32 / 40
4章 結社同盟
1話 「恋心」と「ありがとん♪」
しおりを挟む
ちょっと時間を戻して・・・
ベルガールに、ハグされると由良穂香の気力が満ちていった。
ハグするだけで、気力を満たしてくれる人って素敵♪
何の香水だろう?良い香りがする・・・
1階に近づきエレベータのドアが開きそうになった。
由良穂香は、ベルガールから離れた。
「もう大丈夫?」
「うん、ありがと」
由良穂香の満足した表情を見たベルガールは、言った。
「憲兵隊が草刈りを始めるみたいよ」
「うん」
「憲兵隊が誘拐犯を炙り出すかも知れないね」
「うん、そうだと良いね」
憲兵隊に炙り出される可能性は、由良穂香の秘密結社とその同盟結社にもある。
すでに幾つかの手は打ってあるが・・・完璧を期さなければならない。
エレベーターのドアが開くと、ベルガールは普通のベルガールに戻り、
「ありがとうございました」
と営業スマイルで由良穂香を見送った。
さて、家臣くんの取り調べは、ラマンさんに任せるとして、年中発情期のラマンさんでも、まさか私の家臣を襲わないとは思うけど、少し心配。
ホテルのロビーを抜け、ドアに近づくと、人のよさそうなドアマンが、ドアを開けてくれた。
彼が、屈強なグルカ兵出身だと知ってる人間は、秘密結社関係者に限られている。
故に、ホテルとしては異常な警備態勢だと気付く人間は、まずいない。
ドアマンと軽くハイタッチをして、ホテルの外に出た。
外に出ると、ちょっとだけ緊張する。
まさか、こんな人の多い場所で、私を浚うなんて事はしない筈だが・・・
「あのーこの辺りに美味しいうどん屋さん知りませんか?」
声を掛けてきたのは、年齢が18、9で、黒のGジャンに黒のジーパン、白いシャツ着た女子だ。
お腹の白い肌がチラチラと見えていた。
どーみても、観光客には見えない。
とりあえず、指令センターから指示のあった合言葉を言ってみた。
「パスタがお好きなんですか?」
「えーと、かき揚げと温卵と恋心でお願いします。」
「私は粉チーズを多めに入れたいですね」
「うどんにですか?!」
「ミートソースが一番良いです」
「うどんにミートソースを!?」
「シェフはイタリアで修行していたらしです」
「イタリアでうどんの修行ですか!?」
「お車ですか?」
「あっ、はい、あちらに停めてます」
「それでは、レストランまで案内しましょう」
「ありがとん♪」
会話がかみ合ってないのは、彼女が暗号を覚えて来てないせいだろう。
覚えていたのは「恋心」と「ありがとん♪」だけだった。
でも多分、彼女が指令センターから指示があった、護衛だろう。
コードネームは【ガラパゴスの美女】
秘密結社【ガラパゴス公国の逆襲】の結社員だろう。
コードネームが美女って、まあ、どちらかと言うと美少女と言ったところだが、
「ロタさん?」
彼女の声は控えめで清楚な、好感を持てる声質だ。
そして【ロタ】とは、由良穂香のコードネームの一つだ。
「ガラパゴスの美女さん?」
「はい」
「護衛の方ですよね?」
「はい」
どちらかと言うと可愛らしく華奢なガラパゴスの美女さんに、屈強さの欠片もなかった。
・・・なぜ指令センターは、私の護衛にこの人を寄こしたのか?
憲兵隊の草刈りも始まるし、色々混乱しているのは解るけど・・・
「あのー、 ロタちゃんのおっぱい触っても良いですか?」
初対面でいきなりこんな事を言ってくるド変態感。
控えめで清楚な声質が、ド変態感を陰な方向へ増幅させた。
そう、この陰な感じは、間違いなく秘密結社関係者だ。
そんな事だからうちの結社同盟は、百合同盟とか揶揄されるのだ。
「ダメです」
「え~、あくまで形式的な質問ですよ。綺麗なおっぱいの人にはみんなに聞いてるんですよ」
さらにド変態じゃないか!
ものすごく残念がる、ガラパゴスの美女さんの背後に、目を惹く車が停まっていた。
「もしかしてあれに?」
丸っこくて小さな車だ。
「私のお姫様、それじゃあ乗ってください♪」
お姫様・・由良穂香が姫巫女候補生と言う事は、秘密なはずだが、指令センターが護衛を頼む者と言えば、姫巫女候補生が多いのは事実だ。
姫巫女候補生が狙われるのは、最近始まった事ではない。
【由良穂香誘拐未遂事件】は、情報通の組織なら知っている情報なのだろう。
ガラパゴスの美女さんは車のドアを開け、エスコートした。
ドアが後ろ側に開くスーサイドドアには、ちょっと特別感があったが、どう見ても護衛用とは思えない。
・・・かなり目立つし
まるで今から遊園地の乗り物に乗る子どもの様に、運転席に乗ったガラパゴスの美女さんは、ニコっと微笑むと言った。
「私の愛車のスバル360です」
「シートベルトがないんですが?」
「つけなくても、昔の車だから大丈夫なんです」
狭い車内に、香しいガラパゴスの美女さんの香りが満ちていた。
独特な香りがした。今までで出会った事がない香りだ。
慣れれば悪くはない香りかも知れない。
スバル360は、不安を感じる古めかしいエンジン音を響かせながら、ホテルを後にした。
つづく
ベルガールに、ハグされると由良穂香の気力が満ちていった。
ハグするだけで、気力を満たしてくれる人って素敵♪
何の香水だろう?良い香りがする・・・
1階に近づきエレベータのドアが開きそうになった。
由良穂香は、ベルガールから離れた。
「もう大丈夫?」
「うん、ありがと」
由良穂香の満足した表情を見たベルガールは、言った。
「憲兵隊が草刈りを始めるみたいよ」
「うん」
「憲兵隊が誘拐犯を炙り出すかも知れないね」
「うん、そうだと良いね」
憲兵隊に炙り出される可能性は、由良穂香の秘密結社とその同盟結社にもある。
すでに幾つかの手は打ってあるが・・・完璧を期さなければならない。
エレベーターのドアが開くと、ベルガールは普通のベルガールに戻り、
「ありがとうございました」
と営業スマイルで由良穂香を見送った。
さて、家臣くんの取り調べは、ラマンさんに任せるとして、年中発情期のラマンさんでも、まさか私の家臣を襲わないとは思うけど、少し心配。
ホテルのロビーを抜け、ドアに近づくと、人のよさそうなドアマンが、ドアを開けてくれた。
彼が、屈強なグルカ兵出身だと知ってる人間は、秘密結社関係者に限られている。
故に、ホテルとしては異常な警備態勢だと気付く人間は、まずいない。
ドアマンと軽くハイタッチをして、ホテルの外に出た。
外に出ると、ちょっとだけ緊張する。
まさか、こんな人の多い場所で、私を浚うなんて事はしない筈だが・・・
「あのーこの辺りに美味しいうどん屋さん知りませんか?」
声を掛けてきたのは、年齢が18、9で、黒のGジャンに黒のジーパン、白いシャツ着た女子だ。
お腹の白い肌がチラチラと見えていた。
どーみても、観光客には見えない。
とりあえず、指令センターから指示のあった合言葉を言ってみた。
「パスタがお好きなんですか?」
「えーと、かき揚げと温卵と恋心でお願いします。」
「私は粉チーズを多めに入れたいですね」
「うどんにですか?!」
「ミートソースが一番良いです」
「うどんにミートソースを!?」
「シェフはイタリアで修行していたらしです」
「イタリアでうどんの修行ですか!?」
「お車ですか?」
「あっ、はい、あちらに停めてます」
「それでは、レストランまで案内しましょう」
「ありがとん♪」
会話がかみ合ってないのは、彼女が暗号を覚えて来てないせいだろう。
覚えていたのは「恋心」と「ありがとん♪」だけだった。
でも多分、彼女が指令センターから指示があった、護衛だろう。
コードネームは【ガラパゴスの美女】
秘密結社【ガラパゴス公国の逆襲】の結社員だろう。
コードネームが美女って、まあ、どちらかと言うと美少女と言ったところだが、
「ロタさん?」
彼女の声は控えめで清楚な、好感を持てる声質だ。
そして【ロタ】とは、由良穂香のコードネームの一つだ。
「ガラパゴスの美女さん?」
「はい」
「護衛の方ですよね?」
「はい」
どちらかと言うと可愛らしく華奢なガラパゴスの美女さんに、屈強さの欠片もなかった。
・・・なぜ指令センターは、私の護衛にこの人を寄こしたのか?
憲兵隊の草刈りも始まるし、色々混乱しているのは解るけど・・・
「あのー、 ロタちゃんのおっぱい触っても良いですか?」
初対面でいきなりこんな事を言ってくるド変態感。
控えめで清楚な声質が、ド変態感を陰な方向へ増幅させた。
そう、この陰な感じは、間違いなく秘密結社関係者だ。
そんな事だからうちの結社同盟は、百合同盟とか揶揄されるのだ。
「ダメです」
「え~、あくまで形式的な質問ですよ。綺麗なおっぱいの人にはみんなに聞いてるんですよ」
さらにド変態じゃないか!
ものすごく残念がる、ガラパゴスの美女さんの背後に、目を惹く車が停まっていた。
「もしかしてあれに?」
丸っこくて小さな車だ。
「私のお姫様、それじゃあ乗ってください♪」
お姫様・・由良穂香が姫巫女候補生と言う事は、秘密なはずだが、指令センターが護衛を頼む者と言えば、姫巫女候補生が多いのは事実だ。
姫巫女候補生が狙われるのは、最近始まった事ではない。
【由良穂香誘拐未遂事件】は、情報通の組織なら知っている情報なのだろう。
ガラパゴスの美女さんは車のドアを開け、エスコートした。
ドアが後ろ側に開くスーサイドドアには、ちょっと特別感があったが、どう見ても護衛用とは思えない。
・・・かなり目立つし
まるで今から遊園地の乗り物に乗る子どもの様に、運転席に乗ったガラパゴスの美女さんは、ニコっと微笑むと言った。
「私の愛車のスバル360です」
「シートベルトがないんですが?」
「つけなくても、昔の車だから大丈夫なんです」
狭い車内に、香しいガラパゴスの美女さんの香りが満ちていた。
独特な香りがした。今までで出会った事がない香りだ。
慣れれば悪くはない香りかも知れない。
スバル360は、不安を感じる古めかしいエンジン音を響かせながら、ホテルを後にした。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる