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白鬼(びゃっき)と呼ばれる男 ①
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「モーニンググッド。10月25日、今日のヘッドラインです。21日に宮城県仙台市で発生した建物爆破事件の続報です。」
「10月21日、午後10時30分頃、仙台市国分町の歓楽街で爆発があり現場は一時騒然となりました。
爆破事件の現場となったのは、国分町の飲食店などが密集する一角にある雑居ビルの7階でヴァンパイア専門のバーがあった場所です。現場に中継が出ているようです。現場の日下さ~ん。」
「はーい。お早うございます。今、爆破のあった国分町の現場に来ています。国分町ですが、東北最大の歓楽街ということで、夜だと人で大変な賑わっているんですが、今は早朝と言うことでこのように人通りもまばらです。あ、あそこです、ご覧いただけますでしょうか、ビルの最上階、ブルーシートで覆われているところが今回の事件の現場です。今も規制線がが張られているため、これ以上現場に近寄ることは出来ません。事件当日、偶然現場に居合わせた男性からお話を聞くことが出来ました。」
「いやー驚いたよ。俺この先で屋台やってるんだけど。突然ものすげー音がしてさ。どっかーんって。また戦争が始まったんでねぇかと思って、ビックリしたぁ。んで、すぐ通りさ出てみたっけば、今度は男が降ってくっぺした、いやぁ。ビビッたなや。降ってきた男は真っ白な髪で、んでも、ずんつぁん(爺さん)じゃねぇよ。若い男だった。あんな高いとこから落ちたってのに普通にスタスタ歩いて行くからみんな驚いてたよ。あれは、人間じゃねぇな。誰でもそう思うべ。」
「偶然、現場に居合わせた男性も言っていた通り、今回の爆破事件にはヴァンパイアが何らかの形で関係していると思われますが、宮城県ヴァンパイアポリス本部からは公式な発表無く発表が待たれる状態です。以上、現場から中継でした。スタジオにお返しします、、、。」
大失態から4日。ヴァンパイアポリスには重い空気が流れていた。
時間の経過とともにいくつか分かったこともある。
まず、現場で狂暴化したのは、ごく一般のヴァンパイアでバーの客だった人たちだ。バーに設置されたスプリンクラーに人血が入っており、スプリンクラーによって散布された人血によって客のほとんどが急性人血中毒を起こし狂暴化。迅速に病院に搬送され、今は中毒症状は治まり、全員退院している。
他にも、バー・ナイトメアの店長以下4名の従業員が確保されたが5人とも終始無言を通し一切語らない。一人だけ、犯罪者登録リストとの指紋照合の結果、松田茂(26)と判明した。
殺害された人間は、金田組の構成員、横山敏(18)、斎藤晴樹(18)、高野航大(17)、山田蒼(17)と、いずれも下っ端の未成年だった。これには万が一の事態に、最初から殺害することになっていた節がある。検視の結果4人とも薄い刃物状のもの(理容院で使用される刃の薄いカミソリのような刃物)で首の頸動脈を切られての失血死だったことが判明している。
最後に、現場から一人逃走した白髪のヴァンパイアについては、ほとんど情報がない。彼のものと思われる指紋がいくつか残されていたが、ヴァンパイアポリスの犯罪登録者にも該当する人物はなかった。数年前から活動が活発化してきたヴァンパイアマフィアsucksの一員と思われるが、数年で急激に拡大化してきたマフィアsucksは狡猾に活動しており、sucksの内情も、白髪のヴァンパイアのバックグラウンドについてもほとんど情報がない。
彼は、その真っ白な髪から、仲間内では「白鬼(びゃっき)」と呼ばれているらしい。
「なになに、しろおに?鬼は赤か青がお約束でしょ。」
俺は、配られた捜査資料を見ながらつぶやく。
「相変わらずバカね。それ、びゃっきって読むのよ。だいたい、マフィアの偉い幹部の通称が”しろおに”って、間抜けもいいところじゃない。「しろおにさん、今回の取引ですが、、。」日本の昔話じゃないんだから。」
すかさずアヤメが突っ込みを入れる。
「俺、漢字は苦手なんだよ。」
アヤメのしおらしさは、あの展望台の夜以降すっかり消え失せ、元の高ビーなアヤメに戻っていた。
でも、そのほうがアヤメらしいし俺はそんなアヤメのほうが好きかもしれない。
「10月21日、午後10時30分頃、仙台市国分町の歓楽街で爆発があり現場は一時騒然となりました。
爆破事件の現場となったのは、国分町の飲食店などが密集する一角にある雑居ビルの7階でヴァンパイア専門のバーがあった場所です。現場に中継が出ているようです。現場の日下さ~ん。」
「はーい。お早うございます。今、爆破のあった国分町の現場に来ています。国分町ですが、東北最大の歓楽街ということで、夜だと人で大変な賑わっているんですが、今は早朝と言うことでこのように人通りもまばらです。あ、あそこです、ご覧いただけますでしょうか、ビルの最上階、ブルーシートで覆われているところが今回の事件の現場です。今も規制線がが張られているため、これ以上現場に近寄ることは出来ません。事件当日、偶然現場に居合わせた男性からお話を聞くことが出来ました。」
「いやー驚いたよ。俺この先で屋台やってるんだけど。突然ものすげー音がしてさ。どっかーんって。また戦争が始まったんでねぇかと思って、ビックリしたぁ。んで、すぐ通りさ出てみたっけば、今度は男が降ってくっぺした、いやぁ。ビビッたなや。降ってきた男は真っ白な髪で、んでも、ずんつぁん(爺さん)じゃねぇよ。若い男だった。あんな高いとこから落ちたってのに普通にスタスタ歩いて行くからみんな驚いてたよ。あれは、人間じゃねぇな。誰でもそう思うべ。」
「偶然、現場に居合わせた男性も言っていた通り、今回の爆破事件にはヴァンパイアが何らかの形で関係していると思われますが、宮城県ヴァンパイアポリス本部からは公式な発表無く発表が待たれる状態です。以上、現場から中継でした。スタジオにお返しします、、、。」
大失態から4日。ヴァンパイアポリスには重い空気が流れていた。
時間の経過とともにいくつか分かったこともある。
まず、現場で狂暴化したのは、ごく一般のヴァンパイアでバーの客だった人たちだ。バーに設置されたスプリンクラーに人血が入っており、スプリンクラーによって散布された人血によって客のほとんどが急性人血中毒を起こし狂暴化。迅速に病院に搬送され、今は中毒症状は治まり、全員退院している。
他にも、バー・ナイトメアの店長以下4名の従業員が確保されたが5人とも終始無言を通し一切語らない。一人だけ、犯罪者登録リストとの指紋照合の結果、松田茂(26)と判明した。
殺害された人間は、金田組の構成員、横山敏(18)、斎藤晴樹(18)、高野航大(17)、山田蒼(17)と、いずれも下っ端の未成年だった。これには万が一の事態に、最初から殺害することになっていた節がある。検視の結果4人とも薄い刃物状のもの(理容院で使用される刃の薄いカミソリのような刃物)で首の頸動脈を切られての失血死だったことが判明している。
最後に、現場から一人逃走した白髪のヴァンパイアについては、ほとんど情報がない。彼のものと思われる指紋がいくつか残されていたが、ヴァンパイアポリスの犯罪登録者にも該当する人物はなかった。数年前から活動が活発化してきたヴァンパイアマフィアsucksの一員と思われるが、数年で急激に拡大化してきたマフィアsucksは狡猾に活動しており、sucksの内情も、白髪のヴァンパイアのバックグラウンドについてもほとんど情報がない。
彼は、その真っ白な髪から、仲間内では「白鬼(びゃっき)」と呼ばれているらしい。
「なになに、しろおに?鬼は赤か青がお約束でしょ。」
俺は、配られた捜査資料を見ながらつぶやく。
「相変わらずバカね。それ、びゃっきって読むのよ。だいたい、マフィアの偉い幹部の通称が”しろおに”って、間抜けもいいところじゃない。「しろおにさん、今回の取引ですが、、。」日本の昔話じゃないんだから。」
すかさずアヤメが突っ込みを入れる。
「俺、漢字は苦手なんだよ。」
アヤメのしおらしさは、あの展望台の夜以降すっかり消え失せ、元の高ビーなアヤメに戻っていた。
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