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第三話 ダイヤの原石
しおりを挟む「……さて」
黒いマントを脱いで白いシャツ姿になったルシウスが目の前でにこやかな笑みを浮かべている。
ステラはやけにだだっ広い部屋の、やたら馬鹿でかいソファに座らされていた。
間に机を挟んだ向かい側のソファにはルシウス。ルシウスが座っているソファの肘置き部分に申し訳程度に腰掛けているのはカイル。そしてステラから見て右斜め前に置かれた大きな揺り椅子に座る不機嫌そうな美青年。
三方向からの視線をひしひしと感じつつ、ステラはピシッと背筋を正して主人の言葉を待った。
「まずは何から話そうか」
「おいルシウス。まずはこの小汚いのを連れて来た訳を言え」
美青年がルシウスの声を遮って言い放つ。
「俺達に奴隷なんて必要ないだろう。それも女の奴隷なぞもってのほかだ」
「そう言うな。この子……ステラには、料理や洗濯なんかの家事をお願いしようと思っている。今は私達三人で分担してやっているが、仕事との兼ね合いがなかなか大変だからな」
(……あら)
先程、ステラに何か仕事をさせるつもりはないという話を聞いたような気がするのだが。
(まぁ私は奴隷だし。仕事しなくていいと言われてもするつもりだったから別に構わないのだけど)
ルシウスは、余計なことは言うまいと沈黙の姿勢を貫いているステラをチラリと見遣って「いい子だ」というような顔で微笑んでみせた。
「それに、ステラは私達を見ても気分を悪くしたり気絶することもない。ステラをこの屋敷に迎え入れても、差し当たって特に何も問題はないはずだ」
「それは……確かに」
ルシウスの言葉にカイルが神妙な顔で頷いている。
「……お前達に何の相談もなくこの子を買ってきてしまったことと、三人の金を勝手に使ってしまったことについては申し訳なく思っている。だが、今更この子を突き返すことは出来ないし、そうするつもりもない」
三人の金、というところでステラの肩がピクリと動く。ステラを買い上げたあの大金はルシウス一人のものではなかった。ということは、ステラの主人もまた、ルシウスだけではないということだ。
(つまり、この三人が私の御主人様という訳ね)
黙り込んでしまった紫の瞳の美青年に視線を向けると、彼は先程よりも更に不機嫌オーラ全開でそっぽを向いてしまった。
ルシウスとカイルがそんな青年を見て苦笑を浮かべている。
そういえばこの敵意剥き出しの美青年の名前をまだ知らなかったと思い至ったとき、ちょうど良いタイミングでルシウスが「合意が取れたところで改めて自己紹介をしよう」と言い出した。
(合意……取れてるのかしらこれ?)
明らかに一人だけ不満そうな人物がいるのだが、ルシウスは気にした様子もなく話し出した。
「私の名はルシウス・スターグ。この屋敷の主だ。仕事は鍛治職人……街の武器屋で槍や剣なんかを作っている」
ルシウスの姓を聞いたその瞬間、ステラの脳裏を何かが掠めた。
(スターグ……。どこかで聞いたことあるような)
はて、と小さく首を傾げている間に、ルシウスに促されたカイルが、どこか照れ臭そうに頬をかきながらステラに向き合う。
「ええと、俺はカイル・ターナーって言うんだ。職業は画家だよ。さっきは変な態度取ってごめん。君……ステラ、だっけ?これからよろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
こちらも黒いマントを脱いでシャツ姿になっている。注意深く観察してみると、画家という言葉の通り、カイルのシャツの袖口あたりには絵の具のような染みが付着していた。
そして──最後の一人、まだ名の知らぬ美青年に三人の視線が集まる。
「…………レオン・ランドール」
美青年は言葉少なくそう吐き捨て、揺り椅子からスッと立ち上がると、
「連れて来てしまったからには仕方ない。だが、俺はお前みたいな小娘と関わる気も、ましてや馴れ合う気もない。精々俺の邪魔はするな」
そう言って部屋を出て行ってしまった。
「……すまない。あれは大の女性嫌いなんだ。失礼な態度は許してやってほしい」
「いえ」
申し訳なさそうに謝るルシウスに返事をしながら、ステラは先ほど屋敷の玄関で感じた疑問の答えが見つかって心の中で独り言つ。
(やっぱり、三人は血が繋がってないのね)
三人がそれぞれ名乗った姓はスターグ、ターナー、ランドール。
どうやらこの屋敷では、血の繋がらない三人の男達が、何らかの理由で一緒に生活を営んでいるようである。
その理由とは何なのか。新たな疑問が生まれ、好奇心という名の蛇が首をもたげるが、「でもまぁ奴隷が必要以上に主人の事情に首を突っ込むべきではないか」と思い直す。
「では、もう夜も遅いし部屋に案内しよう……と言いたいところだが、その前に君はまず浴室に連れて行ってあげた方が良さそうだな」
ルシウスの言葉でステラはハッと己の身体を見下ろす。
「……はい。すみません」
奴隷商人の元にいたときは、その辺の地面にそのまま寝転がっていたから、体や服が汚れていても大して気にしていなかったが、もうそういう訳にはいくまい。
「あ、じゃあ俺、お風呂の準備してくるよ」
「頼む。それから、ステラが着られそうなサイズの服も適当に持って来てくれ」
「分かった」
コクリと頷いてカイルが部屋を後にする。
「ああそうだ。すっかり忘れていたが、お腹は空いていないか?簡単なもので良ければ直ぐに作れるが」
「いえ。大丈夫です」
奴隷になってからというもの、腐りかけたパン一つで数日を凌ぐということが当たり前の生活を送っていた。
人間の身体というものは不思議なもので、最初の頃は直ぐに腹が減って仕方がなかったが、胃袋が小さく適応していったのか、段々とそんな食生活にも慣れていった。故に今ではそうそう腹が減るということもない。
「……そうか」
ルシウスは枝のように細いステラの身体を何か言いたげな顔で見つめていた。
「それでは、明日の朝にはとびきり美味しい食事を用意することにしよう」
「あ、いえ。食事は私がお作りします。と言っても、美味しく作れるかどうかはわかりませんが」
するとルシウスはふるふると首を横に振ってみせる。
「さっきは弟達の手前ああいったが、最初に言った通り、私は君に何か仕事をさせたりするつもりはないんだ。君はただ、ここにいてくれるだけでいい」
「ですが……私は奴隷です」
「そう、君は奴隷だ。だから君は、主人である私の命令に従う義務がある」
落ち着いた眼差し。温かい声。奴隷であるステラに対しても丁寧な口調で語りかけてくれる。
第一印象からずっと優しい人だと思っていたが、この青い目をした美しき主人は、案外頑固者のようだ。
数分の間、押し問答を繰り返した後、
「……分かりました」
納得はしていないが、ひとまずそう返事を返しておくことにした。そのタイミングで部屋の扉が開き、カイルがひょっこりと顔を出す。
「準備出来たよ」
「そうか。カイル、たて続けで悪いが、ステラのことを頼んでもいいか。私はこれからまた出掛ける用がある」
「うん、いいよ。じゃあステラ、俺について来て」
「はい」
ステラはルシウスにペコリと一礼して部屋を後にした。
大きな屋敷というだけあって、案内された浴室もかなり広かった。しっかり掃除も行き届いているようでそこらじゅうピカピカに輝いている。
「置いてある桶とか石鹸はどれも自由に使っていいよ。あと、着替えもここに置いておくね。といってもこの家に女の子が着るような服なんてないから、俺が昔着てたやつで申し訳ないんだけど」
「いえ、ありがとうございます」
「じゃあ上がった頃にまた来るから。そしたらステラの部屋に案内するね」
「分かりました」
パタンと扉が閉まると、ステラはふぅ……と深く息を吐き出した。そしてぐるりとあたりを見回してみる。
もうもうと湯気が立ち上る大きな浴槽に、その隣に立て掛けられた木製の桶。膝より低い高さの椅子の上には、ステラのためにわざわざ用意してくれたのだろう新しい清潔なタオルと薄桃色の石鹸が置かれていた。
(お風呂なんて随分久しぶりね)
思えば奴隷という身分に落ちてからは身体を清める機会なぞ殆ど与えられなかった。
温かい湯に全身を沈めたいという欲求を押し込め、木製の桶に湯を組んで頭からぶっかける。一度そうしただけで床に流れ落ちた水は茶色く濁った色をしていた。
分かっているつもりではいたが、自分がこんなにも汚れていたのかとステラは唇の端を小さく歪ませた。
まずは水だけで全身の大体の汚れを一旦洗い流すことにした。軽く手で擦っただけで大量の垢が出てくる。
髪の毛から足の先までゴシゴシと擦って水を被るという動作を繰り返す。
頭から湯をかけても足元が茶色くならないくらいまで綺麗になってから、ステラはようやく薄桃色の石鹸を手に取った。その瞬間、甘い花の香りが鼻腔を擽る。
「……いい匂い」
甘いけれどもそれでいてくどくなく、スッと鼻を抜ける爽やかさも兼ね備えた不思議な香りだった。
石鹸を使って全身を丸々3回洗い、ようやくステラは大きな湯船に全身を沈めた。夜の街を薄い生地のワンピースで走り回っていたせいで、思いの外身体が冷え切っていたらしい。熱い湯が全身に染みるようだった。
(……数年前まではこんなことになるなんて想像もしていなかったわ)
まさか自分が奴隷になって、見目麗しい主人に買われることになるとは。
(人生、何が起こるかわからないものね)
身体の芯まで温まり、じんわりと額に汗をかいてくると、ステラは湯船から立ち上がった。もう一度桶で水を組み、サッと汗を流す。
タオルで身体を拭き、カイルが用意してくれていたやや大きめのシャツとパンツを身につけたタイミングで、浴室の扉がコンコンとノックされた。
「ステラ?もう上がった?」
「はい。ちょうど今着替え終わりました」
外に出てカイルとパチリと目があった瞬間、緑色の瞳がこれでもかと見開かれた。
「え……」
「……カイル様?どうかなさいましたか?」
カイルが驚くのも無理はない。
風呂に入って身体の汚れを全て洗い落としたことにより、ステラの見た目は先程までの薄汚い少女とは別人のように変化していた。
胸元まで垂れた絹のように滑らかな濡れ羽色の髪。瞬きするたびに揺れる長い睫毛に縁取られた、ルビーのような瞳。砂や泥が落ちた手足は雪のように白く、血行が良くなった頬は、まるで紅をさしたかのようにほんのりと上気していた。
本人は自覚がないがこの娘、ちゃんと身なりを整えれば多くの男性を虜にするであろう容姿をもつ、"磨けば光るダイヤの原石"なのである。……磨けば、の話だが。
「カイル様?」
ステラが動く気配のないカイルの顔をそっと覗き込むと、カイルはボン!と顔を赤くして物凄い勢いでステラから距離を取った。
「い、いやその……!こんなに変わるとは思ってなかったというか……えっと、ごめん!何でもない!」
(……何でもなくはなさそうだけど)
何故か真っ赤になった顔を隠すようにそっぽを向くカイル。
「ええと……お、お風呂のお湯加減とかはどうだった?」
「あ、はい。ちょうど良かったです。あの石鹸もすごく良い香りでした」
「石鹸?」
カイルはまだ赤みの治らない顔で不思議そうに小首を傾げる。
「はい。あのお花の……」
「……あぁ、なるほど」
突然カイルがクスクスと笑い出す。それを見て今度はステラが首を傾げた。
「……もしかしてあの石鹸、使ったらだめなやつでしたか?」
「ううん。そうじゃないよ。その石鹸は間違いなくステラの為に用意されたやつだから安心して」
そう言うカイルの様子はどこか嬉しそうだった。
「さ、じゃあステラの部屋に案内するよ。ついて来て」
「はい」
言われるがままに後ろを付いていくと、カイルは一階の突き当たりにある扉の前で足を止めた。
「ついた。ここがステラの部屋だよ」
両開きの扉を開けると、そこは赤と白と金で統一された大層美しい部屋だった。
部屋の真ん中に備え付けられた天蓋付きのベット。繊細な彫り込みが施されたテーブルと椅子に、何十という服が収納できそうな大きなクローゼット。
「あの、私がこんなに広くて素敵なお部屋を頂いてしまっていいんですか?」
何かの間違いではないのかと思って問いかけるも、カイルは笑顔を浮かべて頷く。
「うん。この屋敷には俺達三人しか住んでないから部屋自体は有り余ってるんだけど、直ぐに用意出来そうなのがここしかなかったんだ」
「そう、なんですか……」
とは言われても、気が引けるものはやはり気が引ける。
「ステラがお風呂に入ってる間に、とりあえずベット周りは整えておいたから、このまま直ぐに寝れるよ」
「何から何まですみません……」
自分の支度を主人にやらせる奴隷とは一体何事か。レオンはさておき、ルシウスとカイルのステラへの態度は明らかに奴隷に対するものではない。下手をすればまるでお客様のような扱いだ。
(私は奴隷、私は奴隷……)
暗示をかけるように頭の中で何度もそう唱え、ステラはもう一度深い礼と共にカイルに謝罪の言葉を述べる。
「気にしないで。それじゃあ俺はこれから仕事するからこれで行くね」
「はい。色々と本当にありがとうございました」
「いえいえ。じゃあおやすみ」
「……おやすみなさい」
パタンと扉が閉まり一人きりになった部屋は、窓から差し込む月明かりに照らされ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
ステラは大きなベットにボフンと倒れ込む。
(……この感じも久しぶりね)
ここ数年はお目にかかっていなかった柔らかなベットの感触。
疲れていたのか、はたまたベットが寝心地良すぎたせいか。目を閉じて数分後にはもう、ステラは深い眠りに落ちていた。
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