20 / 64
第20話「陸人からの電話で」
しおりを挟む
陸人が雅人を車で轢いた事実を知ってから、1週間が経った。
そして、1週間経ったその日の夜に陸人から電話がかかってきた。
私は画面表示の陸人の名前を少し眺めていた。
電話に出るか迷ったから。
だけど、京都から何の挨拶もしないまま帰ってきてしまったことを思い、私は電話に出ることにした。
今は自分の部屋だからお母さんに会話を聞かれる心配もないから。
「もしもし」
「俺だけど」
「うん」
この間までは2人でいる時は昔みたいな距離に戻ったように感じていたけれど、何だか今は私と陸人の距離がもの凄くあるように感じがした。
「亜美、ごめんな。俺が早く亜美に本当のことを伝えていれば亜美がおばさんにあんな風に京都から連れ戻されることもなかったのに」
「陸人」
「本当にごめん。俺、亜美に再会して、何度も本当のことを言おうと思ったんだ。でも、亜美と一緒にいると楽しくて、その時間を少しでも長く壊したくなくて。だから、中々、亜美に本当のことが言えなくて。それに俺、亜美に俺のことを拒絶されてしまうことも怖かったんだ」
「陸人」
「おばさんから雅人くんのこと聞いたんだろ? 俺はおばさんに亜美に俺が雅人くんを車で轢いたことは絶対に言わないでくれと言われて、亜美から突然離れてしまったけど、本当はずっとそのことは後悔してた。亜美にも本当のことを話して、そして、拒絶されるなら、その方が良かったんじゃないかって」
「陸人」
「謝ったって、全てのことが亜美から許してもらえないことだけど、本当にごめん。後、少しの間だったけど、また、亜美と一緒にいることができて、そこは何言ってるんだと思われるかもしれないけど、本当に楽しかった」
「陸人」
「後さ、俺、もうこの仕事辞めようと思うんだ」
「え?」
「もういいんだ。俺の目的はもう果たしたから」
「目的? それってどういう目的なの? それにそんな簡単に今の仕事は辞めれないんじゃ」
「うん、まあ、そこは話し合いになるとは思うけど。亜美、本当にごめんな。後、俺、亜美のことずっとずっと好きだったよ。勿論、今でも。でも、俺達、絶対にもう一緒になれないよな。だから、これで本当にバイバイ。亜美、亜美から大切な人を奪った俺が言うのは違うかもしれないけど、それでも言わせて。亜美は絶対に幸せになって」
陸人はそう言い、電話を切ってしまった。
私は陸人が電話を切った後もスマートフォンを暫く耳にあてたままだった。
そして、その後、私の目からまた涙が零れた。
もうこの1週間、一体、私は何回涙を零したんだろう?
それに陸人、今の電話でまた謎ができたじゃない。
陸人の目的って何だったの?
それに何で仕事を辞めるなんて言ったの?
私は涙を零しながらそんなことを思っていた。
そして、1週間経ったその日の夜に陸人から電話がかかってきた。
私は画面表示の陸人の名前を少し眺めていた。
電話に出るか迷ったから。
だけど、京都から何の挨拶もしないまま帰ってきてしまったことを思い、私は電話に出ることにした。
今は自分の部屋だからお母さんに会話を聞かれる心配もないから。
「もしもし」
「俺だけど」
「うん」
この間までは2人でいる時は昔みたいな距離に戻ったように感じていたけれど、何だか今は私と陸人の距離がもの凄くあるように感じがした。
「亜美、ごめんな。俺が早く亜美に本当のことを伝えていれば亜美がおばさんにあんな風に京都から連れ戻されることもなかったのに」
「陸人」
「本当にごめん。俺、亜美に再会して、何度も本当のことを言おうと思ったんだ。でも、亜美と一緒にいると楽しくて、その時間を少しでも長く壊したくなくて。だから、中々、亜美に本当のことが言えなくて。それに俺、亜美に俺のことを拒絶されてしまうことも怖かったんだ」
「陸人」
「おばさんから雅人くんのこと聞いたんだろ? 俺はおばさんに亜美に俺が雅人くんを車で轢いたことは絶対に言わないでくれと言われて、亜美から突然離れてしまったけど、本当はずっとそのことは後悔してた。亜美にも本当のことを話して、そして、拒絶されるなら、その方が良かったんじゃないかって」
「陸人」
「謝ったって、全てのことが亜美から許してもらえないことだけど、本当にごめん。後、少しの間だったけど、また、亜美と一緒にいることができて、そこは何言ってるんだと思われるかもしれないけど、本当に楽しかった」
「陸人」
「後さ、俺、もうこの仕事辞めようと思うんだ」
「え?」
「もういいんだ。俺の目的はもう果たしたから」
「目的? それってどういう目的なの? それにそんな簡単に今の仕事は辞めれないんじゃ」
「うん、まあ、そこは話し合いになるとは思うけど。亜美、本当にごめんな。後、俺、亜美のことずっとずっと好きだったよ。勿論、今でも。でも、俺達、絶対にもう一緒になれないよな。だから、これで本当にバイバイ。亜美、亜美から大切な人を奪った俺が言うのは違うかもしれないけど、それでも言わせて。亜美は絶対に幸せになって」
陸人はそう言い、電話を切ってしまった。
私は陸人が電話を切った後もスマートフォンを暫く耳にあてたままだった。
そして、その後、私の目からまた涙が零れた。
もうこの1週間、一体、私は何回涙を零したんだろう?
それに陸人、今の電話でまた謎ができたじゃない。
陸人の目的って何だったの?
それに何で仕事を辞めるなんて言ったの?
私は涙を零しながらそんなことを思っていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる