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到来、その後
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勇者が村にいる間、ブレイブは店を閉めていた
本来ならば稼ぎ時だろうが、自分の恋人を殺すであろう人間の顔を見てしまえば
何をしてしまうか分からなかったからだ
勇者はディアボロスのいるダンジョンへとむかったらしい
「きっと魔王を倒して帰ってくる」「勇者様なら無事に魔王を殺すだろう」
そんな声が村中から聞こえるたびに、ブレイブの心が砕けていくような気がした
しかし、勇者は二日を過ぎても帰っては来なかった
皆が勇者の行方を心配する中、ブレイブは真っ先にダンジョンへと走りだす
(ディアボロスはどうなったんだ。無事なのか。生きているのか。どうか無事でいてくれ)
ダンジョンからモンスターの気配が無くなっている
恐らく、勇者に皆倒されてしまったのだろう
奥へ、奥へ、奥へ…
自身の限界も忘れて走り続け、ようやっとディアボロスが居る場所へとたどり着く
「…はあ…!ディアボロス…!!」
扉を、疲労で重たくなった手で何とか開き
中へと入ると、勇者の剣で切られたのであろう
深手を負ったディアボロスが玉座に座っていた
『ブレイブ』
「ディアボロス!嘘だ…いやだ…死ぬな、死なないでくれ!」
『焦るな。これくらいで我は死んだりはせぬ』
ディアボロスに縋りつくブレイブを慰める手は、いつもよりも冷たかった
血こそ出ていないものの、明らかにディアボロスは弱っている
何とか手当をしたかったブレイブだが、安否を確認するために焦って飛び出したせいで
薬草一枚すら持ち合わせていなかった
『何日か…力は出せぬが…こうしてお前に触れることは出来る』
「よかった…無理はするなよ…魔王に効くか分からないけど、後で薬草とか持ってくるから」
『すまない』
「いいんだ。…そう言えば勇者ってやつは?」
何とか恋人が回復しそうであるという事を知ったブレイブは、ふと冷静になり辺りを見渡す
そこには人影らしきものは一切見当たらなかった
『あの程度の力では、力を取り戻しきっていない我を討つ事すら到底不可能。逆に消し去ってやった』
「え…そ、そうなのか?」
確かに、床に消し炭のようなものが盛られている
流石魔王と言おうか、人間を跡形も無く消してしまうとは
「村の皆は絶望するかな…勇者が死ぬなんて」
『人間として、勇者の存在が気がかりか?安心しろ、勇者は我を殺すまで何度でも生き返る』
「…初耳なんだが」
もはやそれは人間と言える存在なのだろうか
勇者の謎の生態にブレイブの顔が引き攣る
『勇者の受けし祝福とでも言おうか。くだらぬ恩恵ではあるがな。今頃教会で蘇っておるのだろう』
「勇者も魔王も…大変なんだな」
ブレイブは心の底から、その言葉が湧き出た
魔王を殺すまで何度も生き返る等、逆に地獄以外の何だと言うのだろうか
そう思っている内に、ディアボロスの傷が少しずつ塞がっているのに気が付いた
「おわ…本当にすぐ治るんだな」
『今更驚くこともあるまい。…しかし力を大分使ってしまった。我が同胞達を生き返らせるのにも魔力が必要だ…同胞の声も少しずつ…戻ってきている…』
耳を済ませてみれば、ぎゃあぎゃあと魔族の声がダンジョン内から響いてくるのが分かる
それを聞いて、ブレイブも安堵の息を吐く
「こんなに安心しているのを勇者に見られたら、俺も斬られるかな」
『我が身を呈してでも、そのような事はさせん』
「へへ…ディアボロス、回復するまでの世話は任せろよ」
『お前になら全てを任せられる』
ディアボロスの少し温もりを取り戻した手を、ブレイブが優しく握った
本来ならば稼ぎ時だろうが、自分の恋人を殺すであろう人間の顔を見てしまえば
何をしてしまうか分からなかったからだ
勇者はディアボロスのいるダンジョンへとむかったらしい
「きっと魔王を倒して帰ってくる」「勇者様なら無事に魔王を殺すだろう」
そんな声が村中から聞こえるたびに、ブレイブの心が砕けていくような気がした
しかし、勇者は二日を過ぎても帰っては来なかった
皆が勇者の行方を心配する中、ブレイブは真っ先にダンジョンへと走りだす
(ディアボロスはどうなったんだ。無事なのか。生きているのか。どうか無事でいてくれ)
ダンジョンからモンスターの気配が無くなっている
恐らく、勇者に皆倒されてしまったのだろう
奥へ、奥へ、奥へ…
自身の限界も忘れて走り続け、ようやっとディアボロスが居る場所へとたどり着く
「…はあ…!ディアボロス…!!」
扉を、疲労で重たくなった手で何とか開き
中へと入ると、勇者の剣で切られたのであろう
深手を負ったディアボロスが玉座に座っていた
『ブレイブ』
「ディアボロス!嘘だ…いやだ…死ぬな、死なないでくれ!」
『焦るな。これくらいで我は死んだりはせぬ』
ディアボロスに縋りつくブレイブを慰める手は、いつもよりも冷たかった
血こそ出ていないものの、明らかにディアボロスは弱っている
何とか手当をしたかったブレイブだが、安否を確認するために焦って飛び出したせいで
薬草一枚すら持ち合わせていなかった
『何日か…力は出せぬが…こうしてお前に触れることは出来る』
「よかった…無理はするなよ…魔王に効くか分からないけど、後で薬草とか持ってくるから」
『すまない』
「いいんだ。…そう言えば勇者ってやつは?」
何とか恋人が回復しそうであるという事を知ったブレイブは、ふと冷静になり辺りを見渡す
そこには人影らしきものは一切見当たらなかった
『あの程度の力では、力を取り戻しきっていない我を討つ事すら到底不可能。逆に消し去ってやった』
「え…そ、そうなのか?」
確かに、床に消し炭のようなものが盛られている
流石魔王と言おうか、人間を跡形も無く消してしまうとは
「村の皆は絶望するかな…勇者が死ぬなんて」
『人間として、勇者の存在が気がかりか?安心しろ、勇者は我を殺すまで何度でも生き返る』
「…初耳なんだが」
もはやそれは人間と言える存在なのだろうか
勇者の謎の生態にブレイブの顔が引き攣る
『勇者の受けし祝福とでも言おうか。くだらぬ恩恵ではあるがな。今頃教会で蘇っておるのだろう』
「勇者も魔王も…大変なんだな」
ブレイブは心の底から、その言葉が湧き出た
魔王を殺すまで何度も生き返る等、逆に地獄以外の何だと言うのだろうか
そう思っている内に、ディアボロスの傷が少しずつ塞がっているのに気が付いた
「おわ…本当にすぐ治るんだな」
『今更驚くこともあるまい。…しかし力を大分使ってしまった。我が同胞達を生き返らせるのにも魔力が必要だ…同胞の声も少しずつ…戻ってきている…』
耳を済ませてみれば、ぎゃあぎゃあと魔族の声がダンジョン内から響いてくるのが分かる
それを聞いて、ブレイブも安堵の息を吐く
「こんなに安心しているのを勇者に見られたら、俺も斬られるかな」
『我が身を呈してでも、そのような事はさせん』
「へへ…ディアボロス、回復するまでの世話は任せろよ」
『お前になら全てを任せられる』
ディアボロスの少し温もりを取り戻した手を、ブレイブが優しく握った
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