商人の恋人は魔王!!

雄雉@オリジナル小説

文字の大きさ
5 / 19

魔王の守り?

しおりを挟む
ブレイブは剣術が得意ではない

それならばこれはどうかと、ナイフを渡されて訓練をされたことがあったが
護身術すら身に着けられないほどの軟弱な男であった

『それでよく我の所までたどり着けたものだ』
「俺、昔っから気配を消すのだけは上手くて」

ディアボロスが感心したような声で言うと
照れくさそうにブレイブは頭を掻く
所謂影が薄いとでも言うのだろうか
良く言えば物静かなことが得意なブレイブなのだ

『しかし、それでは店に押入る野盗すらも追い返せまい』
「まあ、その時はその時で…」
『我が一肌脱いでやろう』

そういうと、ディアボロスは片手に意識を集中させる
黒いオーラが辺りを包み込み、それがディアボロスの片手に集まると
ブワ!!っと凍えるほどの風が吹き荒れ
いつの間にか禍々しい大剣がディアボロスの手に握られていた

『我の剣を魔力で模したものだ。いざとなればこれを使えば、たちまち相手は塵と化すだろう』
「気持ちは嬉しいけれど、俺が村から追い出されちまうんだが?」

魔王ならではと言おうか、それとも恋人への重い愛故か
禁忌とも呼べるべき武器を
たかが野盗如きを追い払うために使う許可が出るとは思わず
ブレイブはすかさずツッコミをいれた

『それならば、我が手下を何人か店の前に置くと良い』
「モンスターなんか置いたらそれこそ人が店に寄り付かなくなっちまうよ」
『ならば、ミミックを罠として置くか』
「あー…まあ、その程度なら…っていやいや」

明らかに死人が出かねない提案を次々とされては
ブレイブがツッコミをいれる

『ふむ…ならば、これを使え』

ディアボロスが取り出したのは、白く濁ったオーブであった

「え、死人は出ないよな?」
『ああ。死人は出ぬ』

ディアボロスが嘘を言うとは思えない
それならば…とブレイブはありがたく受け取ることにした

後日、店仕舞いが済んだ所で
さあ、後は夕食を摂って眠るだけと思っていた矢先
店の扉が何者かに蹴破られた

「湿っぽい店だな。オラ!金目のもの寄越しな!殺されたく無かったらよお!!」

まさか、こんな辺鄙な村の片隅にある店に強盗が押入るとは
慌てて手を上げるブレイブは
ふと、ディアボロスから貰ったオーブの事を思い出した

「あ?宝玉か?良いもの持ってんじゃねえか!寄越せ!!」

強盗が奪おうとする前に、ブレイブがオーブを天に向かって掲げると
白い霧が辺りを包み込み始める
余りの霧の濃さに目を瞑ってしまい、少しずつ霧が晴れて
目が開くようになる頃には人の気配が消えていた

完全に目が開くようになって見てみれば
強盗達は驚愕の表情を浮かべながら石像に変わってしまっていた

「ええ…?」

思わず呆気に取られたブレイブの手には、しっかりとオーブが握られている
そのオーブが「メデューサの目」と呼ばれる呪いの宝玉であることを
ブレイブはまだ知らない
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

処理中です...