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それから2
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さて、ディランに貰ったキャンディは甘さの中にほのかに苦味のような、なんともくせになる風味がありあっという間に食べ終えてしまった。空になった小瓶を指先で転がす。今度会った時に返さないと思えども空のまま返すのも憚れた。けれども特に入れるものも思い浮かばない。
「ん~……」
腕を組んで考えるが矢張りよい案はでてこない。そもそも自分がディランに何かしてあげたいと思えどもノアに出来ることなどたかがしてれいる。
「んん~……」
それでも何か、何かないかなぁと考える。キャンディのお礼に自分も何か手作りをと思ったが母に詮索されるのは避けたい。プレゼントを贈るにしてもディランの身に纏っているキラキラと輝く装飾品がノアの思考を邪魔する。あんな高そうなものを付けている人に手作りのものを渡すのは憚れる。
「んんん~……」
矢張り思い浮かばない。仕方ないとばかりにノアは部屋の机から寝床へと移動する。いくら考えても浮かばない時は浮かばない。よし、寝ようと身体を横にしてノアは眠りについた。
翌朝もいつも通りに母が用意してくれた朝食を食べて父の畑へと移動すると、既に食事を終えて作業をしている父が「何か悩みごとか?」とノアに声をかけてきた。まさかの言葉に驚いたノアは「何でわかるのっ!?」と大きな声を上げてしまったが、父は「何年お前の父親をやってると思ってるんだ」と笑うばかりだ。
「ボクってそんなにわかりやすい?」
「かもしれないし、そうじゃないかもしれない」
「なにそれ?」
「そのまんまだ」
父はそれだけ言うと作業を開始してノアに背を向けた。
父はイーサンの親だけあってとても聡明な人でノアの悩みを深追いせずにいてくれた。けれどもノアから声をかければ父は相談にのってくれる、そういう人なのだ。だからノアは「親切にして貰った人にお礼がしたい」のだと父に言うと、父は少しだけ考えてから「その気持ちを忘れなければ大丈夫。ちゃんと伝わるさ」と、アドバイスになっているのかよくわからない答えが返ってきた。
「……難しい」
「まあ、あとは本人に聞くとかな」
作業をしたまま、この話はお仕舞いだとノアに仕事を手伝う様に促した。
作業を終えて母が持たせてくれたお弁当を広げる。父は美味しそうに食べながら「誰に親切にしてもらったんだ?」と、「まあ、言いたくなかったらいいさ」とお茶を飲んだ。
「ノアももう15歳だ、秘密にしたいことの一つや二つはあるだろう」
「……父さんは優しいね」
「そうか?」
「うん」
「そうか……あ、でも母さんには言わない方がいい」
心配であれこれ聞いてくるぞと笑う父に「そうだね」とノアが笑う。
「イーサンが家を出て、ノアは大層悲しんでしまうだろうなと思っていたがよかったよ」
「……父さん」
「大事にしなさい」
「うん」
「それで、お礼……だったよな」
「そう」
「気持ちを伝えれば大丈夫だ」
「気持ち……」
「そうだ。言葉にするってのは簡単な様で意外と難しいこともある。大人になれば尚更な」
だから、と父は続ける。
「感謝の気持ちは何時でも素直に伝えなさい。それだけでノアの思いはちゃんと伝わるよ」
「ん~……」
腕を組んで考えるが矢張りよい案はでてこない。そもそも自分がディランに何かしてあげたいと思えどもノアに出来ることなどたかがしてれいる。
「んん~……」
それでも何か、何かないかなぁと考える。キャンディのお礼に自分も何か手作りをと思ったが母に詮索されるのは避けたい。プレゼントを贈るにしてもディランの身に纏っているキラキラと輝く装飾品がノアの思考を邪魔する。あんな高そうなものを付けている人に手作りのものを渡すのは憚れる。
「んんん~……」
矢張り思い浮かばない。仕方ないとばかりにノアは部屋の机から寝床へと移動する。いくら考えても浮かばない時は浮かばない。よし、寝ようと身体を横にしてノアは眠りについた。
翌朝もいつも通りに母が用意してくれた朝食を食べて父の畑へと移動すると、既に食事を終えて作業をしている父が「何か悩みごとか?」とノアに声をかけてきた。まさかの言葉に驚いたノアは「何でわかるのっ!?」と大きな声を上げてしまったが、父は「何年お前の父親をやってると思ってるんだ」と笑うばかりだ。
「ボクってそんなにわかりやすい?」
「かもしれないし、そうじゃないかもしれない」
「なにそれ?」
「そのまんまだ」
父はそれだけ言うと作業を開始してノアに背を向けた。
父はイーサンの親だけあってとても聡明な人でノアの悩みを深追いせずにいてくれた。けれどもノアから声をかければ父は相談にのってくれる、そういう人なのだ。だからノアは「親切にして貰った人にお礼がしたい」のだと父に言うと、父は少しだけ考えてから「その気持ちを忘れなければ大丈夫。ちゃんと伝わるさ」と、アドバイスになっているのかよくわからない答えが返ってきた。
「……難しい」
「まあ、あとは本人に聞くとかな」
作業をしたまま、この話はお仕舞いだとノアに仕事を手伝う様に促した。
作業を終えて母が持たせてくれたお弁当を広げる。父は美味しそうに食べながら「誰に親切にしてもらったんだ?」と、「まあ、言いたくなかったらいいさ」とお茶を飲んだ。
「ノアももう15歳だ、秘密にしたいことの一つや二つはあるだろう」
「……父さんは優しいね」
「そうか?」
「うん」
「そうか……あ、でも母さんには言わない方がいい」
心配であれこれ聞いてくるぞと笑う父に「そうだね」とノアが笑う。
「イーサンが家を出て、ノアは大層悲しんでしまうだろうなと思っていたがよかったよ」
「……父さん」
「大事にしなさい」
「うん」
「それで、お礼……だったよな」
「そう」
「気持ちを伝えれば大丈夫だ」
「気持ち……」
「そうだ。言葉にするってのは簡単な様で意外と難しいこともある。大人になれば尚更な」
だから、と父は続ける。
「感謝の気持ちは何時でも素直に伝えなさい。それだけでノアの思いはちゃんと伝わるよ」
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