俺は四重人格の君の4分の壱が好きだった

奈数ノ紫

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5話 偽りの言葉の答え

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「あ、そうか」


なんだよあの女顔はまぁまぁ良い方だと思うけどなあの性格が気に入らないな
自分が悪いこともしてねぇのに謝る奴嫌いなんだよな
あの人みたいで…

その時に女の手に微かに見えた青アザが凄く印象に残った。
転んだりして、自分で負傷したアザには見えなかったからだ。
誰かが殴ったりしないとできないようなアザだった。
俺は自分がよければ全て良し!として生きてきたが何故か今ここで何も言わずにあの女が立ち去れば手遅れな気がした。
その瞬間俺はその女に手を伸ばしていた。
「な、何ですか?」

「ちょっと待ってよ」

「そのアザどうしたの?」

「さっき転んだ時に…」

「転んでそんな所にアザができる?」
「君嘘ついてるよね?」

「ついてないですからほっといて下さい!」

「おい!待てよ!」
「その女は俺の話も聞かずに急いで保健室から出て行った」

「どうしたの?末次君体調が悪いのかしら?」
こんな時に面倒な奴が来た

「先生お腹が痛くて…」

「とりあえずベットに横になりなさい」 

「はい」

「ねぇ三椏さん見かけなかった?」

「え?誰ですか?」

「あなたと同じクラスの子よ知らないの?」

名前を聞いても俺は覚えがなかった。
何故なら俺はそもそも人に興味がない。
『自分が良ければすべて良し!』だからな。
そもそも人の名前を覚えて何になる?何にもならないだろ
「あ、三椏さんですよね!知ってますよ!」
「先生が入ってくるまで保健室に誰も入ってないですよ?」

「それなら良かったわ」

「最近よく保健室に来るのよだから今日も体調が悪いんじゃないかなって思ってね」

「そうなんですね」

俺はとっさに嘘をついてしまったが、あの女の為にも言わない方が良いと思ったからだ。
「1時間目が終わって体調が良くなってたら教室に戻りなさいね」

「はい先生」

俺はベットに横になると真っ白な天井を見ながらあの女のことしか考えられなかった。
何でこの俺があんな奴のことを考えないと行けないんだろうか…
女に逃げられたことなんてないし、逆に集ってくるから結構ショックだった。
あの女次あったらほんとに覚えとけ!
てか教室戻ったら居るのか…

すると1時間目の終わりを告げるチャイムが保健室全体に鳴り響いた。
「先生ちょっと職員室行ってくるから2時間目始まるまでに行けそうなら教室に上がりなさいよ」

「わかりましたもう少しで上がります」

先生が保健室を出て数秒も経たないうちに保健室の扉が開く音がした。
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