神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

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センテに戻ったらすぐ呼び出し

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「えぇ。この国では既に獣人が溶け込んで、人間と一緒に生活しているけれど、私達エルフもそれに倣わないとね。そのためには、今ここで国のため、街のために少しくらいは無理しておかないと」

 モニカさんにそう答えたフィリーナを乗せて、ワイバーンが浮上して俺達もそれについてセンテへと向かった。
 ただフィリーナは口にしなかったけど、センテで暮らす人達のためとか、協力した多くの人達に任せっきりにはしたくない……といった思いも感じられた。
 俺やエルサがいたというのが大きいとは思うけど、ヒュドラー達が迫って来ていた時兵士さん達はちゃんとフィリーナの指示に従っていたようだし、本人が思っているよりも多くの人に受け入れられているんじゃないかなぁと思う。

「GURA?」
「ふふ、大丈夫よ。気にしないで……」

 とはいえ、意気込んでいても滲み出る疲れなどは感じられたのか、フィリーナの乗っているワイバーンが心配そうに声をかけているのが、空を飛んでいる中見えた。
 フィリーナがワイバーンを撫でながら、微かに聞こえた声には優しさが籠っている。
 モニカさんとリーバーもそうだけど、フィリーナもワイバーンと仲良くなったなぁ。
 それを言えば、リネルトさんやアマリーラさんもそうだけど……そのうち皆、モニカさんみたいに名前を付けそうだ。

 ……ワイバーンの名前か。
 全部で数十体のワイバーン、リーダーのリーバーだけならまだしも他のワイバーンにも呼び名を付け始めたら、全てに付けないといけなくなりそうだ。
 呼び名があった方が便利なのは間違いないけど、数が多いから大変そうだ……。
 ちなみに後で聞いた話だけど、フィリーナが乗っているワイバーンは宿の庭でカイツさんの実験に付き合っていたワイバーンのうちの一体らしい。
 なんとなく、見覚えがあるようなないような気がしていたのはそのためか。

 呼び名はともかく、その時にフィリーナと仲良くなったとか。
 おぼろげな意思疎通ながら、乗せてくれた事を感謝して撫でるフィリーナに対し、もっと強くとねだっていたのは気にしないでおこう。
 何が強くとか俺にはよくわからないし、特殊な趣味に目覚めているワイバーンはともかく、フィリーナがおかしな方向の趣味に目覚めないのかが心配だった。
 余計な心配かもしれないけどね――。


 ――ワイバーンで空を駆り、センテの宿付近に到着した俺達。
 空を飛ぶワイバーンがフィリーナの乗った一体だけでないのは、すぐに皆に気付かれていた……というか、戻る際に外壁の上にいた兵士さんとかとも挨拶したからね。
 俺やモニカさん達が戻ってきた事は、すぐにシュットラウルさん達に伝わったらしく、広い宿の庭に降り立つとほぼ同時、やってきた兵士さんと執事さん達によって、俺は庁舎へと連れ去られた。
 いや、無理矢理とかではなくちゃんと来てくれますか? と確認はされたし無理矢理ではなかったんだけど。

 庁舎の中に入ると、疲れた顔をしているシュットラウルさんとマルクスさんに迎えられ、再会やお互い無事だった事を喜び合い、さらにヒュドラーやレムレースを含めた諸々の事を街や兵士さん達などを代表して、感謝された。
 あれだけの数のヒュドラーとレムレースを、時間稼ぎをしてくれたマックスさんやユノ達がいるとはいえ、ほぼ単独で討伐したのは国全体を救ったも同然とまで言われてしまった。
 大袈裟……ではなく、ヒュドラー三体にレムレースも三体、他にもキマイラなどの強力な魔物が大量にいた時点で、国一つ滅んでもおかしくない状況だったのはさすがに理解している。
 それこそ、この世界でも広大な領土を持つアテトリア王国でも、例外じゃない。

 なので、俺一人の力じゃないという気持ちはあったけど、感謝そのものは受け取っておく。
 ただ意識が飲み込まれて緑の光……植物を作り出して、国どころか世界を飲み込む可能性があった事を今は言わないでおこう。
 ……報告するうちに、ある程度は話さないといけなくなるだろうけど。

「ではリク殿、詳しい話を聞かせてもらえるか?」
「えっと……はい」

 庁舎の一室、作戦会議などにも使われていた広い部屋で、真ん中に鎮座するテーブル、それを囲む椅子の一つに座った俺を見るなり、早速とばかりにシュットラウルさんが切り出した。
 部屋にいるのは、俺とシュットラウルさんの他にマルクスさんと侯爵家の執事さん、それから大隊長さんとモニカさん。
 エルサもちゃんと俺の頭にくっ付いている。
 フィネさんやリネルトさん、フィリーナは寝ている人達を休ませるためと、レッタさんが目を覚ました時に変な行動をしないよう見張ってくれている……という名目の休息中。

 レッタさん、ロジーナとの関係を少しと今回の事でやっていた行動の一部を伝えたら、リネルトさんによって縄でぐるぐる巻きにされてしまったし、起きても何もできないだろうからね。
 クラウリアさん以来のミノムシだ……あと、念のため宿の一室を使って魔法を使えないようにする措置と、兵士さん達も呼ぶようリネルトさんが手配していた。
 はきはきとしたアマリーラさんが目立っていて、のんびりした喋り方をする人だけど、こういう事はちゃんとできる人なんだよなぁ。

 ちなみに宿で捕まえておくようにしたのは、目を覚ましたら話を聞く必要がある事と、何かあった時に一番対処できる人が揃っているからだ。
 フィリーナやワイバーン、寝ているロジーナや今はこの庁舎の部屋にいるけど俺とかね。

「まずどこから話しましょうか……南側のヒュドラーやレムレースを討伐したのは、知っているんですよね?」
「うむ、報告を受けている。主にアマリーラからだが……リク殿の称賛の中から行動の報告を抜き取るのに苦労した。口頭だから尚更な。ユノ殿が後からリク殿からの伝言などを持って来てくれて、助かったくらいだ」
「あはは……」

 確認のため聞いて見ると、俺がヒュドラーを全部倒し終わった事は伝わっているみたいだ。
 あの時、既にアマリーラさんは怪我を治した後だったから、俺の意識が戻った後と同じ状態だったんだろう。
 魔物の群れに突入する前、ユノに報告とかを頼んでいて良かった。

 とにかく、ヒュドラーとレムレース討伐を知っているのなら、まず話すべきはその後の事だね。
 一緒にいたのはロジーナだけだから、モニカさん達も知らない事だし。

「あの後、リネルトさんが発見していた場所に、ロジーナと向かったんですけど」
「ふむ、怪しい場所を空から発見していた。それをリク殿にも報告したとは聞いているな……」
「はい。それで……」

 リネルトさんはあの事もちゃんと報告していたんだね。
 シュットラウルさんに頷き、この場にいる全員にそこから何があったのかを説明していく。
 特に、レッタさんの事。
 センテを取り囲んだ魔物はわからないけど、おそらくヒュドラーを含めた魔物達第二陣は、レッタさんが指揮していたであろう事をだ。
 
「……では何か? そのレッタという女性が、何かしらの方法で魔物を操っていたと。一体何者だ? 人間にそんな事ができるとは思えんが」


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