短い恋のお話

愛理

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「あなたをとても好きで怖くなるから」

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 幸せすぎて、時々怖くなる。
 でも、あなたが笑ってくれるのを見て、私はまた幸せに包まれることができる。

 仕事が休みの日曜日の日、私は恋人の純が1人暮らしをしているマンションにいた。
 私も純も違う会社だけど一般企業に勤めていて、例外の日以外は土曜日と日曜日は休みなので、私は昨日からここに泊まりに来ていた。
 私と純はリングルームにある白い長いふかふかのソファーに並んで座っていた。
 今は朝の10時。
 8時頃に私がつくった簡単な朝食を食べて、その後から私達はずっとこうしている。
「ね、純」
 純と私は飲み会で知り合った。
 席が隣同士で同じ歳で、お互いに猫が好きだったことで意気投合して、何回か一緒に遊びに行くうちに恋人同士にと変化していった。
「ん?」
「仕事はこれからも忙しそう?」
 純の会社は今の季節が繁忙期らしく、ここのとこ残業が続いているので私はそう聞いた。
「ああ、そうだな。でも、少しは落ち着きそうだけど。現に昨日は休めたし」
 そう。純はここ何回か例外の「土曜日出勤」をしていた。
「そっか、なら良かった」
 私がそう言うと純は優しく笑った。
 私はその優しく笑った顔を見て、急に無性に純に抱きつきたくなって、純に抱きついた。
「香澄、どうした?」
 そんな私を抱きしめ返しながら純は優しくそう言った。
「何か今、急に幸せすぎて怖いなって思ったの」
 そう。私が純に無性に抱きつきたくなったのはそんな理由からだった。
 私と純は恋人同士になって2年が経っていた。
 そして、その間、勿論、私達の間に揉め事が何もなかったわけじゃなくて……。
 だけど、ここ最近、私達は安定期に入ったのか凄い幸せな時間ばかりを過ごしていて。
 だから、私はちょっと怖かった。
 この幸せがずっと続くんだろうかと。
「香澄、もしかして、俺とのこんな関係がずっとは続かないかもしれないって思ってる?」
 純は私の背中を更に強く抱きしめながらそう言った。
 そして、その後、とても優しい声で、
「大丈夫だよ、香澄。俺は香澄と出会って本当に幸せになったんだ。だから、絶対に香澄からは離れないし離さないよ。だから、香澄もそう思って安心と俺からは逃げられないって覚悟してればいいよ」
 そう言った。
 私は純のその言葉に顔を純を見上げて、
「純、今のカッコいいのと怖いのと両方混じった言葉だよ。逃げられないように覚悟しろって」
 そう笑って言った。
 すると純も笑って、今度は私にキスをして、そして、私達は朝だというのに愛してあってしまった。

 ねぇ、純、でも、私は多分、これからも幸せすぎて怖くなる時があると思うから、その時は純がまた私をこうして優しく包み込んでね。
                                                                          END                                                      
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