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まさかの出来事 ②
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俺はあの後すぐに気を失ってしまったらしい。布団の中で目を覚ますと、至近距離にゆずの顔が迫っていた。
「うわっ。ゆず。どうした!」
「どうしたではございません。お館様!お館様は丸一日。眠っておったのですよ。」
部屋の中を見ると、ゆずの他に類とアヤメもいた。俺が起きたのを知り二人が近づいてくる。
「ゆずが近くで見張ってて誰も近寄れなかったのよ。」
アヤメがそう言った。
「常盤さんは?あの後どうなった?大丈夫だったの?」
「一宇。サキの心配なんかしなくていいよ!」
真っ赤な目をした類が大声を出す。
「サキは裁判所に連れて行かれたわ。まぁ、その前にほとんど自分から洗いざらい話してくれたけどね。」
「アヤメは常盤さんが怪しいっていつから疑ってたんだ?」
「最初は、疑ってなかったわよ。ただ、ひまわりの花の首が切られていたことがあったでしょ。あの時、サキの服の袖に花の花粉がついてたの。あのひまわりを供えに行ったのは一宇だし。あのひまわりに常盤さんが触った可能性があるか里美さんに聞いてみたんだけど、買ってきてすぐに一宇に渡したからそれは無いって。それで、サキがひまわりの首を切り落としたんじゃないかって思ったのよ。
それで、それとなく彼女の言動を探っていたの。彼女の荷物の中から赤のスプレー缶が出て来て、疑いは確証に変わったけどね。」
「なら、なんで俺に話してくれなかったんだ?」
「あんたはすぐに顔に出るから。バカ正直なのよ。だから話さなかったの。この事は宗助兄さまにしか話してない。」
「バカ正直って、、、。」
「それに、あの本を隠したのもサキだったわ。あの本の事は自分たちで持ってるより敵の近くに隠した方がかえってバレないんじゃないかって、白神が言ったそうよ。」
「それじゃ。白神にこっちの情報が筒抜けだったのか?」
「それは大丈夫みたい。さすがのサキもそこまでは出来なかったって言ってるわ。私たちがあの本を見つけたこともその内容を知ってることも言ってないって。トキオも死んじゃったし。白神が次はどんな手に出てくるか、、、。サキは、もうコールドスリープになっているわ。10年よ。」
「そうか、わかった。じゃ急がなきゃ、」
そう言って布団から出る。
「急がなきゃって、一宇なにするつもりよ。あなた小十郎で切られたのよ!あれは妖魔刀、そのダメージのせいで一日眠ってたんじゃない。」
「それは、、、彼女の減刑の為に嘆願するんだよ。10年は長すぎる。それに、できれば彼女ともう一回話がしたい、」
「一宇はバカだよ。サキは俺たちみんなを裏切って、敵に手を貸して、その上一宇に怪我まで負わせて。10年でも短いくらいだ、」
「聞いてよ類。常盤さんの主として類が責任を感じる気持ちはわかる。まず、俺が怪我したのは、俺が勝手に刃物の前に手を出したからなんだ。常盤さんのせいじゃない。」
「でも、サキを助けるために怪我をしたんだろ。」
「俺が勝手に助けたっていってるだろ。」
「一宇は、サキが憎くないのかよ。」
「憎くはないかな。それに、彼女を嫌いにもなってない。」
「なんでだよ。俺たちを騙してたんだぞ。」
「そうだよな、類。お前が一番辛いよな。前にさ、俺のアパートにイワンさんってロシア人が住んでたんだけど、その人すごいウソつきで嘘ついたり、お金や物を貸したら絶対返さないし。俺、イワンさんが大っ嫌いでさ、ハビブさんって隣のチュニジア人に文句言ったんだよな。そしたら、それは、一宇が日本人だからだねって言われてさ。日本人は信用するって事と好きがイコールだからねって。ハビブさんはイワンさんが好きだって言った、でも信用はしてないってさ。好きと信用はイコールじゃなくっても成立するんだよって。その話を聞いてなんか俺、妙に納得したんだよな。今の時点で、常盤さんを信用できない類の気持ちはわかるよ。でも、信用できなくっても好きでいいんじゃないか?俺はそう思う。俺、今でも常盤さんの事が好きだよ。類、お前もだろ?好きだからそんなに傷ついてるんじゃないのか?」
「一宇。お前、変わってるよ。日本人は信用できる人が好きなんだよ。でも、でも。俺もサキの事は嫌いになれないんだよ~。」
類が泣き出す。
「じゃ、大好きな常盤さんの為にいっちょ頑張りますか。」
そう言って布団から起き出した。小十郎出来られた手の傷はほとんど塞がっていた。
「常盤さんの為に動くってどうするのよ。彼女は罪が確定して、もうコールドスリープ中なのよ。」
「それなんだけど、アヤメ。司さんにパソコンで連絡取れるよな?」
「それは大丈夫だけど。どうするの?」
「うーん。へたな小細工使わないで、単刀直入に頼んでみるよ。」
俺たちが、女子部屋に行くと常盤さんの代わりに杉山さんが来ていた。灰野も来ていると思うが姿は見えない。
「本田さん。大丈夫なんですか?」
杉山さんが俺に声を掛ける。
「すっかり大丈夫です。お騒がせしてすみませんでした。」
「あなたのせいではありませんから気にしないでください。」
と杉山さんらしい答えが返ってくる。
俺たちは早速、司さんにコンタクトをとる。
「おおおおお。本田君。目覚めたんだね。君のこと本当に心配していたんだよ。君の頭の中を見せてくれるって約束を果たす前に君が死んじゃうんじゃないかってね。」
そう言いながら司さんはウインクした。
「それですか、、、。大丈夫。約束は守りますよ。それより、今日はお願いがあって。」
「お願い?本田君が?僕にかい。なんだか怖いなぁ。言ってみて。」
「常盤さんと話をさせてほしいんです。」
「ええええ。なんて?そんなこと、いくら君の頼みでもできないよぉ。」
「お願いします。司さん。」
「お兄様。私からもお願いするわ。」
「ずるいなぁ。一宇君。なんて言ってアヤメを抱きこんだんだい?あやめは、常盤さんにものすごく怒ってたんだよ。一宇にもしもの事があったら絶対に許さない~なんて言ってたのに。」
「お兄様!余計な事は言わなくていいわよ!」
アヤメが赤くなって怒る。
「頼みます。司さん。」
「本田君。君みたいな人の事なんて言うか知ってるかい?「人たらし」って言うんだよ。困ったなぁ。そこに、赤目君はいるかい?彼はなんて言ってる?」
「僕も。サキときちんと話がしたいです。」
「なんだよ~。君は赤目君までたらしこんでたのかい。この人たらしめ!」
「わかったよ。今回だけ、、、。特例中の特例だよ。ちょっと待ってて。今から彼女を起こすから。時間がかかるかもしれないから準備ができたら。こっちから呼び出すよ。それまで待ってて。
パソコンが切れる。
俺たちは司さんからの連絡を待った。
「うわっ。ゆず。どうした!」
「どうしたではございません。お館様!お館様は丸一日。眠っておったのですよ。」
部屋の中を見ると、ゆずの他に類とアヤメもいた。俺が起きたのを知り二人が近づいてくる。
「ゆずが近くで見張ってて誰も近寄れなかったのよ。」
アヤメがそう言った。
「常盤さんは?あの後どうなった?大丈夫だったの?」
「一宇。サキの心配なんかしなくていいよ!」
真っ赤な目をした類が大声を出す。
「サキは裁判所に連れて行かれたわ。まぁ、その前にほとんど自分から洗いざらい話してくれたけどね。」
「アヤメは常盤さんが怪しいっていつから疑ってたんだ?」
「最初は、疑ってなかったわよ。ただ、ひまわりの花の首が切られていたことがあったでしょ。あの時、サキの服の袖に花の花粉がついてたの。あのひまわりを供えに行ったのは一宇だし。あのひまわりに常盤さんが触った可能性があるか里美さんに聞いてみたんだけど、買ってきてすぐに一宇に渡したからそれは無いって。それで、サキがひまわりの首を切り落としたんじゃないかって思ったのよ。
それで、それとなく彼女の言動を探っていたの。彼女の荷物の中から赤のスプレー缶が出て来て、疑いは確証に変わったけどね。」
「なら、なんで俺に話してくれなかったんだ?」
「あんたはすぐに顔に出るから。バカ正直なのよ。だから話さなかったの。この事は宗助兄さまにしか話してない。」
「バカ正直って、、、。」
「それに、あの本を隠したのもサキだったわ。あの本の事は自分たちで持ってるより敵の近くに隠した方がかえってバレないんじゃないかって、白神が言ったそうよ。」
「それじゃ。白神にこっちの情報が筒抜けだったのか?」
「それは大丈夫みたい。さすがのサキもそこまでは出来なかったって言ってるわ。私たちがあの本を見つけたこともその内容を知ってることも言ってないって。トキオも死んじゃったし。白神が次はどんな手に出てくるか、、、。サキは、もうコールドスリープになっているわ。10年よ。」
「そうか、わかった。じゃ急がなきゃ、」
そう言って布団から出る。
「急がなきゃって、一宇なにするつもりよ。あなた小十郎で切られたのよ!あれは妖魔刀、そのダメージのせいで一日眠ってたんじゃない。」
「それは、、、彼女の減刑の為に嘆願するんだよ。10年は長すぎる。それに、できれば彼女ともう一回話がしたい、」
「一宇はバカだよ。サキは俺たちみんなを裏切って、敵に手を貸して、その上一宇に怪我まで負わせて。10年でも短いくらいだ、」
「聞いてよ類。常盤さんの主として類が責任を感じる気持ちはわかる。まず、俺が怪我したのは、俺が勝手に刃物の前に手を出したからなんだ。常盤さんのせいじゃない。」
「でも、サキを助けるために怪我をしたんだろ。」
「俺が勝手に助けたっていってるだろ。」
「一宇は、サキが憎くないのかよ。」
「憎くはないかな。それに、彼女を嫌いにもなってない。」
「なんでだよ。俺たちを騙してたんだぞ。」
「そうだよな、類。お前が一番辛いよな。前にさ、俺のアパートにイワンさんってロシア人が住んでたんだけど、その人すごいウソつきで嘘ついたり、お金や物を貸したら絶対返さないし。俺、イワンさんが大っ嫌いでさ、ハビブさんって隣のチュニジア人に文句言ったんだよな。そしたら、それは、一宇が日本人だからだねって言われてさ。日本人は信用するって事と好きがイコールだからねって。ハビブさんはイワンさんが好きだって言った、でも信用はしてないってさ。好きと信用はイコールじゃなくっても成立するんだよって。その話を聞いてなんか俺、妙に納得したんだよな。今の時点で、常盤さんを信用できない類の気持ちはわかるよ。でも、信用できなくっても好きでいいんじゃないか?俺はそう思う。俺、今でも常盤さんの事が好きだよ。類、お前もだろ?好きだからそんなに傷ついてるんじゃないのか?」
「一宇。お前、変わってるよ。日本人は信用できる人が好きなんだよ。でも、でも。俺もサキの事は嫌いになれないんだよ~。」
類が泣き出す。
「じゃ、大好きな常盤さんの為にいっちょ頑張りますか。」
そう言って布団から起き出した。小十郎出来られた手の傷はほとんど塞がっていた。
「常盤さんの為に動くってどうするのよ。彼女は罪が確定して、もうコールドスリープ中なのよ。」
「それなんだけど、アヤメ。司さんにパソコンで連絡取れるよな?」
「それは大丈夫だけど。どうするの?」
「うーん。へたな小細工使わないで、単刀直入に頼んでみるよ。」
俺たちが、女子部屋に行くと常盤さんの代わりに杉山さんが来ていた。灰野も来ていると思うが姿は見えない。
「本田さん。大丈夫なんですか?」
杉山さんが俺に声を掛ける。
「すっかり大丈夫です。お騒がせしてすみませんでした。」
「あなたのせいではありませんから気にしないでください。」
と杉山さんらしい答えが返ってくる。
俺たちは早速、司さんにコンタクトをとる。
「おおおおお。本田君。目覚めたんだね。君のこと本当に心配していたんだよ。君の頭の中を見せてくれるって約束を果たす前に君が死んじゃうんじゃないかってね。」
そう言いながら司さんはウインクした。
「それですか、、、。大丈夫。約束は守りますよ。それより、今日はお願いがあって。」
「お願い?本田君が?僕にかい。なんだか怖いなぁ。言ってみて。」
「常盤さんと話をさせてほしいんです。」
「ええええ。なんて?そんなこと、いくら君の頼みでもできないよぉ。」
「お願いします。司さん。」
「お兄様。私からもお願いするわ。」
「ずるいなぁ。一宇君。なんて言ってアヤメを抱きこんだんだい?あやめは、常盤さんにものすごく怒ってたんだよ。一宇にもしもの事があったら絶対に許さない~なんて言ってたのに。」
「お兄様!余計な事は言わなくていいわよ!」
アヤメが赤くなって怒る。
「頼みます。司さん。」
「本田君。君みたいな人の事なんて言うか知ってるかい?「人たらし」って言うんだよ。困ったなぁ。そこに、赤目君はいるかい?彼はなんて言ってる?」
「僕も。サキときちんと話がしたいです。」
「なんだよ~。君は赤目君までたらしこんでたのかい。この人たらしめ!」
「わかったよ。今回だけ、、、。特例中の特例だよ。ちょっと待ってて。今から彼女を起こすから。時間がかかるかもしれないから準備ができたら。こっちから呼び出すよ。それまで待ってて。
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