“5分”で読めるお仕置きストーリー

ロアケーキ

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間引き“かぞく”

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バヂンッ!バヂッ!

その日。夕暮れの部屋中に、何かを叩く雑音が響いている。

バヂンッ!バヂンっ!!

ふと部屋を見渡すと、そこにはまだ幼い少女と、その母親が向かいあっていた。

だが、そこに微笑ましい様子はなく、只々少女が頰を叩かれ続けるという“むごい”光景が広がっている。

部屋の奥にある押入れには、少女の弟が中に隠れ、震えながら様子を見ている。

今回、その弟がコップに入ったお水を溢してしまうという粗相をした。

普通なら軽い注意で終わりそうなものだが、この母親の前ではそうもいかなかった。

怒った母親は“罰”を与えようと弟へ近づき、その前で庇うように立ちはだかったのが、いま頰を叩かれている少女だ。

「なお、押入れに入っててっ!」

焦る剣幕で少女にうながされ、弟は泣きながら押入れに逃げる。

「…いい度胸ね。私の邪魔をするなら、そのままそこに立ち続けなさい。」

母親の宣告により、今のこの状況が完成する。

そこからは想像の通り、母の“気が済む”まで往復ビンタが始まるのだった。



…それからしばらく時間が経つが、一向に母親の打つ手に止まる気配はない。

見て分かる通り、そこに愛はなく、ただ母親の怒りをぶつけているだけだ。

すでに頰は左右とも真っ赤に腫れ上がっている。

あたりがどころ悪かったのか、左側の鼻からは鼻血が流れ、上着に垂れてシミを作っていた。

唇も切れ、滲み出す血がその悲惨さを物語っている。

すでにお仕置きなど遥かに超える状況だが、この有り様を止めるものは誰もいない。

そんな中でも、少女はすすり泣きながらも手を後ろにし、必死に耐えている。

…少女が“お姉ちゃん”となってから、ずっとこの惨状は続いているのだ。



「はぁ…はあ。」

ようやく気が済んだのか、母親の手は止んだ。

「ひっく…。んぐぅ……。」

少女の様子は、顔全体が真っ赤に染まり、変わり果てた状態となっている。

そんな状態でも声を押し殺しているのは、少しでも母親の怒りを買わないための“自己防衛”反応なのだろう。

…だが、これで終わりではない、……むしろ、少女にとって“これから”が始まりなのだ。

「…じゃ、私に“反抗した罰”をあげなきゃね。服を全部脱ぎなさい。」

これまでのことは何もなかったような様子で、母親が少女に言い放つ。

その言葉を予期していたのか、少女は眉をかすかに“ピクリ”とさせると、上着に手をかけた。

そのままズボン、パンツの順に下ろすと、畳むことなく床に投げ捨てていく。

少女が服を脱ぐと、身体中には“傷痕”が浮かび上がっている。

その1つ1つがどれも痛々しく、普段の厳しいお仕置きと、その後に一切の処置をされていないことが目に浮かぶ光景だ。

「じゃあ、そのまま四つん這いになりなさい。」

「……。」

“ドサッ”

少女は四つん這いになると、お尻を高く上げる。

こうしないと“追加罰”をされることは、短くはないお仕置き生活で学習済みのようだ。

そして母親は自分の着ているベルトを取ると、鞭のようにしならせ、自分の手に当てた。

「じゃあ、“とりあえず”1時間、しっかり耐えなさい。……あんまり態度が悪いと、そこの“なお”にも罰を与えるからね。」

「…はい。」

“1時間”

その時間は、これから少女を待ち受ける「地獄」の時間だった。

ビッヂィィンッ!!

「あ゛あぁっ!!」

すでに痣だらけのお尻へベルトが当てられる。
その度に1つ、また1つと、新しい痣ができ始めた。

…いま、少女ができることは、ただひたすらに“耐える”ことだ。

……でなければ、次は後ろにいる“弟”が。

ビッヂィィンッ!!ビヂィンッ!!

「うぎぃっ!!いだいぃっ!!」

あまりの痛みから、少女はベルトが当たるたびに身体を震わせている。

…当然だ。
大人でも到底耐えられないような痛みを、浴びせられ続けているのだから。

……だが、母親はそれを“当然”とは思わないらしい。

「ほら、動くんじゃないのっ!」

少女がお尻をぎこちなく振るたびに、ベルトは背中や横腹、おまたに叩きつけられていく。

バヂンッ!!バヂッ!!

「あ゛っ!ぎぃっ!?」

「ほんと、根性のない子だねぇっ!!」

バッヂィィンッ!!

「ぎゃぁぁあっ!!」

鳴り止まない雨のような勢いが、少女へと叩きつけられる。

顔下の床には、涙とよだれが混じった液体が満ち、どんどん面積を広げていく。

そんな中でも、少女は一点に床を見つめ、“お姉ちゃん”という役目を満たそうとするのだった。



すでに日が落ち、部屋が月明かりに照らされるころ、ようやく少女への“罰”は終わった。

終わった瞬間から自分で垂らした“液の上”に倒れ込み、そのまま動くことが出来ないでいる。

お尻側に目を向けると、少女の下半身は“内出血と出血”が入り混じり、元の色が分からないほどに変色していた。

その周りの床には、飛び散った血しぶきが、少女の汗と滲んでいる。

背中からふくろはぎまで続くその“血跡”は、触れるだけで激痛を伴うことに間違いはないだろう。

リビングからは、母親と弟が“話し合い”をしている音が聞こえる。

…だが、少女がそこにいく気力はもう無いようだ。

そんな少女が、弱々しく顔を上げる。

「もう、やだぁ…。……ねえ、助けてよ、“お姉ちゃん”。」

そして、部屋の隅、いま“わたし”が立っているほうを見てつぶやいた。

まるで、“わたし”が見えているかのように。

…では、“わたし”は誰だろうか。

……わたしは、この家で“姉”という立場だったものだ。

わたしは以前、“妹”が立っている場所に立っていた。

……立てなくなったのは、わたしの“心臓”が、動くことを止めてから。

それからは、その“役目”が妹に周ったのだ。

…わたしはそのまま、妹が寝てる側へしゃがみ込む。

『……ごめんね。…わたしはもう、助けられないよ。』

聞こえることはないだろうが、“妹”へそう呟く。

『でも、安心して。…きっとその役目も、もうすぐ“終わる”から。』

それは、今の様子を見ていれば、簡単にわかってしまう。

…だって。

……妹も、そろそろ“こちら側”に来るだろうから。


「完」
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