神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

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リーバーに乗っての哨戒は思考時間にもなっている

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 ミームさんやルギネさんに、クランの事を話して冒険者ギルドを出た俺とモニカさん。
 ルギネさんはグリンデさんに絡まれて、とてもお見せできないというか俺が見ちゃいけないらしい(モニカさん談)姿になっていたみたいだけど、とりあえずリリーフラワーで話し合うと了承してくれた。
 まぁ、俺が誘うまでもなく、グリンデさん以外はクランに入る事に反対していなかったので、すぐにまとまるだろうと思う。
 戦争へ参加するという部分に引っかからなければだけど……多分大丈夫そうな雰囲気を感じた。

「それじゃ、俺はリーバーと合流して……」
「また、アイシクルアイネウム探しね。わかったわ。私も、フィリーナ達と合流するわね」
「うん。ソフィーは……そっちにいるかわからないけど、フィリーナやフィネさんにルギネさん達の事、伝えてね」
「えぇ、任せて」

 ソフィーは、なんだかんだとセンテの人達から頼りにされるようになっていて、街のあちこちに行ったり、解氷作業をしている方へと顔を出したりと、忙しそうだ。
 本人は、直接解氷を手伝えない事を悔しく思っていたようだから、やれる事があって嬉しそうだけど。
 フィネさんはソフィーと同じく、魔法が使えないので直接解氷作業の手伝いはできないけど、アイシクルアイネウムが発生するのに備えたり、その他色々と細かな手伝いをしているようだ。
 寒そうにしながらも、充実している様子を見せている。

「あ、そういえば。そっちでも何度かアイシクルアイネウムが出たみたいだけど……」

 待たせているリーバーの所へ行く俺と、解氷作業のために隔離結界の外へ向かうモニカさんとの分かれ道で、立ち止まって少しだけ話す。
 アイシクルアイネウムは、空からの探索をして発見次第潰しているけど、やっぱり解氷作業をしている人達の所にも発生していた。
 作業が進むごとに街から離れ、作業をする範囲が広がっているのもあるんだろう。

「なんとかなっているわね。まぁ、エルサちゃんがいてくれるおかげもあるけど……特に怪我をした人もいないわ」
「なら良かった。一応、モニカさんも気を付けてね?」
「わかっているわ。リクさんみたいな無茶はせず、皆と協力して事に当たるよう気を付ける」

 エルサがいれば、魔法が使えなくなっている俺と違って結界が張れるし、それこそエルサだけで何とでもできるか。
 怪我をした人がいないなら、安心だしモニカさんも危険に晒されていないと一安心。
 一応、空を哨戒している俺や他のワイバーンや兵士さん達が、解氷作業をしている人達の付近で発生しているのを見つけたら、伝達しつつ協力に向かうんだけど、急行するまでに何かあったらと思っての確認だ。
 とはいえむしろ、エルサがいる分だけワイバーン隊よりも安全に、アイシクルアイネウムの対処ができているのかもね――。


「結構、地面が露出というか氷が解けている場所も、広がったなぁ」
「ガァゥ」

 モニカさんと別れ、リーバーに乗って出撃……ならぬ空からの哨戒。
 やっぱり寒さという強敵がいるせいか、解氷作業開始当初の予想よりは進んでいないようだけど、それでもグラシスニードルの登場と、少しだけ皆が寒さに慣れたのもあって、今ではそれなりの速度で解氷作業が進んでいる。
 というのが、空から見るとよくわかる。
 隔離結界の出入り口になっている東側では、数キロ単位で氷が解けて地面が露出、遮るものがなく日当たり良好なため、氷が解けてすぐはぬかるんでいた地面も、ほぼ乾いているみたいだ。

 まぁ、地中はまだ水分を多量に含んでいるんだけど。
 近くに山がないのが良かったかな……土砂崩れの心配までしなくていいから。
 他にも、東側が着々と解氷されていくにつれ、近い南側にはそれなりに、北側は少数ではあるけど兵士さん達が作業をしている。

 北側はそれでも街の外壁に近い隔離結界付近の氷を全て融かせていないけど、南側は近い場所は大半が解かされている現状だ。
 隔離結界があるから南門は閉ざされたままで、通行は不可能になっているけど、既に東門と南門付近は結界の外でも行き来ができるくらいの道ができている。

「空にいても、東門付近はもうだいぶ温かいなぁ。リーバーは大丈夫?」
「ガァ、ガァゥ」

 通訳はできないけど、なんとなく大丈夫と言っているみたいだ。
 東門付近、というか隔離結界の出入り口周辺は、氷がなくなった影響で地上も空も既に街中と変わらないくらい暖かくなっている。
 暖を取るための焚き火は、継続して作業する凍てついた地面の上に設置されているけど、ある程度使う資材なども外に置いて保管したり、作業する人達の休憩所になったりしていた。

「ん? おーい……」

 地上で空を見上げ、複数の人達が手を振っているのが見える。
 多分、休憩するために集まった人達だろう。
 特に俺を呼ぶとかではなく、ただ空にいたから手を振っているというだけのようなので、こちらからも手を振り返しておいた。
 声は届いてないだろうけど。

「作業も順調、あと数日したら西側以外は人が行き来できるようになるかな。外とは通じていないけど」

 氷が解けた後も、これまであった街道をもう一度整備したりと大変な作業が続くのは変わりない。
 ただ、領主のシュットラウルさんを始め、帝国と事を構えるためには大切な補給線となる可能性が高いため、注力する予定だとか。
 国の北東にある、ルジナウムなどのフランク子爵領が、南西方面の帝国と事を構える際に物資など一番後方支援する立場にあるみたいではあるけど。
 それでも、王都を除いて国で一番大きな都市であるヘルサルや、それを支える作物の集積場であるセンテが重要である事は変わりない。

 だからこそ、ゴブリンを使ってヘルサルを狙ったり、今回のようにセンテを魔物で囲んだりしていたようだけども。
 ルジナウムにも、魔物を差し向けていたからね。
 まぁ、センテでの事に関しては、ロジーナやレッタさんの思惑が大きく関係していたりもしたけど。

「それじゃ、今日は西を中心に見て回ろうか」
「ガァ~」

 凍てついた大地は広い……やったのは俺だけど、それはともかく。
 全体を飛び回ってアイシクルアイネウムを探すのは大変なため、最初は解氷作業や隔離結界付近を、リーバーに乗って哨戒していたんだけど、今は解氷の作業反意が広がっているのもあって、哨戒する範囲も広がった。
 だから最近は、方角を決めてそちらを重点的に哨戒するようにしていた。

 他にも協力してワイバーンに乗って、アイシクルアイネウムを探す人でが増えたし、俺がいなくても皆で協力して倒せてもいるから、ある程度は任せて安心だ。
 俺だけで全てをカバーできないからありがたい。

「うーん、やっぱりこっちは思ったよりも捗っていないなぁ」

 センテの西側……要はヘルサルとの間なんだけど、そちらでの解氷作業はあまり進んでいない。
 一応、グラシスニードルを作って渡してはあるみたいだし、結構な人数の兵士さんが作業に取り掛かって入るんだけどね。
 グラシスニードルの数がまだ足らない、というのもあるかもしれないかなぁ――。

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