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第16話 恋愛相談の真実
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午後五時前、予備校の自習室は鉛筆の音だけが均一に鳴っていた。
望月は物理の問題集を閉じ、ページの間に挟んでいる観測カードをそっと確かめる。
ひとこと:見えない線でつながる三つ
薄い鉛筆の線。端に残った小さな汗の輪。
(返すのは——当日、直接)
自分で書いたメモの約束を、心の中でもう一度なぞる。
携帯が小さく震えた。
"17時、いつものところで。"
あの相談の送り主。
駅前の喫茶店は、夕立を逃れてきた人で少し混んでいた。窓際の席、氷水のグラスに水滴が筋を作る。
「待たせた?」
彼女は肩で結んだ髪を指で直し、透明ファイルを差し出した。大学のパンフレット、研究室一覧、面接カードの控え——そして、小さなメモ帳。
「進路のやつ、ほんとにありがとう。……それと恋愛相談、あの、続き」
声の調子がわずかに変わる。
望月は無言で頷き、耳を澄ます。
「例の彼、予備校の化学のクラスで一緒なんだ。ノートの取り方が綺麗で、質問するときいつも列のいちばん後ろからで……なんか、いいなって。
でね、告白とかじゃなくて、ただ“応援してます”って言葉をいつ渡せば邪魔にならないか、怜に聞きたくて」
心の中で、何かが音もなく位置を取る。
(——俺じゃ、ない)
胸の中心にできていた小さな空白が、逆に輪郭を持つ。
「この前も“ありがとうございます”のメッセージの文を見てもらったでしょ? 既読になった瞬間、怜から通知が来て、びっくりした」
彼女は笑って、ストローを軽く口に含む。
「でも……だいじょうぶ? 最近、目の奥が疲れてる」
「受験モードだから」
「それだけじゃない顔してる」
「……後輩が一人、ちょっと“すれ違い”気味」
「ふーん。怜、そういうときは言葉が少ないからなあ」
彼女は真顔になり、メモ帳の端を切り取って、細い字で書く。
誤解、放置×
“誰でもない”でなく“誰か”だと伝える
場所=屋上/時間=流星群
「場所と時間を決めて、光を弱めて伝えること。ね、赤いセロファン越しに」
望月は笑うしかなかった。
(赤い光。夜目をつぶさない伝え方)
「ありがとう。……で、その彼には?」
「うん、流星群のあと、“模試が終わったら一緒に帰りませんか”って言ってみる。今は邪魔したくないから」
彼女はペンをしまい、ストローの包み紙をきれいに畳む。
「怜もさ、ちゃんと“待つ以外”を覚えなよ。橋はかけるだけじゃ、渡られないときがある」
「——わかってる」
喫茶店を出ると、夕立の名残が街を洗っていた。
舗道の水たまりが空の色を映して、歪んだ三角形がいくつも揺れる。
彼女は「じゃ、また」と手を振り、角を曲がって消える。
ほのかな石けんの匂いが、雨の匂いに溶けて薄くなった。
(……従姉妹。恋愛相談の相手は別の誰か。)
答えは簡単だったのに、やっと言語化された事実が、遅れて胸に届く。
同時に、別の痛みが立ち上がる——伝えられなかった時間の重さ。
「家族みたいな関係」
そう言えば足りるのに、言えば言うほど“言い訳”に聞こえる予感が、喉を塞いでいたのだ。
部室。
白板には8/12→13 24:30。柏木がチェックリストを更新している。
「どう、天気図」
「今のところ雲は通り道。——放射点はペルセウス座、でも視線は真上から広く、ね」
望月は白板のすみにZHR(天頂修正流星数)のメモを小さく書き、消す。数字の確からしさより、今は言葉の確かさが必要だと思い直す。
柏木が机の端を指さす。
「それ、まだ挟んでるの?」
問題集の間の観測カード。
ひとこと:見えない線でつながる三つ
「……返す。明日、直接」
「うん。——それと、誤解の件、言葉で赤フィルムかけてから渡してね」
「赤フィルム?」
「眩しすぎない言い方、ってこと」
柏木は真顔で笑う。「“家族”って単語を先に置く。“従姉妹”は、二拍目に出す。順序が大事」
順序。
星座も、明るい星からたどるのが近道だ。
言葉も、眩しさと順序で見え方が変わる。
望月は、引き出しから透明テープと細いマスキングテープを取り出し、工具箱に入れる。
(早見盤に波打ち。——たぶん、涙)
言葉にしない想像が、指先に重みを加える。
「部長」 新堂が顔をのぞかせ、手に空気枕を二つ。
「枕、二個余りました」
「助かる。——首を守るのがいちばん偉い」
言いながら、望月は白板に**“待つ=仕事/伝える=準備”と小さく書いて、すぐに消した。
(待つだけじゃ届かない。——伝える)
夜。
自習机に戻ると、数式の横で数字が霧になる。
等加速度運動の解答に入るべきところで、頭の中に等速直線運動みたいな沈黙が走る。
(進め。——でも、立ち止まれ)
相反する命令が同居する。
窓の外、校庭の端のやぐらが骨組みだけで夜を受け取っている。
東の空にベガ、少し下にアルタイル、北東にデネブ。
三つは毎夜、位置を持ってそこにいる。
(方角は裏切らない。俺が迷っているだけだ)
携帯のメモに、短い文を作っては消す。
明日、話したい
家族のこと
誤解させたかも
どれも強すぎる白で、眩しい。
(赤い言葉に)
小さな息を吐き、三行だけ残す。
明日、屋上で。
カード、返す。
伝えたいことがある。
それ以上は送らない。
当日、直接。
言葉は空の下で調整する。
同じころ。
喫茶店で別れた従姉妹は、廊下の掲示板の前で足を止めていた。
「天文部 見学歓迎/流星群観測」——手描きの星。
彼女は小さく笑う。(怜は、こういう字を書く)
ふと、階段の上から柏木が降りてきて、会釈を交わす。
「いつも資料ありがとう」
「いえ。——あの、誤解されません?」
従姉妹は、言いにくそうに切り出した。
「最近、廊下で見ると、後輩の子が眼を伏せるから……私、たぶん原因ですよね」
柏木は一度小さく目を細め、うなずいた。
「原因の一つ、かもね。彼女、いい子。でも今は、夏」
「夏?」
「近く見える季節。空気の向こう側がね。……伝えとく。怜には赤いフィルムで」
従姉妹は「お願いします」と頭を下げ、校門へと歩いていった。
彼女が向かうのは、別の誰かとの、別の座標だ。
深夜。
望月は道具箱をもう一度開ける。
透明テープ/マスキングテープ/空気枕/赤フィルム。
観測カードの束の一番上に、小さな付箋を一枚。
“ひとこと”を必ず。
0 も 記録。
風が窓の金具を撫で、風鈴が一度だけ鳴った。
北東の空に、Wのカシオペヤ。
放射点は、その下。
(来い。——流れ星)
予約不可の空へ、静かに待つと伝えるの両方を言い渡して、電気を落とす。
美月はまだ知らない。
彼女の相手が、予備校の化学の彼であることも、
廊下で見かけた二人の距離に血の繋がりがあったことも、
明日のために望月が赤い言葉を準備していることも。
そして望月は知っている——
真実は、ただ置いただけでは届かない。
光を弱めて、順序を選んで、方角を決めて、初めて見えるのだと。
それでも胸の奥の苦悩は消えない。
“伝える”前の夜はいつだって、暗順応の最中みたいに、長くて、静かで、少し痛い。
望月は物理の問題集を閉じ、ページの間に挟んでいる観測カードをそっと確かめる。
ひとこと:見えない線でつながる三つ
薄い鉛筆の線。端に残った小さな汗の輪。
(返すのは——当日、直接)
自分で書いたメモの約束を、心の中でもう一度なぞる。
携帯が小さく震えた。
"17時、いつものところで。"
あの相談の送り主。
駅前の喫茶店は、夕立を逃れてきた人で少し混んでいた。窓際の席、氷水のグラスに水滴が筋を作る。
「待たせた?」
彼女は肩で結んだ髪を指で直し、透明ファイルを差し出した。大学のパンフレット、研究室一覧、面接カードの控え——そして、小さなメモ帳。
「進路のやつ、ほんとにありがとう。……それと恋愛相談、あの、続き」
声の調子がわずかに変わる。
望月は無言で頷き、耳を澄ます。
「例の彼、予備校の化学のクラスで一緒なんだ。ノートの取り方が綺麗で、質問するときいつも列のいちばん後ろからで……なんか、いいなって。
でね、告白とかじゃなくて、ただ“応援してます”って言葉をいつ渡せば邪魔にならないか、怜に聞きたくて」
心の中で、何かが音もなく位置を取る。
(——俺じゃ、ない)
胸の中心にできていた小さな空白が、逆に輪郭を持つ。
「この前も“ありがとうございます”のメッセージの文を見てもらったでしょ? 既読になった瞬間、怜から通知が来て、びっくりした」
彼女は笑って、ストローを軽く口に含む。
「でも……だいじょうぶ? 最近、目の奥が疲れてる」
「受験モードだから」
「それだけじゃない顔してる」
「……後輩が一人、ちょっと“すれ違い”気味」
「ふーん。怜、そういうときは言葉が少ないからなあ」
彼女は真顔になり、メモ帳の端を切り取って、細い字で書く。
誤解、放置×
“誰でもない”でなく“誰か”だと伝える
場所=屋上/時間=流星群
「場所と時間を決めて、光を弱めて伝えること。ね、赤いセロファン越しに」
望月は笑うしかなかった。
(赤い光。夜目をつぶさない伝え方)
「ありがとう。……で、その彼には?」
「うん、流星群のあと、“模試が終わったら一緒に帰りませんか”って言ってみる。今は邪魔したくないから」
彼女はペンをしまい、ストローの包み紙をきれいに畳む。
「怜もさ、ちゃんと“待つ以外”を覚えなよ。橋はかけるだけじゃ、渡られないときがある」
「——わかってる」
喫茶店を出ると、夕立の名残が街を洗っていた。
舗道の水たまりが空の色を映して、歪んだ三角形がいくつも揺れる。
彼女は「じゃ、また」と手を振り、角を曲がって消える。
ほのかな石けんの匂いが、雨の匂いに溶けて薄くなった。
(……従姉妹。恋愛相談の相手は別の誰か。)
答えは簡単だったのに、やっと言語化された事実が、遅れて胸に届く。
同時に、別の痛みが立ち上がる——伝えられなかった時間の重さ。
「家族みたいな関係」
そう言えば足りるのに、言えば言うほど“言い訳”に聞こえる予感が、喉を塞いでいたのだ。
部室。
白板には8/12→13 24:30。柏木がチェックリストを更新している。
「どう、天気図」
「今のところ雲は通り道。——放射点はペルセウス座、でも視線は真上から広く、ね」
望月は白板のすみにZHR(天頂修正流星数)のメモを小さく書き、消す。数字の確からしさより、今は言葉の確かさが必要だと思い直す。
柏木が机の端を指さす。
「それ、まだ挟んでるの?」
問題集の間の観測カード。
ひとこと:見えない線でつながる三つ
「……返す。明日、直接」
「うん。——それと、誤解の件、言葉で赤フィルムかけてから渡してね」
「赤フィルム?」
「眩しすぎない言い方、ってこと」
柏木は真顔で笑う。「“家族”って単語を先に置く。“従姉妹”は、二拍目に出す。順序が大事」
順序。
星座も、明るい星からたどるのが近道だ。
言葉も、眩しさと順序で見え方が変わる。
望月は、引き出しから透明テープと細いマスキングテープを取り出し、工具箱に入れる。
(早見盤に波打ち。——たぶん、涙)
言葉にしない想像が、指先に重みを加える。
「部長」 新堂が顔をのぞかせ、手に空気枕を二つ。
「枕、二個余りました」
「助かる。——首を守るのがいちばん偉い」
言いながら、望月は白板に**“待つ=仕事/伝える=準備”と小さく書いて、すぐに消した。
(待つだけじゃ届かない。——伝える)
夜。
自習机に戻ると、数式の横で数字が霧になる。
等加速度運動の解答に入るべきところで、頭の中に等速直線運動みたいな沈黙が走る。
(進め。——でも、立ち止まれ)
相反する命令が同居する。
窓の外、校庭の端のやぐらが骨組みだけで夜を受け取っている。
東の空にベガ、少し下にアルタイル、北東にデネブ。
三つは毎夜、位置を持ってそこにいる。
(方角は裏切らない。俺が迷っているだけだ)
携帯のメモに、短い文を作っては消す。
明日、話したい
家族のこと
誤解させたかも
どれも強すぎる白で、眩しい。
(赤い言葉に)
小さな息を吐き、三行だけ残す。
明日、屋上で。
カード、返す。
伝えたいことがある。
それ以上は送らない。
当日、直接。
言葉は空の下で調整する。
同じころ。
喫茶店で別れた従姉妹は、廊下の掲示板の前で足を止めていた。
「天文部 見学歓迎/流星群観測」——手描きの星。
彼女は小さく笑う。(怜は、こういう字を書く)
ふと、階段の上から柏木が降りてきて、会釈を交わす。
「いつも資料ありがとう」
「いえ。——あの、誤解されません?」
従姉妹は、言いにくそうに切り出した。
「最近、廊下で見ると、後輩の子が眼を伏せるから……私、たぶん原因ですよね」
柏木は一度小さく目を細め、うなずいた。
「原因の一つ、かもね。彼女、いい子。でも今は、夏」
「夏?」
「近く見える季節。空気の向こう側がね。……伝えとく。怜には赤いフィルムで」
従姉妹は「お願いします」と頭を下げ、校門へと歩いていった。
彼女が向かうのは、別の誰かとの、別の座標だ。
深夜。
望月は道具箱をもう一度開ける。
透明テープ/マスキングテープ/空気枕/赤フィルム。
観測カードの束の一番上に、小さな付箋を一枚。
“ひとこと”を必ず。
0 も 記録。
風が窓の金具を撫で、風鈴が一度だけ鳴った。
北東の空に、Wのカシオペヤ。
放射点は、その下。
(来い。——流れ星)
予約不可の空へ、静かに待つと伝えるの両方を言い渡して、電気を落とす。
美月はまだ知らない。
彼女の相手が、予備校の化学の彼であることも、
廊下で見かけた二人の距離に血の繋がりがあったことも、
明日のために望月が赤い言葉を準備していることも。
そして望月は知っている——
真実は、ただ置いただけでは届かない。
光を弱めて、順序を選んで、方角を決めて、初めて見えるのだと。
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