短い恋のお話

愛理

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「あなたと2人、これからも物語を」

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 ねぇ、私とあなたの物語はこれからもずっと続いていくよね。

 もうすぐ4月になるという頃の3月の日曜日、私は彼氏の和広と一緒に私が作ったお弁当を持って、ピクニックに来ていた。
 場所は都内から車で1時間くらい走ったところにある丘だった。
 この丘から見える景色は抜群に綺麗だけど、まだそんなには人に知られていない場所で穴場でもあるから、ここに来ようということになった。
 そして、今日は私達の他にここに来ている人は本当にまばらにしかいなかった。
「何か今日は人も本当に少ないし、いいお天気だし、ここに来て本当に良かった」
 今、私達はお弁当を食べ終えて、2人で寄り添って丘から見える景色を眺めていた。
「ああ、そうだな」
 和広は私が言ったことに対して笑顔でそう返事をしてくれた。
「うん。でも、いつ見ても本当にここから見る景色は最高だよね」
 私がそう言うと和広は今度は凄く優しい笑顔を私に向けてくれて、その後、私の右肩に手を回して、ぐいっと私を自分の方に引き寄せた。
 だから、私は和広の肩に頭をもたれさせた。
「ああ、本当にここから見る景色は絶景だよな」
 和広は穏やかな口調でそう言った。
 私と和広は同じ会社に勤めていて、私が25歳にもうすぐなるという頃に和広が私が所属している部署に異動してきて、知り合った。
 そして、私と和広は仕事で絡むことが多くなって、私と和広は同じ歳ということもあってか、いつの間にかプライベートのこともお互いによく話すようになって、それからは2人で食事によく行くようになって、ある日、和広が私に好きになったからつきあってほしいと告白してくれて、私も和広のことをその時は凄く好きだったから、すぐにOKして、恋人同士になった。
 その時は夢なんじゃないかと思うくらいに本当に嬉しかった。
 でも、和広と恋人同士になって、一年が経った今の方が和広を好きという気持ちは大きくなっているんだけど……。
 だから、私はいつも思ってるんだ。
 どうかずっとずっとこのまま私と和広の2人の物語が続いていきますようにって。
 そして、私は思わず、
「ねえ、和広、ここから見る景色を1年後も2年後も、その先もずっと一緒に見たいな」
 そう言った。
 すると和広は私の方を見て、今日、一番だというくらいの優しい顔をして私を見て、
「ああ、もちろん、この景色をずっとずっと一緒に見よう」
 そう言ってくれた。
 その後、私達は見つめ合って、それから少し長めのキスをした。

 ねえ、和広。
 本当にこれからも私と和広の2人の物語を紡いで、この景色をずっとずっと一緒に見ようね。
                                                                   END
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