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敵の次の一手 ⑥
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俺たちは、本堂で全員が顔をそろえた。
本の内容を、安芸の言葉を聞いていたアヤメが説明する。
「宗助ちゃんの頭じゃこの本を読むのに時間がかかるだろうって安芸さん言ってたわ。」
アヤメが無神経な事を言う。
「はははは、ひどいなぁ。本当に安芸姉ちゃんがそう言ったの?」
「そう言ったわけじゃないけど、まぁ。そんな事よ。」
「俺も、安芸姉ちゃんに会いたかったな。」
「安芸さんが、宗助ちゃんと平助ちゃんにヨロシクって言ってたわ。」
「そうすると、本田さんが安全ならこの洞窟は大丈夫ってことですよね。本田さんをどこか安全な場所に匿えば良いってことですよね。」
杉山さんが話を本題に戻す。
「安全な場所って、裁判所を襲撃する奴らだからな。安全な場所っていったいどこなんだろう。」
山田さんがそう言った。
「アタシは、本田君はここにいるのがいいと思いますがね。現在のところ市内で一番警備が厳重な場所はここですからね。それに、一般人が退去しているので、万が一のことがあっても彼らに危害が及びませんからね。」
「ここに籠城するってことですか?」
「まぁ、とりあえずそうなるでしょうね。でも、この厳戒態勢をいつまでも続けるわけにはいかないでしょう。本田君、ゆずちゃん、アヤメをここに残して、ヴァンパイアポリスのメンバーはいったん市内に戻って白神とトキオの追跡を行いましょう。」
「でも、そしたらここの警備が手薄になるんじゃ、、、。」
高木さんが懸念を口にする。
「そうですね。もう1チーム残しますか。どのチームにしましょう、、、。」
宗助さんがそう言うと。
「私たちが残ります、」
そう言って、いつもは控えめな常盤さんが手をあげる。
「おいおい、サキ、、突然そんな、、。」
これにはそこに居た誰もが驚いた。一番驚いていたのは類だった。
「赤目さん。それで良いですか?」
「良いも何もなにも、、。僕が一宇を守る!」
これで、東門地区には、俺とアヤメ。類と常盤さん。それにゆずが残りあとはヴァンパイアポリスに帰還することになった。
自衛隊に関しては、このままここにいてもらう。帰還するチームは、また1週間後ここに集まって捜査状況を話し合うことが決まり。
帰還するチームは今夜のうちにここを立つことが決まった。
男部屋が一気に寂しくなった。
「やっとこの田舎からおさらばできるぜ~。良かったよ、ノエルが常盤さんみたいにここに残るって言い出さなくってさ。赤目は気の毒したな。」
稲葉がここを去る前にそんなことを言った。稲葉はここの生活がよほど苦痛だったのだろう。
「いいんだよ~。僕は、一宇がいるならここに残るつもりだったからさっ。まぁ、先があんな風に自己主張したのには驚いたけど、、、。」
類も常盤さんがああいい出したのには類も驚いているらしいが、類がここに残ることを嫌がっていないことに俺は安堵していた。
これで、男部屋の住人は、俺と類と宗助所長の3人になった、
宗助所長の提案で、俺たちはもう少し狭い部屋に移動することになった。
今度の部屋はおよそ8畳ほどの広さで3人が寝泊まりするには十分な広さだと言える。
俺が窓の脇に布団を敷くと、その脇にすかさず類が布団を敷く。
「この前は、宗助さんに一宇の脇とられちゃったからさ。」
そう言って笑う。
部屋を出て歯磨きに向かう途中、里美さんが「お部屋のお引越しは済みましたか?」
と声を掛けて来た。俺は祖母ちゃんから里美さんに伝言があったのを思い出す。
「里美さん。俺、今日、東門で祖母ちゃんと会いました。」
「まぁ。安芸様と。」
里美さんの顔がほころぶ。
「里美さんに伝言があります。こっちで幸せに長生きするようにって。祖母ちゃんはあっちで待っているからって。」
「まぁまぁ、安芸様がそんなことを、、、。」
里美さんは本当にうれしそうだった。
「そんなこと言われたら、がんばって長生きしなくちゃねぇ。一宇さんの子どもをこの手に抱いて、あちらに行くときのお土産話にしなくちゃ。」
「そ、そんな、お、俺は、彼女もいないんですよ。 」
「あら。隠してもダメよ。アヤメさんは彼女なんでしょ?」
「違いますよ~。アヤメは俺の主なんですから。里美さんも祖母ちゃんの眷属だったからわかるでしょ。」
「眷属と主が付き合っちゃ駄目って法律はないのよ。まだ彼女じゃないんなら、頑張んなさい。あの子は一宇さんとお似合いだわ。」
里美さんは、そう言って俺の背中を叩く。
実際に祖母が居たら彼女のように孫の彼女を気にするんだろうか???
女子部屋もアヤメと常盤さん、それにゆずのが3人になった。一番賑やかなノエルが帰ったからあちらも寂しくなっただろう。杉山さんは、、、もともと静かだからな。あまり痛手はないか、、。
俺はこの先、どうしたらいいんだろう。俺が無事なら洞窟は無事って、、。理屈はわかる。でも、俺に万が一のことがあったら日本が終わりってことか、、、。
責任重大だ。里美さんに言われたからじゃないが、せっかく生まれていたのに彼女もいないまま死ぬなんて、、、悲しすぎる、、、。
何とかこの難局を乗り切って幸せをつかむんだ!
「そんなところでこぶしを握り締めて何やってんのよ。」
アヤメが突然、後ろから現れる。
「なんだよビックリしたなぁ。」
「そっちはどお?男部屋はすっかり寂しくなったよ。」
「うーん。こっちはゆずもいるし、あんまり変わらないかなぁ。」
「あの、、、。あやめ。ごめんな、さっき祖母ちゃんが変なこと言っちゃって。」
「変な事って何よ。」
「あ、あ、あの。俺の彼女が見たいから、お前を呼び出したって、、、。」
「あ~。別に気にしてないわ。祖母として、孫が眷属をやってたら主が気になって当然でしょ。」
アヤメの方が理性的だった。俺が考え過ぎなのか、、、。
それもこれもプロフェットの木村さんが言った「爺さんとの最後の約束」のせいだ。おまけに祖母ちゃんからもじいさんからの伝言として「約束悪れるなよ!」と言われたことが追い打ちをかけていた。
あ~。考えすぎ、考えすぎ!まずは、自分の身の安全を考えよう。他の事はこの難局を乗り切ってから考えよう。
本の内容を、安芸の言葉を聞いていたアヤメが説明する。
「宗助ちゃんの頭じゃこの本を読むのに時間がかかるだろうって安芸さん言ってたわ。」
アヤメが無神経な事を言う。
「はははは、ひどいなぁ。本当に安芸姉ちゃんがそう言ったの?」
「そう言ったわけじゃないけど、まぁ。そんな事よ。」
「俺も、安芸姉ちゃんに会いたかったな。」
「安芸さんが、宗助ちゃんと平助ちゃんにヨロシクって言ってたわ。」
「そうすると、本田さんが安全ならこの洞窟は大丈夫ってことですよね。本田さんをどこか安全な場所に匿えば良いってことですよね。」
杉山さんが話を本題に戻す。
「安全な場所って、裁判所を襲撃する奴らだからな。安全な場所っていったいどこなんだろう。」
山田さんがそう言った。
「アタシは、本田君はここにいるのがいいと思いますがね。現在のところ市内で一番警備が厳重な場所はここですからね。それに、一般人が退去しているので、万が一のことがあっても彼らに危害が及びませんからね。」
「ここに籠城するってことですか?」
「まぁ、とりあえずそうなるでしょうね。でも、この厳戒態勢をいつまでも続けるわけにはいかないでしょう。本田君、ゆずちゃん、アヤメをここに残して、ヴァンパイアポリスのメンバーはいったん市内に戻って白神とトキオの追跡を行いましょう。」
「でも、そしたらここの警備が手薄になるんじゃ、、、。」
高木さんが懸念を口にする。
「そうですね。もう1チーム残しますか。どのチームにしましょう、、、。」
宗助さんがそう言うと。
「私たちが残ります、」
そう言って、いつもは控えめな常盤さんが手をあげる。
「おいおい、サキ、、突然そんな、、。」
これにはそこに居た誰もが驚いた。一番驚いていたのは類だった。
「赤目さん。それで良いですか?」
「良いも何もなにも、、。僕が一宇を守る!」
これで、東門地区には、俺とアヤメ。類と常盤さん。それにゆずが残りあとはヴァンパイアポリスに帰還することになった。
自衛隊に関しては、このままここにいてもらう。帰還するチームは、また1週間後ここに集まって捜査状況を話し合うことが決まり。
帰還するチームは今夜のうちにここを立つことが決まった。
男部屋が一気に寂しくなった。
「やっとこの田舎からおさらばできるぜ~。良かったよ、ノエルが常盤さんみたいにここに残るって言い出さなくってさ。赤目は気の毒したな。」
稲葉がここを去る前にそんなことを言った。稲葉はここの生活がよほど苦痛だったのだろう。
「いいんだよ~。僕は、一宇がいるならここに残るつもりだったからさっ。まぁ、先があんな風に自己主張したのには驚いたけど、、、。」
類も常盤さんがああいい出したのには類も驚いているらしいが、類がここに残ることを嫌がっていないことに俺は安堵していた。
これで、男部屋の住人は、俺と類と宗助所長の3人になった、
宗助所長の提案で、俺たちはもう少し狭い部屋に移動することになった。
今度の部屋はおよそ8畳ほどの広さで3人が寝泊まりするには十分な広さだと言える。
俺が窓の脇に布団を敷くと、その脇にすかさず類が布団を敷く。
「この前は、宗助さんに一宇の脇とられちゃったからさ。」
そう言って笑う。
部屋を出て歯磨きに向かう途中、里美さんが「お部屋のお引越しは済みましたか?」
と声を掛けて来た。俺は祖母ちゃんから里美さんに伝言があったのを思い出す。
「里美さん。俺、今日、東門で祖母ちゃんと会いました。」
「まぁ。安芸様と。」
里美さんの顔がほころぶ。
「里美さんに伝言があります。こっちで幸せに長生きするようにって。祖母ちゃんはあっちで待っているからって。」
「まぁまぁ、安芸様がそんなことを、、、。」
里美さんは本当にうれしそうだった。
「そんなこと言われたら、がんばって長生きしなくちゃねぇ。一宇さんの子どもをこの手に抱いて、あちらに行くときのお土産話にしなくちゃ。」
「そ、そんな、お、俺は、彼女もいないんですよ。 」
「あら。隠してもダメよ。アヤメさんは彼女なんでしょ?」
「違いますよ~。アヤメは俺の主なんですから。里美さんも祖母ちゃんの眷属だったからわかるでしょ。」
「眷属と主が付き合っちゃ駄目って法律はないのよ。まだ彼女じゃないんなら、頑張んなさい。あの子は一宇さんとお似合いだわ。」
里美さんは、そう言って俺の背中を叩く。
実際に祖母が居たら彼女のように孫の彼女を気にするんだろうか???
女子部屋もアヤメと常盤さん、それにゆずのが3人になった。一番賑やかなノエルが帰ったからあちらも寂しくなっただろう。杉山さんは、、、もともと静かだからな。あまり痛手はないか、、。
俺はこの先、どうしたらいいんだろう。俺が無事なら洞窟は無事って、、。理屈はわかる。でも、俺に万が一のことがあったら日本が終わりってことか、、、。
責任重大だ。里美さんに言われたからじゃないが、せっかく生まれていたのに彼女もいないまま死ぬなんて、、、悲しすぎる、、、。
何とかこの難局を乗り切って幸せをつかむんだ!
「そんなところでこぶしを握り締めて何やってんのよ。」
アヤメが突然、後ろから現れる。
「なんだよビックリしたなぁ。」
「そっちはどお?男部屋はすっかり寂しくなったよ。」
「うーん。こっちはゆずもいるし、あんまり変わらないかなぁ。」
「あの、、、。あやめ。ごめんな、さっき祖母ちゃんが変なこと言っちゃって。」
「変な事って何よ。」
「あ、あ、あの。俺の彼女が見たいから、お前を呼び出したって、、、。」
「あ~。別に気にしてないわ。祖母として、孫が眷属をやってたら主が気になって当然でしょ。」
アヤメの方が理性的だった。俺が考え過ぎなのか、、、。
それもこれもプロフェットの木村さんが言った「爺さんとの最後の約束」のせいだ。おまけに祖母ちゃんからもじいさんからの伝言として「約束悪れるなよ!」と言われたことが追い打ちをかけていた。
あ~。考えすぎ、考えすぎ!まずは、自分の身の安全を考えよう。他の事はこの難局を乗り切ってから考えよう。
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