47 / 51
誕生日のお仕置き
しおりを挟む
今日はわたしの誕生日。
遂に二桁の年齢となるが、わたしは毎年の“この日”が大嫌いだった。
その理由は…。
「ひなのっ!何やってんのっ!!」
耳がキンキンとする声で、廊下に居たわたしの名前が呼ばれる。
嫌々振り返ると、そこには“ケイン”を手に持った母が立っていた。
「今年も“誕生日のお仕置き”を始めるから、早くリビングに来なさいっ!」
言うが早いか、母はわたしの腕を握ると、強制的にリビングへ連行していく。
…我が家では毎年の誕生日に、わたしがお仕置きを受けるルールがある。
「年齢が上がったという自覚を身体に刻むため」という理不尽な理由で、毎年何も悪いことをしていないのに、お仕置きが与えられていた。
そして今日もその例外ではないらしい。
連行された先でわたしは手を離され、母と向かい合う形となった。
「早くお尻出しなさいっ!」
「今年も、年の数×10回ペンペンだからねっ!」
『…いやぁ』
心は嫌がっているが、身体は勝手に動き出す。
パンツを膝まで下ろし、ゆっくりと下着もそれに続いた。
5歳になった日から始まったこのルールは、今日もわたしから涙を搾り取るだろうと、他人事のように考えてしまう。
とうとう今年は「100回」もぶたれるとを思うと、無意識に心が現実を認めないようにしているのかもしれない。
「遅いっ!お尻を出すだけでどれだけお母さんを待たせるのっ!?」
「ご、ごめんなさいっ!?」
「早く四つん這いになって、お尻を突き出しなさいっ!…これ以上時間を掛けるなら、今年からは“年の数×100回”にするからねっ!!」
「ひっ、…ひいっ!?」
途方もない数を頭で理解した瞬間、身体は素早く動き、お仕置きを受けるための姿勢を取る。
「お、お母さんっ!今年の“誕生日のお仕置き”をお願いしますっ!!」
恐怖で震えた口が、心にも無いことを吐き出し、身体はお尻を高く突き出す。
この5年間で染み込まれた恐怖の集大成が、形となって現れていた。
「まあいいわ。今回は“年の数×10回ペンペン”で許してあげます。…ただし、ちょっとでも姿勢を崩したら……わかってるわね?」
ペンッ ペンッ
「ひっ…は、はいっ!ありがとうございますっ!!」
ケインがお尻に当てられた冷たさに、わたしの思考は一瞬止まってしまう。
この冷たいものが力いっぱいお尻に当てられる痛みを思い出し、わたし全身が震え出した。
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「んぎゃぁぁぁっ!?いっ、いっかいっ!!」
悲鳴と共に数を数える音が、部屋の中にこだまする。
数は毎回自分で数えるよう叩き込まれているため、もはや意識しなくても出来るようになっていた。
お尻には、縦に焼けたような線の痛みが残り、その一発で、わたしの目からは涙が溢れ出していた。
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「あ゛ぁぁぁぁっ!!にがいっ!!」
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「いだぁぁぁぁっ!!ざ、ざんがぁいぃっ!!」
立て続けに痛みが広がり、わたしの意識が飛びかける。
姿勢を崩さないのは、もはや奇跡と思える状況だった。
ぶたれるたびに赤黒い線がお尻に広がり、その痛々しさを物語っている。
この痛みが後97回も残っているなど、考えたくもなかった。
ビュッ ビュッ
わたしに恐怖を与えるためか、母がケインを素振りする音が耳に届き、全身が震え出す。
ビュッ… ビュッ ビッヂィィンッ!!
「あぎぃぃぃっ!?よんがぁぁいっ!!」
何度かの素振りを終え、またお尻に激痛が走る。
喉が潰れるのでは無いかというくらいの悲鳴が、わたしの頭に響き渡った。
涙の他に、めまいや頭痛から、視界がぼやけているのがわかる。
ビュッ ビュッ
「あ、…あぁ」
またも素振りする音が届き、わたしの心臓からバクバクと焦る音が聞こえ出す。
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「いだいぃぃぃっ!?ご、ごがいぃぃぃっ!?」
もはやお尻全体が燃えている感覚が、わたしの意識を奪っていく。
…。
……その後も百叩きは続き、奇跡的に姿勢を崩さなかったわたしは、“塩辛い味がするケーキ”を食べることになるのだった。
「完」
遂に二桁の年齢となるが、わたしは毎年の“この日”が大嫌いだった。
その理由は…。
「ひなのっ!何やってんのっ!!」
耳がキンキンとする声で、廊下に居たわたしの名前が呼ばれる。
嫌々振り返ると、そこには“ケイン”を手に持った母が立っていた。
「今年も“誕生日のお仕置き”を始めるから、早くリビングに来なさいっ!」
言うが早いか、母はわたしの腕を握ると、強制的にリビングへ連行していく。
…我が家では毎年の誕生日に、わたしがお仕置きを受けるルールがある。
「年齢が上がったという自覚を身体に刻むため」という理不尽な理由で、毎年何も悪いことをしていないのに、お仕置きが与えられていた。
そして今日もその例外ではないらしい。
連行された先でわたしは手を離され、母と向かい合う形となった。
「早くお尻出しなさいっ!」
「今年も、年の数×10回ペンペンだからねっ!」
『…いやぁ』
心は嫌がっているが、身体は勝手に動き出す。
パンツを膝まで下ろし、ゆっくりと下着もそれに続いた。
5歳になった日から始まったこのルールは、今日もわたしから涙を搾り取るだろうと、他人事のように考えてしまう。
とうとう今年は「100回」もぶたれるとを思うと、無意識に心が現実を認めないようにしているのかもしれない。
「遅いっ!お尻を出すだけでどれだけお母さんを待たせるのっ!?」
「ご、ごめんなさいっ!?」
「早く四つん這いになって、お尻を突き出しなさいっ!…これ以上時間を掛けるなら、今年からは“年の数×100回”にするからねっ!!」
「ひっ、…ひいっ!?」
途方もない数を頭で理解した瞬間、身体は素早く動き、お仕置きを受けるための姿勢を取る。
「お、お母さんっ!今年の“誕生日のお仕置き”をお願いしますっ!!」
恐怖で震えた口が、心にも無いことを吐き出し、身体はお尻を高く突き出す。
この5年間で染み込まれた恐怖の集大成が、形となって現れていた。
「まあいいわ。今回は“年の数×10回ペンペン”で許してあげます。…ただし、ちょっとでも姿勢を崩したら……わかってるわね?」
ペンッ ペンッ
「ひっ…は、はいっ!ありがとうございますっ!!」
ケインがお尻に当てられた冷たさに、わたしの思考は一瞬止まってしまう。
この冷たいものが力いっぱいお尻に当てられる痛みを思い出し、わたし全身が震え出した。
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「んぎゃぁぁぁっ!?いっ、いっかいっ!!」
悲鳴と共に数を数える音が、部屋の中にこだまする。
数は毎回自分で数えるよう叩き込まれているため、もはや意識しなくても出来るようになっていた。
お尻には、縦に焼けたような線の痛みが残り、その一発で、わたしの目からは涙が溢れ出していた。
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「あ゛ぁぁぁぁっ!!にがいっ!!」
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「いだぁぁぁぁっ!!ざ、ざんがぁいぃっ!!」
立て続けに痛みが広がり、わたしの意識が飛びかける。
姿勢を崩さないのは、もはや奇跡と思える状況だった。
ぶたれるたびに赤黒い線がお尻に広がり、その痛々しさを物語っている。
この痛みが後97回も残っているなど、考えたくもなかった。
ビュッ ビュッ
わたしに恐怖を与えるためか、母がケインを素振りする音が耳に届き、全身が震え出す。
ビュッ… ビュッ ビッヂィィンッ!!
「あぎぃぃぃっ!?よんがぁぁいっ!!」
何度かの素振りを終え、またお尻に激痛が走る。
喉が潰れるのでは無いかというくらいの悲鳴が、わたしの頭に響き渡った。
涙の他に、めまいや頭痛から、視界がぼやけているのがわかる。
ビュッ ビュッ
「あ、…あぁ」
またも素振りする音が届き、わたしの心臓からバクバクと焦る音が聞こえ出す。
ビュッ ビッヂィィンッ!!
「いだいぃぃぃっ!?ご、ごがいぃぃぃっ!?」
もはやお尻全体が燃えている感覚が、わたしの意識を奪っていく。
…。
……その後も百叩きは続き、奇跡的に姿勢を崩さなかったわたしは、“塩辛い味がするケーキ”を食べることになるのだった。
「完」
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる