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「君だけは……」
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君だけはいつまでも優しく俺のことを受けとめて。
「よっちゃん」
そう言い俺が1人暮らしをしているマンションに合鍵で入ってきたのは俺の彼女の愛子。
俺は今、酒を飲んでリビングルームにあるソファーにだらーっと座っていた。
「また何かあったの?」
愛子はそんなだらしない俺を見てそう言った。
「……会社の上司と喧嘩した」
「またー?」
口ではそう言うものの愛子は優しく微笑んでいた。
「だって理不尽なことばっかり言うし」
「よっちゃん、昔から曲がったこと嫌いだもんね」
そう言い愛子はやっぱり優しく微笑む。
俺と愛子は幼馴染でもあって俺は小さい頃から愛子のことがずっと好きで、愛子もそうだったらしいけど、俺達が恋人同士になったのは俺が高校1年生の時で愛子が高校2年生の時だった。
愛子と同じ高校に進んだ俺は愛子が学校で他の男といるのを見て、自分のものにしたくて、おもいきって告白した。
すると、あっさり私も好きだと言われて俺達は晴れて恋人同士になった。
ちなみに愛子は今、24歳で俺は23歳。
愛子は俺より1つ年上だけど童顔で小柄で華奢だからか、よく俺より年下に見られる。
後、愛子が俺のことを“よっちゃん”と呼ぶのは俺が良樹という名前だから。
愛子は小さい頃から俺をずっとこう呼び続けている。
今はお互いに社会人になって、会社は別々。
でも、社会人になった俺はマンションに1人暮らしを始めてすぐに愛子に合鍵を渡した。
だからか愛子はかなりの頻度でここにやって来る。
勿論、それは俺にとって凄く嬉しいことだった。
だって、愛子は恋人だけど、きっとこの世で1番俺のことを解ってくれる人でもあるから。
俺は何故だか解らないけど世間一般では俺の容姿はいい方らしく、偶然に引かかった会社も知名度があって、勝ち組だと思われているらしく、たまに妬みとか聞かされたりもする。
でも、実際の俺は全然そんなことはなくて、人づきあいが凄く下手で正直、大企業の人が沢山いる所で働くことはストレスで一杯だったりする。
そして、どうしても理解できないことはその場の雰囲気が悪くなることが解っていても、口に出して言ってしまう性格で。
だから、まだ入社して半年しか経たないというのに既に色んな人とぶつかったりしていた。
この性格はもう昔からで愛子はそんな俺のことをよく理解してくれていて、そんな風だと駄目だよとは言わずにやんわりと俺の欲しい言葉や態度で俺のことをいつも優しく包んでくれる。
そんな愛子に俺は今までどれだけ救われてきたか解らない。
「愛子」
俺は傍にいた愛子を引き寄せて抱きしめた。
「はいはい。大丈夫だよ。よっちゃんはよっちゃんの思うままに生きたらいいよ。よっちゃんが悪いことは勿論、悪いって言うけど、そうじゃないなら、私はよっちゃんの真っ直ぐなところが好きだしね」
愛子はそう言って、さっきよりも更に優しく微笑んだ。
「うん、愛子がそう言ってくれるから、いつもまた頑張れるんだ。だから、愛子、いつまでも俺の傍にいて」
そして、ずっとずっと、不器用にしか生きれないこんな俺を愛子の優しさで受けとめて。
例え他の誰かが俺のことを解らないって言って、俺の存在を拒否したとしても、愛子がこうして俺を優しく受けとめてくれるなら、俺はずっと頑張れるから。
俺がそんなことを思っていると、
「うん、ずっとずっと傍にいるよ。だから、本当によっちゃんはよっちゃんらしく、これからも生きていってね」
優しい微笑みと優しい声で愛子はそう言って、その後、優しいキスを俺にくれた。
END
「よっちゃん」
そう言い俺が1人暮らしをしているマンションに合鍵で入ってきたのは俺の彼女の愛子。
俺は今、酒を飲んでリビングルームにあるソファーにだらーっと座っていた。
「また何かあったの?」
愛子はそんなだらしない俺を見てそう言った。
「……会社の上司と喧嘩した」
「またー?」
口ではそう言うものの愛子は優しく微笑んでいた。
「だって理不尽なことばっかり言うし」
「よっちゃん、昔から曲がったこと嫌いだもんね」
そう言い愛子はやっぱり優しく微笑む。
俺と愛子は幼馴染でもあって俺は小さい頃から愛子のことがずっと好きで、愛子もそうだったらしいけど、俺達が恋人同士になったのは俺が高校1年生の時で愛子が高校2年生の時だった。
愛子と同じ高校に進んだ俺は愛子が学校で他の男といるのを見て、自分のものにしたくて、おもいきって告白した。
すると、あっさり私も好きだと言われて俺達は晴れて恋人同士になった。
ちなみに愛子は今、24歳で俺は23歳。
愛子は俺より1つ年上だけど童顔で小柄で華奢だからか、よく俺より年下に見られる。
後、愛子が俺のことを“よっちゃん”と呼ぶのは俺が良樹という名前だから。
愛子は小さい頃から俺をずっとこう呼び続けている。
今はお互いに社会人になって、会社は別々。
でも、社会人になった俺はマンションに1人暮らしを始めてすぐに愛子に合鍵を渡した。
だからか愛子はかなりの頻度でここにやって来る。
勿論、それは俺にとって凄く嬉しいことだった。
だって、愛子は恋人だけど、きっとこの世で1番俺のことを解ってくれる人でもあるから。
俺は何故だか解らないけど世間一般では俺の容姿はいい方らしく、偶然に引かかった会社も知名度があって、勝ち組だと思われているらしく、たまに妬みとか聞かされたりもする。
でも、実際の俺は全然そんなことはなくて、人づきあいが凄く下手で正直、大企業の人が沢山いる所で働くことはストレスで一杯だったりする。
そして、どうしても理解できないことはその場の雰囲気が悪くなることが解っていても、口に出して言ってしまう性格で。
だから、まだ入社して半年しか経たないというのに既に色んな人とぶつかったりしていた。
この性格はもう昔からで愛子はそんな俺のことをよく理解してくれていて、そんな風だと駄目だよとは言わずにやんわりと俺の欲しい言葉や態度で俺のことをいつも優しく包んでくれる。
そんな愛子に俺は今までどれだけ救われてきたか解らない。
「愛子」
俺は傍にいた愛子を引き寄せて抱きしめた。
「はいはい。大丈夫だよ。よっちゃんはよっちゃんの思うままに生きたらいいよ。よっちゃんが悪いことは勿論、悪いって言うけど、そうじゃないなら、私はよっちゃんの真っ直ぐなところが好きだしね」
愛子はそう言って、さっきよりも更に優しく微笑んだ。
「うん、愛子がそう言ってくれるから、いつもまた頑張れるんだ。だから、愛子、いつまでも俺の傍にいて」
そして、ずっとずっと、不器用にしか生きれないこんな俺を愛子の優しさで受けとめて。
例え他の誰かが俺のことを解らないって言って、俺の存在を拒否したとしても、愛子がこうして俺を優しく受けとめてくれるなら、俺はずっと頑張れるから。
俺がそんなことを思っていると、
「うん、ずっとずっと傍にいるよ。だから、本当によっちゃんはよっちゃんらしく、これからも生きていってね」
優しい微笑みと優しい声で愛子はそう言って、その後、優しいキスを俺にくれた。
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