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最終篇第七章 “夜明けの唄”
“帰る場所”
しおりを挟む始まりの街コミンチャーレ
港町“リューグウ”
「此れは……どう転んでこうなったと言うのか?」
「……政府軍は負けたのに…まさか、王家が自ら其の歴史を綴じる選択肢を取るなんて…パイロさん……あの……ユーリさんはどうなったんでしょうか…?」
「……解りません」
食事処“育鶴”にて交わされた此の会話の主は
育鶴の若女将マオ・レバルーと始まりの街の
帝国軍支部准将パイロ・ジョバーニ、通称は
P・Jと呼ばれる男だった。
不穏な空気が流れる最中、パイロの胸の内袋
に入れられていた無線機が慌しく鳴る。
其の発信先を見て、パイロは更に慌しく無線
の通信ボタンを押して応答を始めた。
すると、無線機から聞き覚えのある声が疲れ
を感じさせるトーンで響き渡る。
『よう、P・J……終わったぜ。色々とな』
「U・Jッ!!無事だったか……良かった、本当に良かった……」
『なに、感極まった様な声出してんだよ、P・J……アイスでも食い過ぎて頭がキーンとしてんのか?』
「……そんな訳無いだろう。丁度、育鶴にいるんだ…マオさんに代わる…」
無線の声の主は、王都に居るU・J。
U・Jの声を聞きたいだろうとパイロは機転
を利かせて無線機をマオに手渡した。
『……マオちゃんか?』
「……は、はい……っ……生きてた…ユーリさん私本当……あれから夜も寝れなかった…心配だったんです……っ…でも、また声が聞けると信じてましたよ……っ」
『……へへ、ありがとうな。帰ったら美味いメシ…また食わせてくれ……それとよ…号外が出回ってるらしいから知ってるかもしんねぇけど…政府は負けたぞ』
「………はい」
『あのロード達が勝った。マオちゃんはそれを喜んだらいい……それに、俺も政府、裏切っちまったしなあ』
「………ふふ、パイロさんと予想していた通りでした…ユーリさんならそう動くんじゃ無いかって…」
『……マジで?いやあ、マオちゃんもP・Jもやっぱ俺のコト、良くわかってんなあ』
少しずつお互いの声が、安堵からか柔らかい
声質とトーンに変わって行く。
そして、U・Jからとある報告が入る。
『それでなんだけどよ…俺も今しがたその話を聞いたんだが……このまま行くと帝国軍すら無くなっちまうな。帝国主義から民主主義への大改革ってとこか?』
「パイロさんから伝言です。帝国軍が無くなったとしてもユーリさんの帰る場所はこのオーシュウという町ですからね…?私も首を長くして待ちます……後の事はその時に、考えたらいいじゃないですか」
『……だははは、人生行き当たりばったりの俺らしい締めくくりかもな、そりゃあよ。傷が癒えたら真っ直ぐ帰るぜ、マオちゃん』
「……はいっ!」
其の言葉を聞き、マオはポロポロと涙を流し
愛する人の無事を心から受け止めたのだ。
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