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第22話「やっぱり、好きだから」
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陸人の引退宣言のことを知った日から2週間が経った。
だけど、私が陸人の引退宣言を知ったからと言って、何かが変わるわけじゃない。
だって、もう私と陸人は会うことさえないんだから。
例え私がどんなに陸人のことで色々な気持ちを抱えていたとしても。
だから、私は毎日を私の日常通りに過ごしていた。
だけど、2週間が経った今日、仕事から帰ってご飯を食べて、お風呂に入って、部屋でくつろいでいる時に親友の知咲から電話がかかってきて、今の陸人の状況を知ることになった。
「久しぶりだね。また近いうちに会おうね」
最初はそんな他愛もない会話で始まった私と知咲の電話だったけど、会話をして暫くすると知咲の声のトーンがいつもより少しだけ低くなって、
「ね、亜美、まだ佐山くんのこと好き?」
そう知咲が聞いてきて、私はいつもと違う知咲の声のトーンだったから、陸人絡みで何かあったんだろうか? と思った。
ただ、知咲が陸人と直接話したとかは考えにくいけど。
そう思っていると知咲が、
「ね、私ねたまたま私達の高校の時の同級生で、佐山くんと仲が良かった林くんと会ったんだけど」
「え? 本当?」
林くんのことは、よく勉強ができるうえに明るい子で、私達と2年生まではクラスが一緒で陸人と本当に仲が良かったから覚えていた。
「うん、本当に偶然なんだけどね。本屋さんで雑誌立ち読みしてたら、林くんの方から声をかけてきてくれて……私、あんまり林くんと話した記憶がないんだけど、林くん、私のことも亜美のことも覚えてくれててね。まあ、亜美のことを覚えてるのは佐山くんの彼女だったから、当然かもだけど」
「でも、私もそんなに話したことないよ」
「そうなんだ。あ、でね、ごめん、話が反れちゃったんだけど、亜美のことも名前に出たから、まだ佐山くんと仲がいいなら、何か知ってるかなと思って、思いきって佐山くんは今、どういう状況なのか知ってるか聞いたんだけどね。だって、私も佐山くんの引退宣言をテレビで知ったし、今、どうしてるのか聞けたとしたら、亜美に教えてあげたいなとも思ったから」
「知咲」
私は知咲の気持ちが嬉しかった。
ただ、ここから先の知咲の言葉を聞くのが怖くもあったけど。
「そしたら、知ってて、さらっと教えてくれたの。陸人なら、今月の23日にアメリカに行くよって。それに当分の間、日本には帰ってこないって言ってたって」
「え?」
アメリカ?
当分の間、日本には帰ってこない?
どうして?
だって、まだ日本での仕事の契約が残ってるんじゃ。
「何かね、もう後はモデルだけの仕事で、向こうでも撮影できるから、アメリカに行くことにしたって言ってたって」
「…………」
私は知咲の言葉の後に少しの間、言葉を返すことができなかった。
そんな。
またアメリカに行くなんて。
それに当分の間、日本には帰ってこないなんて。
私はもの凄くショックを受けた。
本当は陸人がもうそのうち日本のメディアに全然、出なくなって、陸人がこの日本にもいないのなら、私にとっては陸人のことを完全に忘れられるいい機会なのに。
だけど、私は―。
「ね、知咲、陸人がアメリカに行く時に使う空港って、何処だろう?」
思わずそんな言葉を出してしまった。
陸人のことがやっぱり今でもどうしようもない程、好きで仕方ないから。
ただ、この想いを誰かに言って、完全に認めてしまうのが今までは怖かっただけで。
そして、私がそう言った後、
「やっぱり、亜美はずっと佐山くんが好きだし、忘れられないんだね」
ほんの少しだけ溜息が混じったような声で受話器の向こうで知咲がそう言った。
だけど、私が陸人の引退宣言を知ったからと言って、何かが変わるわけじゃない。
だって、もう私と陸人は会うことさえないんだから。
例え私がどんなに陸人のことで色々な気持ちを抱えていたとしても。
だから、私は毎日を私の日常通りに過ごしていた。
だけど、2週間が経った今日、仕事から帰ってご飯を食べて、お風呂に入って、部屋でくつろいでいる時に親友の知咲から電話がかかってきて、今の陸人の状況を知ることになった。
「久しぶりだね。また近いうちに会おうね」
最初はそんな他愛もない会話で始まった私と知咲の電話だったけど、会話をして暫くすると知咲の声のトーンがいつもより少しだけ低くなって、
「ね、亜美、まだ佐山くんのこと好き?」
そう知咲が聞いてきて、私はいつもと違う知咲の声のトーンだったから、陸人絡みで何かあったんだろうか? と思った。
ただ、知咲が陸人と直接話したとかは考えにくいけど。
そう思っていると知咲が、
「ね、私ねたまたま私達の高校の時の同級生で、佐山くんと仲が良かった林くんと会ったんだけど」
「え? 本当?」
林くんのことは、よく勉強ができるうえに明るい子で、私達と2年生まではクラスが一緒で陸人と本当に仲が良かったから覚えていた。
「うん、本当に偶然なんだけどね。本屋さんで雑誌立ち読みしてたら、林くんの方から声をかけてきてくれて……私、あんまり林くんと話した記憶がないんだけど、林くん、私のことも亜美のことも覚えてくれててね。まあ、亜美のことを覚えてるのは佐山くんの彼女だったから、当然かもだけど」
「でも、私もそんなに話したことないよ」
「そうなんだ。あ、でね、ごめん、話が反れちゃったんだけど、亜美のことも名前に出たから、まだ佐山くんと仲がいいなら、何か知ってるかなと思って、思いきって佐山くんは今、どういう状況なのか知ってるか聞いたんだけどね。だって、私も佐山くんの引退宣言をテレビで知ったし、今、どうしてるのか聞けたとしたら、亜美に教えてあげたいなとも思ったから」
「知咲」
私は知咲の気持ちが嬉しかった。
ただ、ここから先の知咲の言葉を聞くのが怖くもあったけど。
「そしたら、知ってて、さらっと教えてくれたの。陸人なら、今月の23日にアメリカに行くよって。それに当分の間、日本には帰ってこないって言ってたって」
「え?」
アメリカ?
当分の間、日本には帰ってこない?
どうして?
だって、まだ日本での仕事の契約が残ってるんじゃ。
「何かね、もう後はモデルだけの仕事で、向こうでも撮影できるから、アメリカに行くことにしたって言ってたって」
「…………」
私は知咲の言葉の後に少しの間、言葉を返すことができなかった。
そんな。
またアメリカに行くなんて。
それに当分の間、日本には帰ってこないなんて。
私はもの凄くショックを受けた。
本当は陸人がもうそのうち日本のメディアに全然、出なくなって、陸人がこの日本にもいないのなら、私にとっては陸人のことを完全に忘れられるいい機会なのに。
だけど、私は―。
「ね、知咲、陸人がアメリカに行く時に使う空港って、何処だろう?」
思わずそんな言葉を出してしまった。
陸人のことがやっぱり今でもどうしようもない程、好きで仕方ないから。
ただ、この想いを誰かに言って、完全に認めてしまうのが今までは怖かっただけで。
そして、私がそう言った後、
「やっぱり、亜美はずっと佐山くんが好きだし、忘れられないんだね」
ほんの少しだけ溜息が混じったような声で受話器の向こうで知咲がそう言った。
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