覚あったんですね…ロード君…」


「……あっ……」



途中迄は綺麗に進んでいたのだがエルヴィス
の一つの言葉に反応したロードはザックから
飛ばされた声を聞いて墓穴を掘ったと反省を
始めてシュンとしていた。



「其処でだ。ロード…出てきた相手戦力をお前が引き付けて欲しい……お前の覚醒ならヒット&アウェイで退避する事も可能だろ?」


「ああ…って思ったけど…まだソコまで使いこなせる自信がねぇな…あんまり長く持たねぇんだよ…俺の覚醒…」


「出来る範囲で良い……。其の間に俺等が中へと突っ込んで行くからよ…!」



エルヴィスの言葉に自信は正直足りていない
がロードは何とか決意をしようとした瞬間に
頬を赤く染めたシェリーが話し始めた。



「待ってくださいっ…ロード様のサポートは私がします…!閃光のギフトには付加と治癒という特性がありますからっ!!」


「おおッ!アレか…!」


「はいっ!鍛錬は積んでましたし前回よりも長めにチカラを付加出来ますよっ!」



大監獄の外庭での作戦に希望の光が差す。
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