【完結済】夜空のプラネタリウム

——東は、いつもはじまり。
赤いライトの下、私たちは「0も記録」する。
待つことから始まる、夏の恋の作法だ。

国語の授業で読んだ『銀河鉄道の夜』がきっかけで、天の川に憧れを抱いた一ノ瀬美月。
文芸部の幽霊部員だった彼女が足を向けたのは、理科棟の奥にある天文部。そこで出会ったのは、優しく星座を教えてくれる部長の望月怜先輩だった。

「星は名前を知ると、見つけやすくなる。人を覚えるのと同じで」

屋上での観測会、七夕の短冊、夏祭りでの「見つけやすい」という褒め言葉。少しずつ縮まる距離に、美月の胸は静かに高鳴る。

しかし、望月先輩の周りには進路相談をする美しい同級生の存在が——。

「先輩は、あの人と行けばいいじゃないですか」

すれ違う想い。一人ぼっちで見上げる星空。
それでも、ペルセウス座流星群の夜がやってくる。

―――星座は恋の地図。距離と角度で、意味が変わる。
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