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波多野
しおりを挟む「え、真上が部屋?クソ便利じゃないですか」
地下にバーがあるビルの3階に俺の部屋がある
初めて知った波多野はそう言った
「お前も空きが出たらここに住めよ、当分辞めないんだろ?」
「それは便利でいいですけど…ちょっと広過ぎないっすか?マスターはお2人みたいだから良いですけど?」
ほんとこのガキ最近遠慮がねぇよな、前はほんとに可愛かったのにさぁ
瀧は風呂に直行した
うちのカウンターに座る波多野
「なんか作ろうか?」
「えっ、じゃあ…ブールヴァルディエを!お願いします」
酒のこともよく勉強してるし話は上手いし
バーテンダーに向いてるよお前は…
「ほらよ…」
ストレートアップで出した
「…はぁぁ、なんでこう洗練された感じに見えるんですかねぇ?マスターの手にかかると…」
「見えるってなんだよ?じゃあお前も作れよ…」
そうして波多野にも色々を作らせ、大人げなくも楽しんでしまった
「…だから教えてくださいってぇ、ケチケチしないで」
「やだよ…店にいる間だけにしてよ、そーいうのは」
ペタペタと風呂から出てきた瀧の足音が聞こえた
「波多野、水くれ~」
「うす」
波多野が出したグラスの水を飲んで瀧が言う
「で、話はすんだの?」
「あ…」
「あ…」
「…え??」
瀧に言われてようやくそれを思い出した俺たちは、今からその話をすることになった…
波多野の話とはなんだろう
「うちの会社のトップが、今なぜかカクテルにハマってまして…」
波多野によれば、自分が副業でバーテンダーをしていることは社内で話しているのだそうだ
それを聞き付けたトップが直々に、波多野の店で取引先との親睦会をやろう…という案が持ち上がっているような話をしていた
「店の時間貸切ってこと?」
「まぁ詳細なんかはまだ聞いてないですけど、おそらくは…」
へぇ、いいじゃん
日程と人数が分かればもちろん予算の話はできる
「瀧、アレ作ってよ」
「あ~はいはい…何回やったと思ってんの…見てろよ!」
俺は瀧に声をかける
「大将、ジントニックくださ~い」
波多野はなんだ?という顔をしていたが
瀧の手際のモタモタを見て肩がブルブルし始めた
「はいよぉ!ジントニック一丁!」
「ひぃ~!ぎゃはははは…!!!」
とうとう波多野が壊れた
見たか波多野、これがうちのリーサルウェポンだ
「はい、お待ちぃ!」
出されたグラスは波多野と俺の前に置かれた
俺はそれを飲む、瀧の味がした
波多野はそれに口をつけるより前に
「瀧さん!動画撮りましょうよ、絶対バズるって!」
まったく…現代っ子が…
その後も波多野が面白がって2.3瀧に作らせていた
スマホのカメラを向けていたのを俺は見ていたからな、波多野
俺は瀧が目分量で生み出したカクテルを味見しながら2人を眺めた
兄弟みたいにキャッキャしてらぁ…
波多野は裏がなくて気持ちの良い奴だ
今まで、夜は出来るだけ早く帰さないといけない、という意識が働いてしまっていたが
こうしてたまには呼んでやろうか…
そうして波多野は帰るのが面倒になりソファーで寝ると言い出した
「朝勝手に起きて帰るのでお気になさらず」
そう言い残して寝た…
波多野って、人んちで寝るんだ…なんか意外と平気なんだな
もっと神経質で潔癖っぽいっていうか…人んちとか無理、みたいなタイプかと思ってた
俺は風呂に入ってからベッドに入る
「瀧、遅くまで悪いな」
「いいや、あいつ面白いね」
波多野もきっとお前のことをそう思ってるだろうよ
「一条さん…」
瀧は俺の手を掴んで自身のギンギンになったソレを触らせる
「お前なんで…」
「しぃーーー…」
瀧は口の前に人差し指を当てて「静かに」と言うので小声で話す
「なんで…こんなになってんの…」
「俺もなんか、一条さんの顔見てたらこうなっちゃう病気みたい…」
「…声出すなよ?」
俺は瀧とキスをしながら手で瀧のナニを刺激する
声を我慢しようと、瀧が俺の耳元で吐く息がセクシーだった
「……っ!」
気持ちよくなった瀧にデカイ手で掴まれていた首が痛かったが
そんな痛みまでもが愛おしい
「…気持ちよかった?」
ボーッとしている滝に声をかけた
「あ…一条さんも…」
瀧が俺の股間に手を伸ばすのを止める
「いいから、もう寝ろ」
俺は瀧に腕枕をして髪の毛を撫でた
お前が俺の腕の中に居るだけで俺は安心出来るんだよ
瀧の寝息を聞いてるうちに俺も眠りについた
ーーーーー
コンコンコン…
「自分帰るんで、お邪魔しましたぁ~」
波多野が寝室のドア越しに声をかけて出ていった
耳だけでそれをぼんやり聞いて俺はそのまま眠りに戻った…
ーーー翌週
朝、瀧を仕事に見送ってから二度寝をして
夕方俺も仕事に出る支度を済ませる
さて部屋を出るかというタイミングでスマホが鳴った
…波多野?忘れ物か?
「もしもし…?」
「あっマスター今お時間大丈夫でしょうか」
仕事中の波多野からの連絡だった
「あの急な話なんですけど、今日うちのトップがマスターの店に行きたいと言い出しまして…」
「はぁ?そんなの連れて来ればいいじゃん」
「それが、お坊ちゃまでちょっとワガママなんですよぉ…それでご迷惑をおかけする形になっちゃうと思いましたので、先にその旨を一報入れさせていただきました」
…なるほどな
舐めたガキってわけか、大人を敬わないガキは好きじゃない
「いいよ、そのお坊ちゃまをお連れしろ」
「すいませんお手数おかけします、どうせ失礼があるでしょうから後ほど謝らせてください…」
波多野も大変なんだなぁ…
会社で気を使って、だからうちでは伸び伸びしてるわけか
それでも日々そんなトップの元で戦ってる波多野を想像してもっと波多野を可愛く思った
あいつ、適当な就職して…なんて言ってたけど本当はそうでもねぇじゃねぇかよ
生意気な若社長をお迎えするにあたり
波多野がケチでも付けられたら可哀想だとバカラのグラスを磨いた
「俺のコレクション…どうか割れませんように…チュッチュ!」
まさかだけど、へそ曲げてグラスを投げたりなんか…しないよな…?
神様、それだけはありませんように…
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