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第1章「異変」
第2話「厭らしい笑みを浮かべる人達」
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勇気が目を覚ましてから、何度、勇気の部屋にある時計を見ても、針は7時過ぎを刺していた。
勇気が昨日、眠ったのは午後11時過ぎだから今は正真正銘の午前7時だ。
そう。朝だ。
そして、今は6月だから、朝の7時なら雨でも降っていない限り、明るいはずだった。
だけど、雨も降っていないのに窓の外は真っ暗で、とても朝が来たとは思えなかった。
勇気の部屋は2階にあるので1階に降りて、居間に行った。
居間と台所は続きになっているので、勇気は台所に立っていた母親に声をかけた。
「母さん、おはよ。何か外がまだ真っ暗なんだけど、どうなってるんだと思う?」
勇気がそう言うとガスコンロに向かって立っていた母親が振り向いた。
優しい笑みを浮かべながら。
それはいつも勇気が見ている母親のはずだった。
だけど、勇気は今、何故か母親のその姿を見て、ぞっとした。
優しい笑みのはずなのに勇気にはその笑みが厭らしく見えたから。
「あら、そう? 母さんにはいつも通りに見えるけど」
母親が更にそんなことを言ったので、勇気はますます、ぞっとする。
「朝食、もうできるから待っててね。いつもどおりパンとハムエッグと紅茶よ」
母親が勇気に言った朝食のメニューは確かにいつものものだった。
だけど、勇気は今の母親がつくったものは何だかとても食べる気にはなれなかった。
「ごめん、母さん、今日は食欲ないから食べないでいくよ。俺、顔、洗って、もう学校に行くね」
「あら? 具合悪いんじゃない? 大丈夫? 休んでもいいのよ」
「大丈夫。多分、学校に着いて暫くしたら、お腹空くと思うし。そしたら、購買でパンでも買うから」
勇気はそう言い慌てて、顔を洗い、服を着替え、バタバタとせわしなく家を出ていった。
勇気は電車に乗って高校に通っていた。
電車の線は1本で勇気の家の最寄りの駅から下り方向に乗って5つ目の駅だった。
そして、その駅からは徒歩5分くらいのところに勇気が通う情愛学園があった。
だから、今日も勇気はいつも通りに電車に乗った。
だけど、勇気はここでもまた違和感を感じていた。
勇気は周りにいる乗客、全員が何故か笑っているように見えたのだ。
しかも、また、厭らしい笑みに見えた。
そして、勇気は昨日の実のことも思い出した。
そういえば実も昨日、こんな風に見えた。
一体、何で?
俺はおかしくなってしまったんだろうか。
勇気はそう思いながらも、何とか平常心を保って情愛学園に辿り着いた。
すると門の前で見たこともない自分と同じくらいの年齢の女の子に声をかけられた。
勇気が昨日、眠ったのは午後11時過ぎだから今は正真正銘の午前7時だ。
そう。朝だ。
そして、今は6月だから、朝の7時なら雨でも降っていない限り、明るいはずだった。
だけど、雨も降っていないのに窓の外は真っ暗で、とても朝が来たとは思えなかった。
勇気の部屋は2階にあるので1階に降りて、居間に行った。
居間と台所は続きになっているので、勇気は台所に立っていた母親に声をかけた。
「母さん、おはよ。何か外がまだ真っ暗なんだけど、どうなってるんだと思う?」
勇気がそう言うとガスコンロに向かって立っていた母親が振り向いた。
優しい笑みを浮かべながら。
それはいつも勇気が見ている母親のはずだった。
だけど、勇気は今、何故か母親のその姿を見て、ぞっとした。
優しい笑みのはずなのに勇気にはその笑みが厭らしく見えたから。
「あら、そう? 母さんにはいつも通りに見えるけど」
母親が更にそんなことを言ったので、勇気はますます、ぞっとする。
「朝食、もうできるから待っててね。いつもどおりパンとハムエッグと紅茶よ」
母親が勇気に言った朝食のメニューは確かにいつものものだった。
だけど、勇気は今の母親がつくったものは何だかとても食べる気にはなれなかった。
「ごめん、母さん、今日は食欲ないから食べないでいくよ。俺、顔、洗って、もう学校に行くね」
「あら? 具合悪いんじゃない? 大丈夫? 休んでもいいのよ」
「大丈夫。多分、学校に着いて暫くしたら、お腹空くと思うし。そしたら、購買でパンでも買うから」
勇気はそう言い慌てて、顔を洗い、服を着替え、バタバタとせわしなく家を出ていった。
勇気は電車に乗って高校に通っていた。
電車の線は1本で勇気の家の最寄りの駅から下り方向に乗って5つ目の駅だった。
そして、その駅からは徒歩5分くらいのところに勇気が通う情愛学園があった。
だから、今日も勇気はいつも通りに電車に乗った。
だけど、勇気はここでもまた違和感を感じていた。
勇気は周りにいる乗客、全員が何故か笑っているように見えたのだ。
しかも、また、厭らしい笑みに見えた。
そして、勇気は昨日の実のことも思い出した。
そういえば実も昨日、こんな風に見えた。
一体、何で?
俺はおかしくなってしまったんだろうか。
勇気はそう思いながらも、何とか平常心を保って情愛学園に辿り着いた。
すると門の前で見たこともない自分と同じくらいの年齢の女の子に声をかけられた。
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