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まさかの出来事 ①
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あれから1週間が経った。
仙台市内の厳戒態勢も一部を除き解除になったらしい。白神とトキオの行方は杳として知れなかったが、人々は平和な世の中を謳歌し始めていた。
ただし、東門地区は依然として厳戒態勢がとられている。俺たちも相変わらずここに缶詰め状態で、白神の次の動きを待っている。
ゆずは苦手だった杉山さんから貰った本が気に入ったらしい。俺がそのことを電話で彼女に伝えると、彼女はたくさんの児童書を送ってくれた。ゆずは、それらの本を読んで暇をつぶしている。
季節は秋本番を迎えていた。
「お館様。今年は芋煮会できますか?」
本を読んでいたゆずが突然そんなことを聞いてきた。
「あああ。そんな時期だよな~。でも、ゆず。お前は鍋物食べられないだろ?」
「お館様。それは違いますよ!芋煮鍋の醍醐味は野菜や肉のうまみが溶け込んだ汁の方にあるんですよ!ゆずもあの汁だけなら飲めるんです!ゆずの小学校では秋に芋煮会をやるんですから!」
ゆずはムキになってそう言った。
「そんなもんなのか。」
「そんなもんです。」
色々あり過ぎて、俺の頭に芋煮会の事はなかった。毎年、アパートの人たちと河原で芋煮会をやって楽しかったことを思い出す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※芋煮会:青森を除く東北地方で行われる季節行事。秋に河川敷に友人や家族などのグループで集まり、サトイモや肉の入った鍋を作って食べる行事。学校のレクリエーションでも行われることがある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここの生活に退屈していた俺は、芋煮会をしてみるのもいいかもしれないと考えた。
ただし、ここから離れるわけにはいかないだろうから、寺の境内でやるしかない。
ここでの軟禁生活にみんな疲れてきている。特に常盤さんは、最近元気がない。自分からここに残ることを志願した手前、市内に帰りたいと言い出せないのかもしれない。
翌日、俺は朝から里美さんと結女さんにこの計画を相談してみる。
二人も大喜びで準備を手伝ってくれることになった。「芋煮会なんて何年振りかしら。」里美さんはそう言って野菜や肉を買い出しに行ってくれたし、結女さんは白神家にあった大きな鍋を持ってきてくれた。常盤さんも久々に笑顔で結女さんと肉や野菜を切っている。
俺も、まきを割り、大きな石を集めて来て鍋を置くかまどを作った。
俺は、この会が終わったら、常盤さんに一度他のメンバーと交代して市内に帰るよう話すつもりだった。稲葉以外のメンバーは快く変わってくれるはずだ。
日が暮れ、ヴァンパイアのメンバーが起き出してくる頃には、すっかり準備が整った。
一番最初に起きて来たのは、類だった。
「なになに?これから何が始まるの?」
類は子どものようにはしゃいでいる。
宗助さんとゆずも外に出てくる。俺はアヤメが出て来たのみて、かまどの薪に火をつける。ほぼ全員の顔が、鍋の周りに集まった。
アヤメと類は、芋煮会自体が初めてらしく興味津々のようすで鍋を見つめている。
ゆずは芋煮会経験者らしく鍋奉行を務めている。
常盤さんの姿が見えない。俺は気になって彼女の姿を探す。この会は最近元気がない彼女を元気づけるのも理由の一つだったからだ。
「一宇さん。倉庫から飲み物を持ってきてくださるかしら?」
里美さんにそう言われて、俺はついでに常盤さんを探してみようと思った。
寺に入ると、女子部屋に明かりがついている。常盤さんだ。そう思った俺は女子部屋に向かう。常盤さんは誰かと電話をしている、部屋から彼女の彼女の押し殺したような静かな話し声が漏れ聞こえてくる。
「、、はい。手に入れました。今な、、誰にも気づ、、ない、います。裏口、、、。わかりました。すぐに行きます。」
彼女、誰と話しているんだ?俺は不意に不安に襲われる。
電話が終わったようで、常盤さんが部屋から出てくる。声を掛けようと思った俺は、声が出なかった。状況をすぐに飲み込めない。
なんで、、なんで、、。
彼女の手に握られているのは、ゆずの小十郎だった。
「常盤さん、それ、どうするの?」
俺は声を絞り出す、掠れた声がやっと喉から出て来た。
「本田さん、、。」
常盤さんは顔面蒼白だ。
「ごめんなさい。わたし、、。」
そう言って彼女が走り出す。追いかけようとした俺の足がもつれて転ぶ。こんな時に何やってんだ俺。
立ち上がって彼女を追いかける。彼女は食堂の先にある勝手口から外に出るところだった。
「待って!常盤さん!」
俺はありったけの声で叫んだ、一瞬彼女が立ち止まってこちらを振り向く。今なら、今ならまだ間に合う。なにもなかったことにできる。俺は彼女がそこに留まってくれるのを願った。俺が追い付くまで、頼むから、、。
振り返った常盤さんは出口のドアを開けて出て行く。
俺は必死になって彼女の後を追った。裏口から出ると、そこに居たのは、常盤さんと小十郎を持ったトキオだった。
「おやおや、一足遅かったね。守人様。小十郎は本当の持ち主の剣護様に返してもらうよ。」
「ごめんなさい。本田さん。」
「常盤さんが、間者だってバレちゃったか、、。残念。彼女使い勝手が良かったのにさ。」
「トキオ、お前。」
「そんな生意気なこと言っていいの?政宗守を持ってない、君なんて俺でも殺れるんだよ。ふふふ。でも、そんな事したら白神さんに怒られちゃうかなぁ。」
そうか、こいつは白神の計画に俺が必要な事を知らないんだった。
「でも、彼女はもう使えないから殺してもいいよね。」
そう言ってトキオが槍を常盤さんに向かって打ち出した。
間に合った。
すんでのところで俺は槍の刃先を握り、常盤さんの槍が刺さるのを防ぐことができた。
手の平から血が流れ出す。アドレナリンのせいか痛みは感じない。
俺はトキオの手から小十郎を奪い取り、小十郎を構え直す。まずい目がかすんで来た。この短刀は祖母の安芸の命を奪った刀だ。俺もやられるのか、、。
俺の手から、常盤さんが槍を奪う。そして、彼女はトキオの胸元にそれを突き刺した。
トキオが倒れるのを、俺は成す術なくただ眺めていた。
そして、次の瞬間、常盤さんは小十郎の刃を自分に向ける。ダメだ、、常盤さん。やめろ。
キンッ。常盤さんの手から小十郎が弾き飛ばされる。
「常盤ちゃん。死んでどうするんですか?」
「そうよ!あんたが死んだら類が悲しむじゃないの!自分勝手に死ぬなんか許さないんだから。」
アヤメと宗助所長がそこに立っていた。
俺は彼らがなぜここにいるのか驚きながら、常盤さんの命がつながったことに安堵していた。
宗助所長が俺を抱きかかえる。
「あら~。一宇くん。派手にやられちゃいましたね~。これじゃ、とても間に合ったとはいえないですね。」
「いや、十分間に合いましたよ。所長。」
「サキ。悪かったわ。初めからあなたに直接聞けば良かった。「あなた白神のスパイなんでしょ」ってね。」
「アヤメ様、、。知ってたんですか?」
「アヤメ、知ってたのか?」
どういうことなのか理解できずに俺はただただ混乱していた。
仙台市内の厳戒態勢も一部を除き解除になったらしい。白神とトキオの行方は杳として知れなかったが、人々は平和な世の中を謳歌し始めていた。
ただし、東門地区は依然として厳戒態勢がとられている。俺たちも相変わらずここに缶詰め状態で、白神の次の動きを待っている。
ゆずは苦手だった杉山さんから貰った本が気に入ったらしい。俺がそのことを電話で彼女に伝えると、彼女はたくさんの児童書を送ってくれた。ゆずは、それらの本を読んで暇をつぶしている。
季節は秋本番を迎えていた。
「お館様。今年は芋煮会できますか?」
本を読んでいたゆずが突然そんなことを聞いてきた。
「あああ。そんな時期だよな~。でも、ゆず。お前は鍋物食べられないだろ?」
「お館様。それは違いますよ!芋煮鍋の醍醐味は野菜や肉のうまみが溶け込んだ汁の方にあるんですよ!ゆずもあの汁だけなら飲めるんです!ゆずの小学校では秋に芋煮会をやるんですから!」
ゆずはムキになってそう言った。
「そんなもんなのか。」
「そんなもんです。」
色々あり過ぎて、俺の頭に芋煮会の事はなかった。毎年、アパートの人たちと河原で芋煮会をやって楽しかったことを思い出す。
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※芋煮会:青森を除く東北地方で行われる季節行事。秋に河川敷に友人や家族などのグループで集まり、サトイモや肉の入った鍋を作って食べる行事。学校のレクリエーションでも行われることがある。
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ここの生活に退屈していた俺は、芋煮会をしてみるのもいいかもしれないと考えた。
ただし、ここから離れるわけにはいかないだろうから、寺の境内でやるしかない。
ここでの軟禁生活にみんな疲れてきている。特に常盤さんは、最近元気がない。自分からここに残ることを志願した手前、市内に帰りたいと言い出せないのかもしれない。
翌日、俺は朝から里美さんと結女さんにこの計画を相談してみる。
二人も大喜びで準備を手伝ってくれることになった。「芋煮会なんて何年振りかしら。」里美さんはそう言って野菜や肉を買い出しに行ってくれたし、結女さんは白神家にあった大きな鍋を持ってきてくれた。常盤さんも久々に笑顔で結女さんと肉や野菜を切っている。
俺も、まきを割り、大きな石を集めて来て鍋を置くかまどを作った。
俺は、この会が終わったら、常盤さんに一度他のメンバーと交代して市内に帰るよう話すつもりだった。稲葉以外のメンバーは快く変わってくれるはずだ。
日が暮れ、ヴァンパイアのメンバーが起き出してくる頃には、すっかり準備が整った。
一番最初に起きて来たのは、類だった。
「なになに?これから何が始まるの?」
類は子どものようにはしゃいでいる。
宗助さんとゆずも外に出てくる。俺はアヤメが出て来たのみて、かまどの薪に火をつける。ほぼ全員の顔が、鍋の周りに集まった。
アヤメと類は、芋煮会自体が初めてらしく興味津々のようすで鍋を見つめている。
ゆずは芋煮会経験者らしく鍋奉行を務めている。
常盤さんの姿が見えない。俺は気になって彼女の姿を探す。この会は最近元気がない彼女を元気づけるのも理由の一つだったからだ。
「一宇さん。倉庫から飲み物を持ってきてくださるかしら?」
里美さんにそう言われて、俺はついでに常盤さんを探してみようと思った。
寺に入ると、女子部屋に明かりがついている。常盤さんだ。そう思った俺は女子部屋に向かう。常盤さんは誰かと電話をしている、部屋から彼女の彼女の押し殺したような静かな話し声が漏れ聞こえてくる。
「、、はい。手に入れました。今な、、誰にも気づ、、ない、います。裏口、、、。わかりました。すぐに行きます。」
彼女、誰と話しているんだ?俺は不意に不安に襲われる。
電話が終わったようで、常盤さんが部屋から出てくる。声を掛けようと思った俺は、声が出なかった。状況をすぐに飲み込めない。
なんで、、なんで、、。
彼女の手に握られているのは、ゆずの小十郎だった。
「常盤さん、それ、どうするの?」
俺は声を絞り出す、掠れた声がやっと喉から出て来た。
「本田さん、、。」
常盤さんは顔面蒼白だ。
「ごめんなさい。わたし、、。」
そう言って彼女が走り出す。追いかけようとした俺の足がもつれて転ぶ。こんな時に何やってんだ俺。
立ち上がって彼女を追いかける。彼女は食堂の先にある勝手口から外に出るところだった。
「待って!常盤さん!」
俺はありったけの声で叫んだ、一瞬彼女が立ち止まってこちらを振り向く。今なら、今ならまだ間に合う。なにもなかったことにできる。俺は彼女がそこに留まってくれるのを願った。俺が追い付くまで、頼むから、、。
振り返った常盤さんは出口のドアを開けて出て行く。
俺は必死になって彼女の後を追った。裏口から出ると、そこに居たのは、常盤さんと小十郎を持ったトキオだった。
「おやおや、一足遅かったね。守人様。小十郎は本当の持ち主の剣護様に返してもらうよ。」
「ごめんなさい。本田さん。」
「常盤さんが、間者だってバレちゃったか、、。残念。彼女使い勝手が良かったのにさ。」
「トキオ、お前。」
「そんな生意気なこと言っていいの?政宗守を持ってない、君なんて俺でも殺れるんだよ。ふふふ。でも、そんな事したら白神さんに怒られちゃうかなぁ。」
そうか、こいつは白神の計画に俺が必要な事を知らないんだった。
「でも、彼女はもう使えないから殺してもいいよね。」
そう言ってトキオが槍を常盤さんに向かって打ち出した。
間に合った。
すんでのところで俺は槍の刃先を握り、常盤さんの槍が刺さるのを防ぐことができた。
手の平から血が流れ出す。アドレナリンのせいか痛みは感じない。
俺はトキオの手から小十郎を奪い取り、小十郎を構え直す。まずい目がかすんで来た。この短刀は祖母の安芸の命を奪った刀だ。俺もやられるのか、、。
俺の手から、常盤さんが槍を奪う。そして、彼女はトキオの胸元にそれを突き刺した。
トキオが倒れるのを、俺は成す術なくただ眺めていた。
そして、次の瞬間、常盤さんは小十郎の刃を自分に向ける。ダメだ、、常盤さん。やめろ。
キンッ。常盤さんの手から小十郎が弾き飛ばされる。
「常盤ちゃん。死んでどうするんですか?」
「そうよ!あんたが死んだら類が悲しむじゃないの!自分勝手に死ぬなんか許さないんだから。」
アヤメと宗助所長がそこに立っていた。
俺は彼らがなぜここにいるのか驚きながら、常盤さんの命がつながったことに安堵していた。
宗助所長が俺を抱きかかえる。
「あら~。一宇くん。派手にやられちゃいましたね~。これじゃ、とても間に合ったとはいえないですね。」
「いや、十分間に合いましたよ。所長。」
「サキ。悪かったわ。初めからあなたに直接聞けば良かった。「あなた白神のスパイなんでしょ」ってね。」
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◇ ◇ ◇ ◇
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