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まさかの出来事 ③
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俺たちの話を聞いていた杉山さんが。口を開く。
「私が口をはさむべきではないのはわかっていますが、あえて言わせていただきますが、今さら彼女と何を話すつもりなんですか?」
杉山さんにしては珍しく感情的になっているような気がする。まぁ、それも仕方ないか、、、。信頼していた仲間が不祥事を起こしたんだから。
「ええと、、、。常盤さんに俺が無事な姿を見せたり。彼女を不安なまま眠らせるのは気の毒だなぁって思ったから。みんな待ってるから安心してって言おうと思って。」
「その必要があるかははなはだ疑問です。彼女は自らの意志で悪事に手を染めたわけですから。」
「それはそうなんだけど。俺は彼女が悪人ではないと思うから。」
「本田さんは、本当に甘ちゃんですね。それに、、、。司さんの言う通り人たらしです。」
杉山さんの言わんとしていることはよく解らなかったが、彼女も常盤さんの事を心配してるんだと、俺は解釈した。
司さんから、連絡が来た。
「ちょっと待ってて。」
そう言って司さんがwebカメラを動かす。カメラに憔悴しきった常盤さんが映し出された。
「本田さん。無事だったんですね。良かった。本当にごめんなさい。」
常盤さんが小さな声で、そう言う。
「もうすっかり元気だから心配しないで。常盤さんが今回したことは、みんなの事を傷つけたと思う。でも、俺も類も君が返ってくるのを待ってるから。」
「赤目様が?」
「赤目。ほら。」
「サキ。俺は、お前が返ってくるのを待ってる。それに、俺はお前の主を辞めないぞ。お前は今も未来も俺の眷属だ。わかったか。」
「赤目様、、、。ごめんなさい。私、ひがんでたんです。赤目様はアヤメ様や一宇様が大好きで。私の事なんて気にしてないって思って、そんな私に白神が声を掛けてきました。わたし、彼の身の上、つまり白神の安芸様に対する通じなかった思いと、自分の事が重なって彼に同情してしまったんです。でも、それは独りよがりな考えでした。本当にごめんなさい。でも、安心しました。本田さんが無事で、赤目様の心の内も聞くことができたし。安心して10年間眠ることができます。ありがとうございます。」
「はーい。裁判長!」
「なんですか?本田君これで納得したんでしょ?」
「被告人は、改悛の情を示しています。減刑してくださ~い。」
「はぁ?君は弁護士なのかい?それに、それは人間の裁判の方法だろ。彼女は今回、ヴァンパイアポリスの職員で、赤目君の眷属という立場から、ここ、つまりヴァンパイア裁判所で裁かれることが決まったんですよ。」
「でも、彼女は人間です、それに、今ここにいるのは、この事件の当事者たちですが全員。彼女の減刑を願っています。」
「みなさん。本当にそうなんですか?杉山さんも?」
さすが司さん、痛いところをついてくるな。
「お願いします。」
杉山さんがはっきりした声でそう言った。
「サキ姉ちゃんの盗んだ、小十郎はゆずの槍です。ゆずもサキ姉ちゃんの減刑をお願いします。」
「どうでしょう、司さん。」
「も~。この人たらし弁護士め。わかりましたよ。そこに何人いますか?」
アヤメ、赤目、ゆず、杉山さん、俺。ここにいるのは5人だった。俺は司さんに掌を開いて見せた。
「はいはい、5人ね。じゃ5年減刑しますよ。」
そこに灰野と宗助所長が入って来た。
「待ってください。もう2人入ってきましたから、2人にも聞いてみます。」
そう杉山さんが言って二人に事情を説明をはじめる。
振り返った杉山さんが、俺に手でOKマークを出す。
「裁判長、あと2年減刑してくださ~い。」
「わかりましたよ7人で7年減刑ね。じゃ、3年でいいですか?」
「はい。サキ。俺たちこの日本を守って3年後お前が返ってくるのを待ってるからな。司さんサキをお願いします。」
赤目が画面に向かって頭を下げる。
「私にも話をさせて。」
アヤメが赤目をよけて画面の前に出る。
「あなたが帰ってきたら、ヴァンパイアポリスへの復帰を認めます。ヴァンパイアポリスの人事権は私が持ってますからね。あなたは失った信用をヴァンパイアポリスに戻って全力で取り戻さなければならない。それは辛いことかもしれないけど、サキならできると私は思うわ。それに、罪を犯した人がその罪を本気で後悔したなら、二度と同じ過ちを犯さないと私は思ってる。あなたが帰ってくるのを待ってるわ、サキ。」
「も~。感動で泣けてきちゃうじゃないかぁ。本田君!この貸しは大きいからね!これ以上君たちの話を聞いていたら、無罪にしちゃいそうだから。もう切るよ!」
パソコンの画面が切られた。司さんの仕事の分野を大きく侵害してしまったことを心から申し訳なく思う。でも、常盤さんの罪が大きく減刑されてよかったと思う。
みんなは、パソコンのある女子部屋からぞろぞろと退出し始めた。
「杉山さん。ありがとう。」
俺は杉山さんに改めてお礼を言った。
「どうしてですか?私が彼女の味方をしたことが意外でしたか?」
うっ。またまたどストライクな事を言って、、。
「いいんですよ。私が罪を犯した時も、本田さんに助けてもらうつもりなんですから。」
「えっ?杉山さんが?」
「もちろん冗談です。ロボットの私が冗談を言ったらおかしいですか?」
「はははははは。杉山さんにはかないません。本当にありがとう。」
「いいんですよ。あなたは本当に人たらしですね。」
杉山さんは、笑っていた。俺は以前に灰野が言っていた、「チヒロちゃんは強いから優しい」というセリフを思いだした。本当にその通りだと思う。彼女の優しさは強さからきているのだろう。
「私が口をはさむべきではないのはわかっていますが、あえて言わせていただきますが、今さら彼女と何を話すつもりなんですか?」
杉山さんにしては珍しく感情的になっているような気がする。まぁ、それも仕方ないか、、、。信頼していた仲間が不祥事を起こしたんだから。
「ええと、、、。常盤さんに俺が無事な姿を見せたり。彼女を不安なまま眠らせるのは気の毒だなぁって思ったから。みんな待ってるから安心してって言おうと思って。」
「その必要があるかははなはだ疑問です。彼女は自らの意志で悪事に手を染めたわけですから。」
「それはそうなんだけど。俺は彼女が悪人ではないと思うから。」
「本田さんは、本当に甘ちゃんですね。それに、、、。司さんの言う通り人たらしです。」
杉山さんの言わんとしていることはよく解らなかったが、彼女も常盤さんの事を心配してるんだと、俺は解釈した。
司さんから、連絡が来た。
「ちょっと待ってて。」
そう言って司さんがwebカメラを動かす。カメラに憔悴しきった常盤さんが映し出された。
「本田さん。無事だったんですね。良かった。本当にごめんなさい。」
常盤さんが小さな声で、そう言う。
「もうすっかり元気だから心配しないで。常盤さんが今回したことは、みんなの事を傷つけたと思う。でも、俺も類も君が返ってくるのを待ってるから。」
「赤目様が?」
「赤目。ほら。」
「サキ。俺は、お前が返ってくるのを待ってる。それに、俺はお前の主を辞めないぞ。お前は今も未来も俺の眷属だ。わかったか。」
「赤目様、、、。ごめんなさい。私、ひがんでたんです。赤目様はアヤメ様や一宇様が大好きで。私の事なんて気にしてないって思って、そんな私に白神が声を掛けてきました。わたし、彼の身の上、つまり白神の安芸様に対する通じなかった思いと、自分の事が重なって彼に同情してしまったんです。でも、それは独りよがりな考えでした。本当にごめんなさい。でも、安心しました。本田さんが無事で、赤目様の心の内も聞くことができたし。安心して10年間眠ることができます。ありがとうございます。」
「はーい。裁判長!」
「なんですか?本田君これで納得したんでしょ?」
「被告人は、改悛の情を示しています。減刑してくださ~い。」
「はぁ?君は弁護士なのかい?それに、それは人間の裁判の方法だろ。彼女は今回、ヴァンパイアポリスの職員で、赤目君の眷属という立場から、ここ、つまりヴァンパイア裁判所で裁かれることが決まったんですよ。」
「でも、彼女は人間です、それに、今ここにいるのは、この事件の当事者たちですが全員。彼女の減刑を願っています。」
「みなさん。本当にそうなんですか?杉山さんも?」
さすが司さん、痛いところをついてくるな。
「お願いします。」
杉山さんがはっきりした声でそう言った。
「サキ姉ちゃんの盗んだ、小十郎はゆずの槍です。ゆずもサキ姉ちゃんの減刑をお願いします。」
「どうでしょう、司さん。」
「も~。この人たらし弁護士め。わかりましたよ。そこに何人いますか?」
アヤメ、赤目、ゆず、杉山さん、俺。ここにいるのは5人だった。俺は司さんに掌を開いて見せた。
「はいはい、5人ね。じゃ5年減刑しますよ。」
そこに灰野と宗助所長が入って来た。
「待ってください。もう2人入ってきましたから、2人にも聞いてみます。」
そう杉山さんが言って二人に事情を説明をはじめる。
振り返った杉山さんが、俺に手でOKマークを出す。
「裁判長、あと2年減刑してくださ~い。」
「わかりましたよ7人で7年減刑ね。じゃ、3年でいいですか?」
「はい。サキ。俺たちこの日本を守って3年後お前が返ってくるのを待ってるからな。司さんサキをお願いします。」
赤目が画面に向かって頭を下げる。
「私にも話をさせて。」
アヤメが赤目をよけて画面の前に出る。
「あなたが帰ってきたら、ヴァンパイアポリスへの復帰を認めます。ヴァンパイアポリスの人事権は私が持ってますからね。あなたは失った信用をヴァンパイアポリスに戻って全力で取り戻さなければならない。それは辛いことかもしれないけど、サキならできると私は思うわ。それに、罪を犯した人がその罪を本気で後悔したなら、二度と同じ過ちを犯さないと私は思ってる。あなたが帰ってくるのを待ってるわ、サキ。」
「も~。感動で泣けてきちゃうじゃないかぁ。本田君!この貸しは大きいからね!これ以上君たちの話を聞いていたら、無罪にしちゃいそうだから。もう切るよ!」
パソコンの画面が切られた。司さんの仕事の分野を大きく侵害してしまったことを心から申し訳なく思う。でも、常盤さんの罪が大きく減刑されてよかったと思う。
みんなは、パソコンのある女子部屋からぞろぞろと退出し始めた。
「杉山さん。ありがとう。」
俺は杉山さんに改めてお礼を言った。
「どうしてですか?私が彼女の味方をしたことが意外でしたか?」
うっ。またまたどストライクな事を言って、、。
「いいんですよ。私が罪を犯した時も、本田さんに助けてもらうつもりなんですから。」
「えっ?杉山さんが?」
「もちろん冗談です。ロボットの私が冗談を言ったらおかしいですか?」
「はははははは。杉山さんにはかないません。本当にありがとう。」
「いいんですよ。あなたは本当に人たらしですね。」
杉山さんは、笑っていた。俺は以前に灰野が言っていた、「チヒロちゃんは強いから優しい」というセリフを思いだした。本当にその通りだと思う。彼女の優しさは強さからきているのだろう。
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